野散 NOSAN 散種 野の鍵 贈与のカオスモス ラジオ・ヴォルテール

野散 のさん  野を開く鍵 贈与のカオスモス 散種 混沌ー宇宙 想像的・歴史的なもののジャンルなき収蔵庫をめざして 

デモクラシーナウ 日本版新着 4月21日 受信 その2 ウクライナ問題

2014年04月22日 | 現代遊記デモクラシー・スノーデン・ネグリ

       ▲ スティーブン・コーエン 著 『ソ連の運命と失われた選択肢:スターリニズムから新たな冷戦まで』 

この記事は4月21日の当ブログ 「デモクラシーナウ 日本版新着 4月21日 受信 その1」 からの続きです。「その1」からお入りください。 ▼ 下の頁

http://blog.goo.ne.jp/jfk1122zzzya/e/5af00c33982ae6a7cb6f7213649daba8

 

デモクラシーナウ日本版 新着 2014年4月21日 受信 英語版は2月放送であるが、ロシア・ウクライナ問題に詳しい研究者スティーブン・コーエンのインタビューだけあって、海外・国内の凡百のマスメディア最新ニュースコメントよりも核心を衝いている。必見の番組、これはファシズムの新たな始まりだ?

 

 ▲ 左から スティーブン・コーエン エイミー・グッドマン ゴンザレス

 

その2続き

エイミー・グッドマン

彼女(国務次官補)は ウクライナまで行って デモ隊に差し入れもしました

 

 ▲ デモクラシー・ナウ 4月21日 配信番組 から 

 

スティーブン・コーエン

またしても繰り返されているのは 米国の主要メディアの共謀だ 

右から左まで一斉に スキャンダルにだけ注目して肝心な事実を伝えない

ヌーランドが汚い言葉を使ったと大騒ぎし 暴露したのはロシアだ卑劣だと非難しています

でも欧州で米国政府を代表する国務省高官がしていることは何だ?

選挙で選ばれた大統領 クーデター 倒す計画ですよ

それでも彼らを 支持する意見もあるでしょう

たとえ民主的 に 選ばれていても 腐敗した大統領 は 追放すべきだ」 と

それが米国の務めだと言うのなら 追放 も 暗殺 クーデター 米国の政策だと公言すべきです

米国 と EU は 民主主義 を 守る と 言いますが

それは嘘です クーデター を企てているのです

どうするか米国民に選ばせるべきです でも (米国民には メディアの沈黙を含めて 注ブログ主) 選択肢は隠されている

こんなやり方を嘆きながらも 黙っている人々には 腹が立ちます

 

ゴンザレス 

ヌーランド国務次官補と駐ウクライナ大使の会話の続きです

 

以下は暴露された、交信記録

ヌーランド 国務次官補

クリチコの政権入りには反対よ その必要はないわ

米国駐ウクライナ大使

そういうことなら 彼は政権に入れず 外にとどめて 宿題をやらせましょう  ことを進めるには
穏健派をまとめる必要があります

問題はチャフニボクの一派です ヤヌコビッチも 彼の存在を計算に入れているでしょう

ヌーランド 国務次官補

ヤツェニュクが適任よ 経済や統治の経験があるし クリチコとチャフニボクは外部から
連携させればいい  クリチコが政権入りしても うまくいかないと思うわ

 

ゴンザレス

ヌーランド国務次官補と駐ウクライナ大使 (の会話) でした

まるでチェスの駒ですね

 

スティーブン・コーエン

聞いての通りです

 

エイミー・グッドマン

名前が上がった3人は?

 

スティーブン・コーエン

馴れ馴れしく呼ばれている2人の「穏健派」指導者は大統領を狙う大物たちです

クリチコ は長身のボクサーで 元世界ヘビー級王者です

ドイツに住み 納税もしている メルケル首相のイチオシです

ウクライナへの忠誠はあっても ドイツの持ち駒なのです

ヤツェニュク は最大野党 「祖国」の党首です 米国のお気に入りで ヌーランドが押している

クリチコへの不信感は 米国とドイツの関係の現れです

米国はメルケル首相が煙たい メルケル首相の役割や ドイツの影響力が邪魔なのです

クリチコの後ろにはメルケルがいる それが問題なのです

会話でも言っていましたね  「首相にはまだ早い宿題でもさせておけ」

チャニボク は 民族主義政党「自由」の党首です ファシスト政党といっていい

米国のマケイン議員はキエフに行き チャフニボクと抱き合った

米国はヤヌコビッチ失脚のためなら ファシストとも手を組むのです

米国が懸念するのは プーチンだけだから

 

エイミー・グッドマン

オバマ大統領の会見です

 

オバマ大統領

ウクライナ情勢は 冷戦時代の対ソ封じ込め戦略などとは違う 米国の目標はウクライナ国民の
自決権の保障だ  シリア国民の自決権も支援する

権力にしがみつく独裁者のために女性や子供が犠牲になったり 化学兵器や飢餓に苦しむことがあってはならない

エイミー・グッドマン

混乱で利益を得るのは?プーチン氏の懸念は?

