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『見えざる政府 CFR ホワイトハウスを操る司令塔』 1993 太陽出版 1-1

2016年03月29日 | 帝国・帝国主義・軍産官報複合

              ▲ 『見えざる政府 CFR ホワイトハウスを操る司令塔』 1993 太陽出版 1600円+税

 

 

『見えざる政府 CFR ホワイトハウスを操る司令塔』 1993 太陽出版 

 

『見えざる政府 CFR ホワイトハウスを操る司令塔』 1993年 太陽出版はもう出版から、四半世紀近くも経過し、CFRの個人メンバーは大幅に入れ替えになってはいるが、その権能と影響力はますます堅固になり、難攻不落の要塞兼司令塔のような相貌を呈してきたようである。

大統領は、むしろ、日本で言えば、一昔前の老舗の商店の番頭や、小間使いの使い走りのような有様であるのは、戦後アメリカの歴代大統領の政策をしばらく観察していると、たちどころに納得がいくはずである。

今やアメリカの大統領になるには、自らCFRのメンバーになって、会員の推挙をうけるか、CFRのお墨付きをもらって、政策のアドバイスをもらうため、あるいは政策を実行してもらうため、ホワイトハウス内に大量のCFR会員・推薦の担当者を受け入れるほかはない。

米外交問題評議会の会員が寄せる論文は、日本では『中央公論』や、かつて刊行されていた朝日新聞社の『論座』などに掲載されてもいたが、今では機関誌『フォーリン・アフェアーズ』は日本でも定期刊行されているので、一般的には、巨大な「シンクタンク」として何の不思議もなく認知されている存在である。

ところがである。

CFRはだれもが信じて疑わないシンクタンクとしての表の姿をもちながら、絶妙な組織・運動体であると言う。

それはほんとうか!

アメリカでは、すでに、3大ネットワークテレビ網、『ニューヨーク・タイムズ』、『ワシントンポスト』や、『タイム』、『ライフ』、『フォーチュン』、『ニューズ・ウィーク』なども、発行人や、編集人がCFRの会員に名を連ねるか、連携しているので、ぬかりはない。水も漏らさぬ体制が完備されているといえようか。

まぁこの本に書かれているものはそんなものだろうと予期はしていたものの、アメリカ国家は身も蓋もないほど、タイトル通りの「見えざる政府」により、コントロールされている、ローマ帝国のような寡頭政治社会であると・・・・・

ここに書いてあることを、どこにでもいるテレビ漬け気味の何も知らない一般の生活者にうっかり話し漏らせば、間違いなく、あやしげな『陰謀論』者として、無視されるか、敵視されるか、思考偏向者としてマークされてしまうかもしれない。

そんなリスクを背負い込む無駄な時間はないという人は、本のタイトルを見ただけで、生理的な拒否反応を起こしてしまうかもしれないが・・・・・・

ましてや、「ジョン・バーチ協会」のメンバーが書いたシリーズとあっては、この人たち、「アメリカ右翼の民族主義者」という分類する人もいるので、ますます、怪しげなものに取り憑かれたかという噂が流れてしまう危険もあるのだが。

そういえば、ケネディ暗殺事件をめぐる本を読んでいるとき、オズワルドの自宅周辺をうろついて(パトロールという名目で)オズワルドに接触してきたダラス署の警官にティッピットという名の人物がいた。ティッピットは、私の記憶ではジョン・バーチ協会に所属していたと記されていたように思う。

アメリカ政府公認の?『ウォーレン報告書』1964年 ではオズワルドがティッピットに発砲、逃亡したことになっている。

この本の中身の直接の関連はないが、「ジョン・バーチ協会」の結成当初から20世紀後半の政治政策の変化は調べてみる必要があるようだ。

 

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この日本で生きるのに邁進して、何の不都合も感じない人はそもそもこんな本を手にして読もうなどという気持ちは起きないだろうが、

「共和党だろうが、民主党だろうが、草の根レベルでは大いに違った政策・政党集団のように見えながら、アメリカ政治のピラミッドの階段を上るにつれ、どれも似たような政策になり、世界外交政策などに至っては、共和党と民主党の差が全く解消し、世界のまっとうな国民国家を破壊しまくっているように見えるのはどうしてなのだろうか?」

このことに怒りを禁じ得ない人

少しでも関心があり、なぜだろうと不思議に思うことがあれば、この本の誘惑に駆られることだろう。

 

 ▼『見えざる政府 CFR ホワイトハウスを操る司令塔』 目次 1

 

▲ 『見えざる政府 CFR ホワイトハウスを操る司令塔』 目次 1

 

▼ 『見えざる政府 CFR ホワイトハウスを操る司令塔』 目次 2

 ▲ 『見えざる政府 CFR ホワイトハウスを操る司令塔』 目次 2

 

なおCFRについては下の本もある。

▲ジャームス・バーロフ 馬野周二訳・解説 『権力の影 外交評議会 CFRとアメリカの衰退』 1992年 徳間書房

定価2400円+税

 

 

つづく

 

 



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