▲『アメリカ帝国の基礎知識』ー永久戦争の帝国ー 作品社 2004
アメリカ帝国の基礎知識』ー永久戦争の帝国ー 作品社 2004
アメリカ帝国の基礎知識』ー永久戦争の帝国ー 作品社 2004 -1ー2
ATTACフランス編著 コリン・コバヤシ+松葉祥一星野秀明+椎名亮輔+羽生のり子+湯川順夫訳『アメリカ帝国の基礎知識』ー永久戦争の帝国ー 作品社 2004年
なぜアメリカは戦争が好きなのか? 「民主主義の名のもとに」軍事侵略は当たり前、「戦争を予防する」といって、(予防)先制攻撃を是認し、国連を無視し、「グローバリゼーション」の推進で世界のすべてを収奪することを企て、「テロの脅威」の大義のもと、批判する者を圧殺し続けているアメリカ合衆国。2001年9.11事件の後の2004年の著作であるが、今もって、「アメリカ=永久戦争の帝国」をわかりやすく、ずばり核心に切り込み解明する世界市民必読の、座右に置きたいパンフレット。
以下は、この本『アメリカ帝国の基礎知識』の極私的抄録 なので、記したこの抄録にメモしたい内容が一行でもあれば、書店で購入するなり、基幹図書館で探して、該当行の前後の文脈をそれぞれに読解を試みていただきたい。また、同じ作品社から2003年にウイリアム・ブルムの著書『アメリカの国家犯罪全書』が出版されているので、より詳しくは400頁を越えるこのブルムの本を参照願う。
▼ウイリアム・ブルム『アメリカの国家犯罪全書』2003年 作品社
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では、昨日に続き、『アメリカ帝国の基礎知識』の私的抄録再開する。
はじめに 永続戦争の帝国・・・・・・11月24日 (金)当ブログ記事
1章 「民主主義」の軍隊は何をやってきたのか 本日 11月25日(土)
2章 いかにして合衆国は「帝国」となったかー覇権主義から一極支配へ
3章 合衆国の中東支配の野望
4章 なぜ「グローバリゼーション」は戦争が好きか?
5章 合衆国を支配しつづける「軍産複合体」
6章 「国際テロの脅威」を口実にした人権無視体制
7章 泥沼に陥った合衆国
8章 帝国に抗する世界市民たち
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1章 「民主主義」の軍隊は何をやってきたのか
1 歴史から見た、合衆国の真実の姿
「合衆国ほど、長い歴史にわたってこれほど積極的に、「われわれの権力は、<善>の役に立っている」と表明してきた国はほとんどない。」
新保守主義右派(ネオ・コンサーヴァティヴ)の主要人物の二人、アーヴィング・クリストルとロバート・ケーガン は、歴史によって合衆国に与えられた有利なイメージを利用しようとした。
「合衆国は、その外交政策に並はずれた道徳性を注ぎ込んでいる。」(17頁)
その結果
「他国からは、威嚇的に見えるが、それほど合衆国の力を恐れる必要はない、という感情を抱いている。」(17頁)
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「冷戦はふたたび合衆国を、自由の擁護者、ソヴィエト帝国に対する「自由世界」のリーダーとするのに貢献したのである」(18頁)
「しかし、この疑わしいところのまったくないとされる合衆国の道徳性の実情とは、いかなるものだろうか。合衆国の外交政策は、十九世紀・二十世紀において古いヨーロッパの帝国主義勢力によって行われた外交政策より、推奨に値するものだったのだろうか。合衆国の外交政策は、植民地征服や、経済的エゴイズムに基づいていないとする言説には、根拠があるのだろうか。」(18頁)
「というのも、道徳的なる合衆国の姿とは全く対称的な、もっと脅威的なもう一つの合衆国の姿が、常に存在してきたからである。」 (18頁)
1895年 ヘンリー・カボット・ロッジの示唆した合衆国の姿である。
「十九世紀におけるどのような国民も、われわれの征服、われわれの植民地化、われわれの領土拡張には及ばない・・・・・・・今や、何者もわれわれを止めることはできないだろう。」(18頁)
2 一貫した<領土拡張>の歴史・・・・1798~1945
「連邦が形成された最初から、またその波瀾の歴史を通じて、合衆国は、<領土拡張>の意志を常に持ち続けてきた。」
「1962年の、ある報告書(それは、はっきりと『合衆国の軍事力の外国への行使に関するいくつかの例・・・・1798~1945』と題されている)のなかで、国務長官のディーン・ラスクは、1798年から1945年の期間に、「アメリカ市民の利益」を守ることを目的にした、とされる、少なくとも300件の介入を数え上げている。そのほとんどの場合の重要な目的は、はっきり言って領土拡張であった。」 (18-19頁)
第1期 合衆国国家領土形成の時期
1819年 以来、逃亡奴隷、迫害された先住民の避難場所を、合衆国大統領アンドリュー・ジャクソンが「合衆国の安全保障のために必要である」と宣言。
1846年 ジェームズ・ポーク大統領、メキシコに対する戦争開始。合衆国は、1500万ドルと引き換えに、この敗戦国メキシコの領土の半分近くを併合。
その後、数十年間で、先住民の平定が終わった。
「すなわち、彼らの文化の破壊、強制収容、そして生存者に対する保護区への封じ込めが完成した。」 (18ー19頁)
19世紀末
「合衆国は、当時の帝国間の競争に加わり、プエルト・リコ、ハワイ、ウェーク島とグアム島を占領した。」 (19頁)
「合衆国の政策は、実際、獰猛な肉食動物のような暴力を行使することにおいては、伝統的なヨーロッパの帝国の政策とまったく変わることがなかった。」 (19頁)
第一次世界大戦以前、
「この国は、中米で、いわゆる、「太い棍棒政策」を実践した。」 (19頁)
すなわち、
キューバを軍事的指揮下に置き、
ニカラグアに介入し
ハイチを保護領にして後に軍事介入し、
パナマ海峡に運河を開通させる権利を譲るようコロンビアに強制し
その結果、
1903年 新しいパナマ国家を作った。
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1898年
「最も危険な帝国主義陣営の代弁者の一人であるアルバート・ベヴァリッジ上院議員は単刀直入に、合衆国による定義を述べている。」
「世界の商取引は、現在も未来も、われわれが支配する。そしてわれわれは、それを実現するであろう。」 (19-20頁)
続く
アメリカは過去も現在も一貫していることが、見えてくる。
ある民主メディアを装った論は、あたかも、ブッシュ・トランプがアメリカに存在する民主主義からはずれた例外者のように扱っているのだが、過去を調べれば調べるほど、腐爛したローマ帝国と同質の、寡頭政治と何ら変わるところががないところが見えてこないか。