 

スティーブン・コーエン

国境線での混乱は プーチンの面目にかかわる

米国の主要紙はウクライナの混乱を プーチンが歓迎していると伝えたが ロシアにまるで無知な彼らも
少なくともソチ五輪開催中には ロシアの最大の懸念はウクライナだと伝えていた

ならばプーチンが喜ぶはずがない

ヤヌコビッチ大統領の無策に憤慨し 電話をかけて どうにかしろと言っています

ウクライナの混乱についてプーチンに責任はない

人種差別への歴史的裁きを オバマに期待しましたが また裏切られた 

オバマは事実をねじ曲げて ウクライナ情勢を悪化させた

ウクライナ政府だけに 撤退を要請するのではなく 反政権側も追及すべきです

 

ゴンザレス

ウクライナが内戦化すれば ロシアは干渉すると?

スティーブン・コーエン

ありえます

ヤヌコビッチは西側の評判も悪く統率力も失っていますが 戒厳令を敷くことは出来る

 問題は軍が従うかです

 

軍トップを解任しました(司会者)

 

スティーブン・コーエン

軍を信用できないのでしょう  ロシアよりもむしろ NATOの干渉が心配です

 NATOは旧ソ連のグルジアにも干渉した ウクライナも同じではないのか?まだ分かりませんね

干渉しても国民(アメリカ国民)には知らされません 先ほどのクーデター謀議のようにね

 

また暴露されたら? (司会者)

 

スティーブン・コーエン

ロシアのリークなら却下ですよ

 

エイミー・グッドマン

NSAの盗聴で米国には 抗議する資格がないですね

 

スティーブン・コーエン

スノーデンの告発の後で 米国に何が言えるでしょう

テネシー・ウィリアムズが言うように しょせん人生は嘘だらけ

政府は少しばかりの真実も伝えない 国民不信もいいところです

 ▲番組終わり頃のスチーブ・コーエンのことば 「政府(アメリカ政府)は、少しばかりの真実も伝えない」

 

エイミー・グッドマン

プリンストン大学名誉教授スティーブン・コーエン氏でした

最新書は 『ソ連の運命と失われた選択肢』

最新記事「ロシアの歪曲」がネイション誌に掲載されました

 

その2 デモクラシー・ナウ 4月21日 記事終わり

 

ブログ主の感想

アメリカの国務次官補と駐ウクライナ大使の会話は、スティーブン・コーエン のことばをそのまま引用すれば

「チャフニボク は 民族主義政党「自由」の党首です ファシスト政党といっていい

欧州で米国政府を代表する国務省高官がしていることは何だ?

選挙で選ばれた大統領を クーデターで倒す計画ですよ

米国とEUは 民主主義を守ると言いますが

それは嘘です クーデターを企てているのです」

これらのことばをよく 聞き届けなければならないと思う。

選挙で選ばれた大統領が、かくも無惨に、また短期に、正統性も担保できていないグループによって横取りされ、政治が乗っ取られれば、それは、民主・革命などではないだろう。暴力によるクーデターしか適当なことばがないのでは?

アメリカにはこれだけ明快に分析している研究者がいるのだが。

それにしても、アメリカ国内でもないのに、日本は遠慮しているというのか、暫定政権の正統性に関し、欧米の論調を後追いするのみ。

 

いよいよ、だんまりを決め込んでいると、数パーセントにも満たない右翼・ファシスト共が、火焔瓶から、銃や大型の火器に切り替える姿が目に浮かぶ。その時ではもう遅い。

日本でも、欧米でも大規模な大手メディアはもはや死んでしまっているなぁ。ウクライナをめぐる一連の報道をみてもはっきりわかった。これからは、自分で情報を探しにいくしかない。

さて、新聞・大手テレビがあてにできないと、今までで、オレンジ・バラ・チューリップ革命などと言われていた言説や理解の仕方も再検証する必要を感じる。

さしあたり見つけたのが、北海道大学のスラブ・ユーラシア研究センターで出版している スラブ・ユーラシア学の構築 中域圏の形成と地球化 という研究プロジェクト

研究報告 No.16 に 『民主化革命とは何だったのか グルジア、ウクライナ、クルグズスタン』 2006年があった。2006年発行なので、新しいものではないが、民主化革命とされた3国のカラー革命を分析している。研究者の政治的意見と同じくするものではないが、現地に取材した資料や、選挙結果なども豊富で、この地域の研究の書物が少ない中で、スラブ・ユーラシア学 研究は貴重な情報源。

この研究報告は、発行から数年たつと、pdfファイルで、閲覧・ダウンロードできるようになっている。現在は2008年の25号まで、無料でアクセス・ダウンロードできている。

