▲『アメリカ帝国の基礎知識』ー永久戦争の帝国ー 作品社 2004
『アメリカ帝国の基礎知識』ー永久戦争の帝国ー 作品社 2004
1-2-2
なぜアメリカは戦争が好きなのか? 「民主主義の名のもとに」軍事侵略は当たり前、「戦争を予防する」といって、(予防)先制攻撃を是認し、国連を無視し、「グローバリゼーション」の推進で世界のすべてを収奪することを企て、「テロの脅威」の大義のもと、批判する者を圧殺し続けているアメリカ合衆国。2001年9.11事件の後の2004年の著作であるが、今もって、「アメリカ=永久戦争の帝国」をわかりやすく、ずばり核心に切り込み解明する世界市民必読の、座右に置きたいパンフレット。
『アメリカ帝国の基礎知識』ー永久戦争の帝国ー 作品社 2004
はじめに 永続戦争の帝国・・・・・・11月24日 (金)当ブログ記事
1章 「民主主義」の軍隊は何をやってきたのか 1-2-1 昨日 11月25日(土)
1章 「民主主義」の軍隊は何をやってきたのか 1-2-2 本日 11月26日(日)
2章 いかにして合衆国は「帝国」となったかー覇権主義から一極支配へ
3章 合衆国の中東支配の野望
4章 なぜ「グローバリゼーション」は戦争が好きか?
5章 合衆国を支配しつづける「軍産複合体」
6章 「国際テロの脅威」を口実にした人権無視体制
7章 泥沼に陥った合衆国
8章 帝国に抗する世界市民たち
・
1章 「民主主義」の軍隊は何をやってきたのか 1-2-2
昨日の続き
(合衆国は)
「太平洋の対岸では、合衆国も、「砲艦政策」を行い、中国と日本に不平等条約を押しつけ 、中国の「義和団の乱」(1900年)の鎮圧に協力し、1898年にはフィリピンを占領している。」
「海洋の自由、経済障壁の廃止、第一次原料へのアクセスは1918年のウッドロー・ウィルソン大統領が提唱した。14ヵ条の平和プログラムの中心であった。」
ウィルソンは、第一次世界大戦末期、このプログラムの中で、植民地化された地域住民の諸権利が、植民地支配国の国民の諸権利と同じくらい尊重されるようにするために、諸国が植民地問題に関する幅広い合意をする計画を提案した。」(22頁)
14ヵ条宣言の第5条はこうである。
「植民地化された住民が、植民地支配している国々と同じ程度に尊重されるような仕方での、植民地問題に関する国家間の広い取り決め」 (22頁)
「しかしながら、奇妙にも、ウィルソンは、このような進歩的な主張を行いながらも、ハイチ・ニカラグア・ドミニカ共和国に対して、「進歩主義的介入」という口実で介入を行い、またメキシコのヴェラクルスで行った大量虐殺を黙殺している。」
「彼が提案した合意による新たな体制の本当の性格は、アメリカ大陸全体への合衆国の支配の合法化である。」
「モンロー宣言(第21条)をウィルソンが国際連盟条約に承認するよう要求したことにより、さらに明白になる。」
つまり、
「ウィルソンによる
「ニュー・デモクラシー」の
本当の姿とは、
「ヨーロッパ全体主義」の支配から解放されたいと望んでいる人々のための「摂理による介入」を偽装した、
<主人>を変えさせるための教唆なのである。」 (22頁)
・
ルーズベルト
「第二次世界大戦中、フランクリン・デラノ・ルーズベルト大統領は、自らの国連の創設計画の中で、ウィルソンの「植民地解放」のプログラムを再び取り上げた。」
しかしながら、
「ルーズベルト大統領によって国務省(外務省)の文化担当国務次官に任命されたアーチボルド・マクリーシュはこう断言している。
「事態の進展にしたがって、
われわれが今創ろうとしている平和は、
それは
石油のための平和
お金のための平和
商取引のための平和
要するに
道徳的目標なき平和
人間主義的配慮なき平和となるだろう。」 (22頁)
「この経済的自由主義は、第二次世界大戦後、1970年代末までには、新ケインズ主義的秩序によって大きく緩和された。
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こうして
合衆国は、世紀が進むにつれて、
経済力に基盤を置き、
軍事力によって確保された
「不定形の帝国」
を構築していった。
同時に、ヨーロッパの植民地帝国は瓦解したのである。」 (22ー23頁)
次回は
第1章 民主主義の軍隊は何をやってきたのか
3 反共を口実にした悪逆非道1945~1980
つづく