○サティ・ヤマノス 「ニートだけどハロワにいったら異世界につれてかれた」桂かすが(MFブックス)
仕事は忙しくて本を読む時間がなかなか確保できないし、目も悪くなって読むスピードも落ちている中、積み上げた本を読み飛ばしていくと内容をドンドン忘れます。よほど面白くないと、読んだかどうかも忘れます。そういうわけで、こんな備忘録ブログが自分に必要になるわけです。
そんな中、読んだ内容を覚えているような面白い作品でも、ヒロインの存在を意外に忘れがち。ヒロインは「主人公が大好き」「(戦闘か魔法か内政で)役に立つ」「美人(またはかわいい)」という最大公約数を抜くと、「なんか主人公の邪魔ばかりするのがいたなあ」とか「色欲全開だったなあ」くらいしか印象に残りません。案外と男性主人公ほど個性的なキャラクターが多くないのかもしれません。
ただ、そんな読み飛ばしてしまっている自分でも、しっかり記憶に刻まれているヒロインはいるわけで、そういうキャラをピックアップするのも面白いかなあと思った次第です。
『ニートだけどハロワにいったら異世界につれてかれた』は、ニート青年が仕事探してハロワに登録したら、長期契約で異世界に派遣されてしまったことから始まる冒険譚。主人公はチートだし、ヒロインはどんどん増えてハーレムができるし、異世界でもお風呂にこだわるし、日本の料理は人気になるしと、ある意味、なろう系ファンタジーの典型ともいうべき作品です。2013年スタート。でも、だからこそ面白い。リスクとリターン、メリットとデメリット、労苦と報酬がきっちり等価交換になってます。
チートだけれど鍛錬が足りないからウサギに負ける、ドラゴンとか強い敵と戦って死にかけると嫁が増える……というように、苦労せずに強くてハーレム野郎だと腹も立つけれど、命の危険と引き替えなら仕方がないよなあ。いつも死にそうになりながら、自分と嫁の平和な生活のために頑張ってます。
そんな話のヒロイン、主人公の嫁から1人ピックアップするなら、元奴隷で猫耳獣人のサティでしょうか。主人公の最初の仲間が奴隷少女というのもお約束の1つ。
サティは小柄で痩せっぽち。視力が悪くて鉱山送りになりかけていたのを救われて以来、忠誠心厚く主人であるマサルに尽くし続けます。
「あ、あの、がんばりますのでよろしくお願いします」
いつも控えめだけれど素直で頑張り屋。夜のお勤めもしっかり。マサルによって視力を回復してからはめきめき頭角を現し、あっと言う間に一騎当千の戦士になっていきます。具体的には、範囲魔法攻撃より彼女が弓で倒した魔物の数の方が多いくらい……とつらつら書き連ねていて気がつくのは、サティってもしかして「男に都合の良いヒロイン」じゃない?
ただ、話が面白く、活き活きと動き回っているから気にならないんですね。強くなって、奴隷でもなくなって、あちこち無双するようになっても、ちゃんと主人公から離れず、離れてもすぐに駆け戻ってくる忠犬。それがサティです。猫耳だけど。
「わたしは何もいらないです。マサル様にはもういっぱい頂いてますから」
そして、サティたちヒロインが「主人公にとって都合の良いヒロイン」であるのと同時に、主人公であるマサルも「ヒロインたちにとって都合の良い男」なんです。
たぶん、そのあたりのバランス感覚が、幸せな物語感を生んでいるんだろうなと思います。
仕事は忙しくて本を読む時間がなかなか確保できないし、目も悪くなって読むスピードも落ちている中、積み上げた本を読み飛ばしていくと内容をドンドン忘れます。よほど面白くないと、読んだかどうかも忘れます。そういうわけで、こんな備忘録ブログが自分に必要になるわけです。
そんな中、読んだ内容を覚えているような面白い作品でも、ヒロインの存在を意外に忘れがち。ヒロインは「主人公が大好き」「(戦闘か魔法か内政で)役に立つ」「美人(またはかわいい)」という最大公約数を抜くと、「なんか主人公の邪魔ばかりするのがいたなあ」とか「色欲全開だったなあ」くらいしか印象に残りません。案外と男性主人公ほど個性的なキャラクターが多くないのかもしれません。
ただ、そんな読み飛ばしてしまっている自分でも、しっかり記憶に刻まれているヒロインはいるわけで、そういうキャラをピックアップするのも面白いかなあと思った次第です。
『ニートだけどハロワにいったら異世界につれてかれた』は、ニート青年が仕事探してハロワに登録したら、長期契約で異世界に派遣されてしまったことから始まる冒険譚。主人公はチートだし、ヒロインはどんどん増えてハーレムができるし、異世界でもお風呂にこだわるし、日本の料理は人気になるしと、ある意味、なろう系ファンタジーの典型ともいうべき作品です。2013年スタート。でも、だからこそ面白い。リスクとリターン、メリットとデメリット、労苦と報酬がきっちり等価交換になってます。
チートだけれど鍛錬が足りないからウサギに負ける、ドラゴンとか強い敵と戦って死にかけると嫁が増える……というように、苦労せずに強くてハーレム野郎だと腹も立つけれど、命の危険と引き替えなら仕方がないよなあ。いつも死にそうになりながら、自分と嫁の平和な生活のために頑張ってます。
そんな話のヒロイン、主人公の嫁から1人ピックアップするなら、元奴隷で猫耳獣人のサティでしょうか。主人公の最初の仲間が奴隷少女というのもお約束の1つ。
サティは小柄で痩せっぽち。視力が悪くて鉱山送りになりかけていたのを救われて以来、忠誠心厚く主人であるマサルに尽くし続けます。
「あ、あの、がんばりますのでよろしくお願いします」
いつも控えめだけれど素直で頑張り屋。夜のお勤めもしっかり。マサルによって視力を回復してからはめきめき頭角を現し、あっと言う間に一騎当千の戦士になっていきます。具体的には、範囲魔法攻撃より彼女が弓で倒した魔物の数の方が多いくらい……とつらつら書き連ねていて気がつくのは、サティってもしかして「男に都合の良いヒロイン」じゃない?
ただ、話が面白く、活き活きと動き回っているから気にならないんですね。強くなって、奴隷でもなくなって、あちこち無双するようになっても、ちゃんと主人公から離れず、離れてもすぐに駆け戻ってくる忠犬。それがサティです。猫耳だけど。
「わたしは何もいらないです。マサル様にはもういっぱい頂いてますから」
そして、サティたちヒロインが「主人公にとって都合の良いヒロイン」であるのと同時に、主人公であるマサルも「ヒロインたちにとって都合の良い男」なんです。
たぶん、そのあたりのバランス感覚が、幸せな物語感を生んでいるんだろうなと思います。