 

発行しているのはここ ▼北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター

http://src-h.slav.hokudai.ac.jp/coe21/publish.html

 

また、講談社からは「講座 スラブ・ユーラシア学」というシリーズが刊行されているようだが、まだ未見

東京大学出版会からは 「ユーラシア世界」 全5巻の刊行が始まっているようだ。

EU・欧米=民主主義  ロシア=権威主義・全体主義 という刷り込みは、ほとんどの情報を、欧米経由で受動的に受けてきた日本のメディアにも責任の一端はあるだろう。

このデモクラシー・ナウの番組の始めに、「私たちは歴史が作られる瞬間に立ち会っています」といっているのだが、

私たちは先の大きな世界大戦が、ほぼ戦争したい人々による陰謀によって歴史が作られてきた経験に照らし合わせて、警戒しなければならないだろう。

「私たちは 歴史が、今、まさに、陰謀 によって 作られる瞬間 に 立ち会っているのではないか」

自問しなければならないのではないだろうか。

ロシアは先の第2次世界大戦で、2千万人以上の犠牲を払い、ファシズム・ドイツを撃破したはず。この歴史的史実は、その後のスターリンの独裁で帳消しになるものではあるまい。

スティーブン・コーエンがこの番組で言ったことば。何度でも繰り返して記憶に留めておきたいことば 

アメリカとEUがウクライナと国民に対して今やっていることとは

欧州で米国政府を代表する国務省高官がしていることは何だ?

選挙で選ばれた大統領を クーデターで倒す計画ですよ

米国とEUは 民主主義を守ると言いますが

それは嘘です クーデターを企てているのです」

このことばは重たい、とても重たいと思う。

アメリカの国務次官補と駐ウクライナ大使のやりとりは、宗主国が属国に置いた大使館に等しい。

国を支配する指令塔が大使館で、その大使が属国の要人たちを選別・注文をつける。属国を支配する関係を見事に明らかにしてくれた第1級の会話の情報リークであった。

通常のまっとうな独立国家だったら、来年任期が切れる大統領選で、選挙で決着をつけるべしというのが、民主国家の友人たち仲間のウクライナに対する独立国同士の外交の意見の出し方ではないだろうか。ところがそうじゃないわけだ、うーむ、EUも化けの皮が剥がれて、自由・民主主義の衣の下にかつての「帝国」印の鎧が見えてきたのじゃないか。ファシスト党に限りなく近い人々が、ウクライナ国家防衛軍に浸透して市民を威圧していく危険は相当に高い。選挙が行われても、終わっても、簡単に政府を乗っ取る仕掛けを学習してしまった層は、また、危機を狙うだろう。

それにしても、アメリカの看板の国務次官補と駐ウクライナ大使の間で交わされた会話は、どうみても、大統領の候補選びを、アメリカが、勝手に決め、調整・影響力を行使しうるものだ、可能だとする暗黙の了解が、存在していることを認めざるを得ない。

ロシアが入手した情報で漏れたとしても、このことは重大である。アメリカの、世界に存在する独立国家の理解とは、このような傲慢な意識が存在していることを前提に考えねばならないだろう。人口4000万以上、日本の国土の1.6倍以上あるウクライナで、こんな会話が、アメリカの民主党大統領オバマの下で交わされている以上、これが、共和党の右派的な人物であるマケイン周辺の後継者が、今後大統領候補となっていく可能性も考慮すると、今後火種が、ロシアから独立したCIS諸国群にも大きな影を落としていくことも予想される。

このようなことを考えれば、日本の小泉首相の時代、アーミテージがアメリカ国務省にいた時、「旗幟鮮明」にしろ、だのと言ったとされることと符合することは確かであろう。また、それより前アーミテージが国防省に所属していた時には、日本の自衛隊に対してどのようなふるまいをしていたかはっきりと想像することもできる。

ごく最近でも、集団的自衛権に関連して、新聞の話題になった最高裁の基地訴訟に関する砂川判決に際して、アメリカ様のご意見を伺い・参照せざるを得ない属国 「日本のふるまい方」 が主題化されなければならないだろう。

もうそろそろ、明治維新から150年に近い。関税自主権のない通商条約からはすでに150年以上が経過している

遠い未来の時間から現在を振り返った時、「何の気概もなかった属国ポチ時代」 などと呼ばれないよう、「なによりも駄目な今の日本」をどうするか。怒りだけでは何も創造することはできないが、怒りの感覚すら忘れた「ポチ」健忘症のままでいいはずはない。

スティーブン・コーエンの近著は、ぜひ読んでみたい書物になった。

 

デモクラシー・ナウ ジャパン の番組はここ ▼ 必見です。 

 http://democracynow.jp/video/20140220-1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



最新の画像もっと見る