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▲ 『世界』 2016年11月号 岩波書店 定価850+税
『世界』 2016年11月号 スノーデンが日本に問いかけるもの ほか 岩波書店
『世界』 2016年11月号 スノーデンが日本に問いかけるもの ほか 岩波書店
▼ 『世界』 2016年11月号 目次1
▲『世界』 2016年11月号 目次1
▼『世界』 2016年11月号 目次2
▲ 『世界』 2016年11月号 目次 2
今月号で気になった記事は、小笠原みどり 「スノーデンが日本に問いかけるもの」 上下2回で連載するようなので、感想は、来月にまとめたいのだが。
スノーデンに対する単独インタビューでは日本のジャーナリストでは初めての取材だったらしい。今年の『サンデー・毎日』 6月12日~7月10日号の5回連載したとある。
『世界』のこの記事は、
「スノーデンとの対話をもとに、米国の監視網がどうして日本人にとって重大な問題なのか」
「日本の政治にいかに関わり、なんのために使われているか」
「私たちの日常をどう変えつつあるのか」
という観点から描写する。
10月号では、
「NSA監視システムの全体像」
「日本政府、私たち個人との関係」
11月号では
「監視と技術の歴史的関係」
「監視という視点からの私たちの生きる世界の現在地をとらえる」
としている。
以下、記事内容から、引用部分は茶色にして抄録。
「2008年に改訂された外国諜報活動監視法は「米市民」とそれ以外」を区分し、米市民の通話や、メールを入手するには外国諜報活動監視裁判所から令状をとる必要があるが、「それ以外」への盗聴は令状を不要とした。」 128ページ
つまり
「日本人を含む非ー米市民は、米市民以上に電話やネットの情報を米政府に収集されやすい」 128ページ
「オバマ大統領は国防省などに、世界規模のサイバー攻撃の準備を指示する指定書にサインしていた」
バウンドレス・インフォーマント」と名付けられたプログラム、NSAが米国内の通信インフラ(国際海底ケーブルの上陸地点など)に侵入 ▼
「「対テロ戦争」下で特定の容疑者を追跡従来型の監視から、すべての人を「テロリスト予備軍」とみなして、内心の現れであるコミュニケーションを盗み見る方針へと転換したこと」 128ページ
テロ対策という名目と、自発的に楽しいゲームを興じている間に、監視網に絡め取られるという「全知全能」への妄想・・・・これが、「コレクト・イット・オール」
スノーデンがみた日米関係
2009年から2年間、東京都福生市で暮らす。デルの社員として来日。デルもNSA請負会社で、実際は米空軍横田基地に勤務。横田基地内には、日本のNSA本部に当たる国防省日本特別代表部(DSRJ)がある。
「僕の仕事はサイバー防諜でしたが、実は米国は日本で防諜に力を入れていません。というのも、日本が米国を盗聴する可能性はほとんどないから。・・・・日本人は米国をスパイすることは恐ろしくてできない。」
「逆に我々が日本をスパイしてもし気づかれたとしても、日本人はどうしようもないと、考えているのです」130ページ
日本は、アメリカに気づかれるのを恐怖し、盗聴・監視しているという心配をしなくて済むと言っているのだから、野放し状態であり、それにとどまらず、あろうことか、アメリカが監視した情報を、欲しいと言ってくるパートナーがいるという始末だ。
「盗聴プログラムが、「新たなテロ計画の発見やテロ攻撃の阻止に直接役立ったケースは発見出来なかった」とNSAシステムを検証した独立機関が発表。」 135ページ
スノーデンは言った。
「つまりこういうことです。テロを実際に止めることが出来ないのに、監視プログラムはなぜ存続するのか。テロ対策以外のことに役立つから。」 135ページ
スノーデンによる日本の政府・あるいは情報筋のパートナーのふるまいの指摘は、日本には、日本の国民益を考えることすらしていないこと、凡そ国民を守る矜持も誇りも皆無の属国・あるいは植民地属領の官吏の奴隷人のことばを聞いているようだ。惨憺たる有様なのだ。アメリカによる日本への監視・盗聴も明らかになった時点で、日本政府から抗議のことばさえ聞かれなかったのは、まさに上のような植民地属領の官吏の意識が全般化しているからなのだろう。
筆者へのブログ主のささやかなコメントとしては、
「朝日新聞記者を経て、スタンフォード大学フルブライト・ジャーナリスト研修、監視社会の取材と研究を続ける」とある、執筆者の肩書きを読んだのですが、
愛国者法、外国諜報活動監視法などを作るもととなった、2001年9.11事件を、イスラム・テロと判断したのは、政府が委託した調査機関や御用学者、マスメディアなどであって、多くの世界のまっとうな科学者は、世界貿易センタービル崩壊は、航空機衝突では起こりえないこと、物理学的に不可能なエセ科学報告書だとし、科学論文が出されているのですが、それを確認しているのだろうか?
あるいは、著者が、テロとして記載している、シャルリ・エブド事件、パリ襲撃事件、ボストンマラソン爆破事件、ブリュッセル空港爆破事件の真相を知り、犯人を特定できる確信はどこで得たのであろうか。政府・当局の発表を鵜呑みにして流布される情報を引用するのではなく、自分なりに検証した上で、テロとされているのだろうか。
スノーデンの語りが具体的で、それを聞き出して、日本の国家・情報機関の無策ぶりに鋭く迫っているだけに、対テロ対策をテコにした、「非常事態社会」「戒厳令国家」の現実の手前で、まず、テロ事件の真相の真相を鋭く追求して欲しいものだと思っている。
続く