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2013年は軍靴の跫音が・・・・・ファシズムの予感が的中した1年だった。
年末に今年読んだ本の刊行年月を確認していたら、古書中心に買っている以上、当たり前のことだが、2010年以降のものがほとんどない。古代史研究などの本は、例外なく1冊5000円以上するので、新刊本を買うと月2冊以上は無理。となると、3年から5年以上経過している古書店に並ぶ新古書を探している毎日だった。
さすがに現在の世界と、国内政治の動向を知ろうとすると、インターネットの情報収集だけでは手がかりは得られても、まとまった情報は得られない。死角が生じる。
先の東日本大震災と定年が重なり、我が家の、壁紙を通して見える壁面のひび割れと本の重さに恐怖せずにはいられず、雑誌の購入などはここ2年、控えてきたのだったが。
2013年の出版の日付があるのは、数日前到着した岩波講座の『日本歴史』第1巻 原始・古代1
と、前泊博盛の『日米地位協定入門』くらいだねえ。ちょっとこれではまずいね。
あるテーマに沿って本を買うと、どうしても関連する本を追いかけ、二兎も三兎も深追いしてしまい、新刊までは、手が回らない。
しかし手がまわらないうちにてをこまねいて、無言のまま押し黙っていると、どうなるか。
1920年代ー1930年代の世界的なファシズムの到来と同質の世界が見え隠れする昨今だ。
ファシズムが成長し、その栄養源となるファシストが愛してやまない最大のものは
衝撃的事件・不安の醸成と物言わぬ民衆だからね。
勝ち誇った奢れる資本主義・あるいは破れかぶれ新自由主義の最終形態は、「グローバル・ファシズム」 なのではないだろうか。民主主義のふりをしているその陰で、彼らはそれを欲していないだろうか?
レーニンの「帝国主義論」は正しかったなどいうつもりはないが、「帝国主義」や、「ファシズム」について、世界や日本の現実を読むための新たな分析視角で再考する時期に来ていると思わずにはいられない。
ということで、
年末にいたり下記の2冊を注文した。ディープな理論的な著作ではないかもしれないが、「帝国主義」や、「ファシズム」を再考する手がかりは得られるかもしれない。
『終わらない占領』 法律文化社 2013年6月 はあと1日位で我が家に到着予定。先に届いた岩波講座日本歴史第1巻と合わせ、年末大晦日あたりに紹介したいのだが・・・・
▲ 『 終わらない〈占領〉 対米自立と日米安保見直しを提言する 』 法律文化社 2013年6月
以下は法律文化社のホームページより
孫崎享・ 木村朗編
判型 A5判
頁数 252頁
発行年月 2013年6月
定価 2,400円(税抜)
ISBN ISBN978-4-589-03524-0
ジャンル 国際関係・外交
本の説明 日本は真の独立国家なのか。対米従属により主権・人権・平和が蔑ろにされてきたことを衝き、その克復のために対米自立と日米安保条約見直しが必要であることを提言する。
目次 序 言 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・鳩山由紀夫
はしがき
■第Ⅰ部■戦後史における日米関係の実相
―いまも続く事実上の占領
第1章 日米関係の実相―終わらない「占領」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・孫崎 享
第2章 属国問題 ・・・・・・ガバン・マコーマック
第3章 戦後日本における沖縄の位置
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・新崎盛暉
第4章 自衛隊の歴史と米軍との関係史
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・前田哲男
■第Ⅱ部■政権交代と普天間基地問題の変遷
―対米自立の模索と挫折
第5章 日本は本当に民主国家・独立国家なのか
―対米従属から対米自立への転換を
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・木村 朗
第6章 民主党政権と米軍再編 ・・・・・・川内博史
第7章 日米地位協定にみる日米関係
―未だ占領下の日本・沖縄
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・前泊博盛
■第Ⅲ部■米軍再編と
在日米軍基地から見える本質
―「目下の同盟」と「軍事植民地」
第8章 米国が用意する
日本の対中国参戦態勢の口実
―「接近阻止・領域拒否」概念と
「エアシー・バトル」を中心に
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・成澤宗男
第9章 沖縄密約と秘密保全法 ・・・・・・西山太吉
第10章 米軍再編と沖縄米軍基地 ・・・・伊波洋一
第11章 岩国から見えるもの ・・・・・・・・井原勝介
■第Ⅳ部■煽られる領土問題の深層
―米国による東アジア分断政策の影
第12章 尖閣諸島にどう対処すべきか
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・孫崎 享
第13章 日韓領土問題と戦後アジア秩序
―二つのシステムの併走と
未決の歴史問題 ・・・・・・・・纐纈 厚
第14章 北方領土問題について考える
―問題解決を遠ざけている者どもを
一掃せよ ・・・・・・・・・・・・・・鈴木宗男
戦後史年表
▲ 『21世紀のグローバル・ファシズム 侵略戦争と暗黒社会を許さないために』 耕文社 2013年12月5日 刊
この本の到着は2014年の1月初旬になりそうなので、紹介は1月中旬にできるか。
以下は耕文社のホームページからの紹介
●編著 木村 朗 前田 朗
●A5判 並製 365ページ
●定価 2100円(税込)
●ISBN978-4-86377-032-4
特定秘密保護法だけではありません。安倍政権のもとで、集団的自衛権の解釈変更や国防軍創設の憲法「改正」が狙われ、他方で領土問題やヘイト・スピーチなど偏狭なナショナリズムの煽動が急ピッチです。こうした動きがあらゆる分野に広がってきています。民主主義からファシズムへの「不可逆点」を越えつつある今の日本。
戦後日本の歩みを振り返り、今どのような時代を生きているかを検証し、何をなすべきか、危機克服に向けた課題と方策を模索するために開かれた論議が求められています。
本書には、各分野で活躍される第一線の方々から、鋭い提起をいただきました。ぜひご一読をお薦めいたします。 目次(抜粋)
序章 グローバル・ファシズムは静かに舞い降りる ……………………………………… 前田 朗
第1部 ファシズム到来の前兆
1 監視する権力、監視されたがる民衆 …………………………………………………… 斎藤 貴男
2 具島ファシズム論と現代日本の政治─「管理・監視ファシズム」到来の危機─ … 熊野 直樹
3 有事法は戦争憲法への準備だった ……………………………………………………… 上原 公子
4 戦前の報道と現代の報道─相似形、ますます強まる ………………………………… 高田 昌幸
5 裁判員制度を廃止しよう ………………………………………………………………… 高山 俊吉
6 虚構に追い立てられる現代欧米社会 …………………………………………………… 童子丸 開
7 「虚偽は暴力の母」─ハシズムとナチズム─ ………………………………………… 木戸 衛一
第2部 戦争とテロの時代
1 安倍政権と新アジア・モンロー派の台頭……………………………………………… 纐纈 厚
2 戦前の日本と現代日本との軍備状況・翼賛体制の比較……………………………… 前田 哲男
3 朝鮮半島問題―忍び寄るファシズムの影─…………………………………………… 浅井 基文
4 韓国における在日韓国人「スパイ」捏造事件から見る、保守政権下民主主義の危機
……………………………………………………………………………………… 李 京
5 シリア内戦から見た米国軍事政策の本質……………………………………………… 成澤 宗男
6 中東イスラム世界から退潮する米国の影響力………………………………………… 宮田 律
7 「沖縄戦再来前夜」の危機に直面した沖縄…………………………………………… 石原 昌家
8 領土ナショナリズム煽る体制補完物 大手メディア、その報道を検証する
─尖閣諸島問題と日中関係─ ………………………………………………………… 岡田 充
第3部 民衆の抵抗と平和・人権論
1 日本国憲法の平和的生存権─戦争と暴力に抗する手段として─…………………… 清水 雅彦
2 広がる政治弾圧と刑事司法─裁判所の問題を中心に………………………………… 下地 真樹
3 「慰安婦」問題と歴史修正主義………………………………………………………… 西野瑠美子
4 植民地支配・強制連行と朝鮮人被爆者………………………………………………… 實 康稔
5 沈黙は許されない………………………………………………………………………… 辛 淑玉
6 ファシズムは復活するのか、ファシズムは継続しているのか
─東アジアで考えたこと─……………………………………………… 徐 勝
終章 忍び寄るグローバル・ファシズムの危機─戦争前夜の時代状況に抗して─…… 木村 朗
なおこの本の刊行にあわせ、東京と大阪では記念講演会が行われる予定となっている。下の案内をネットで見つけたので近くの方はぜひどうぞ。▼