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学研の「大人の科学シリーズ」に単一乾電池(2本)で働く「真空管アンプ」が登場

2007-10-23 17:59:15 | ラジオ(オーディオ)
学習研究社の「大人の科学シリーズ」では、既に「真空管ラジオVer.1」と「真空管ラジオVer.2」がラインナップしていますが、それに加えて、今回は「真空管アンプ」が登場します。
真空管は前作と同様に中国製で「1B2」と「2P3」を採用し「真空管アンプ」キットとしたそうです。電圧増幅段に「1B2」を、電力増幅段に「2P3」を用いた回路で、左右2チャンネル同じ構成です。

電源として、単一乾電池(1.5V)二本を並列に使用しています。
真空管回路では、A電源(ヒータ電源)とB電源(プレートやグリッド用の直流電源)が必須ですが、今回のキットではB電源用の乾電池を必要としません。

現在では入手出来ない高圧積層電池(45Vとか67.5V)に代えて「DC-DCコンバーター」が用いられ、1.5Vの直流から50V近くの電圧を発生させています。
コンバーターの発振周波数は約20kHz、発振音は聴こえませんが、スイッチングノイズの低減とか、感電防止?とかの理由により基板上では完全なシールドケースに組み込まれたモジュールとして、ブラックボックス化しています。つまり、この「真空管アンプ」は1.5Vで動作する訳です。

発想的には目新しい事ではなく、昔に於いても同じ様な事例もありますが、電池の性能が格段に向上した今日では、かなり長時間にわたり安定した高圧を発生させる事が出来ると思われます。資料によると、一日2時間使用で約20時間の電池寿命を確保できるとあります。
私個人としては、この「真空管アンプ」にそれほど興味がありませんが、ブラックボックス化した「DC-DCコンバーター」だけを取り出し、別の用途に使って見たいと思っています。

今回の真空管アンプは、基板上のほとんどのパーツは実装済みで、構造物の組み立て、真空管や電池ボックス、機構部品などの取り付け、端子ピンを使用したワイヤリングが中心の半完成品です。真空管ラジオのような、ループアンテナ部の巻き線や開閉式バリコンの組み立てなどが無いだけに、手際よく組み立てれば約30分程度で完成できるとのことです。
発売は11月下旬、価格は12,390円(税込)の予定とか・・・
  
なお、この「真空管アンプ」の音質は、レトロ志向のマニアが多い、高いクオリティーを極めた高級真空管アンプにはとても及びません。
未だ試聴の機会はありませんが、その仕様から推測すると、小型ラジオ並の音質と音量だと思われます。
「大人の科学シリーズ」のヒトツとして、正に「真空管アンプ」を啓蒙するエントリーモデルと言えそうです。

「仕様」
出力: 100mW/ch
使用真空管: 直熱タイプ電池管 電圧増幅:1B2 (2本)、電力増幅:2P3 (2本)
入力端子: RCAピンジャック
入力感度: 1Vp-p
入力インピーダンス: 100kΩ
負荷(出力)インピーダンス: 8~16Ω
周波数特性: 100~10kHz (+0.6dB)
歪率: 5%以下 (1kHz)
電源: 単一アルカリ乾電池 2本
電池寿命: 一日に1時間使用で約20日間
付属品: マルチセルラホーンスピーカー:250mW8Ωフルレンジ方式 2個、オーディオケーブル:RCAピンプラグ 2本、3.5mmφステレオミニプラグ
回路図: ↓
  

  

見ているだけでもレトロな気分になること請け合い?

2007-09-03 17:59:15 | ラジオ(オーディオ)
秋葉原へ行っても最近は滅多に立ち寄る事が無かった、真空管を数多く扱っている店を冷やかし半分にのぞいてみました。定番の球がいつものようにピカピカと光り輝いていて、見ているだけでもレトロな気分になること請け合いです。
一通り見て回ると、真空管アンプを作る方に超人気の球には、途方もない値札が付いていますが、私には無縁です。私はどちらかと言うとラジオに趣味があり、いわゆるチューナー部がない真空管セットには興味がありません。
狭い店内ですが、奥の方の箱の脇に "32"と"34" と書かれているのを見つけました。"30"番代の品番ならST管タイプの電池管に違いないと思い、直ぐに中から数本引き抜いてみました。
まさしく、2V球の "32"と"34" でした。
両方の品番が混在していて何本ずつあるのか数えもしませんでしたが、合わせて20本以上は有ったように思います。個装箱はありませんが球自体はとても綺麗な外観をしていて、新品同様の雰囲気を感じました。
両方とも高周波増幅用、ヒーターは2V/60mAで "32" は四極管、"34" は五極管だったと思います。値札ではどちらも四百円でした。下調べをしてからと思いその場では買いませんでしたが、次回行った時には二本ずつでも買っておこうかと思っています。

フルカラーの写真集?で、どのページも格好いいラジオが・・・

2007-06-22 09:59:15 | ラジオ(オーディオ)
用事があり出かけたついでに駅前の書店へ立ち寄ってみました。
パソコン誌を一通り眺めてから、趣味の棚へ移動すると、ラジオ技術や無線と実験に混じって「BCLラジオカタログ」って、月刊誌ラジオライフも発行している、三才ブックスの本が目に入りました。

早速手に取ってみるとBCLブームの全盛時代に出た短波受信機の写真集?でした。
表紙は、当時だれもが憧れだった「ソニーのスカイセンサー5900」と「松下のクーガー2200」、三十年は経った今でもそのデザインに古さを感じないカッコ良さ。

A4版で130ページほどのフルカラーのムック、三月頃には書店に出たようです。これは読むと言うよりフルカラーの見開きに、モノによっては実物より大きなサイズで見られ迫力があります。

俗っぽいコトバを借りれば、正に「永久保存版」ってとこでしょか? 私の個人的な感想を言えば、カタログ集でなく写真集であるところがミソなんだと思います。

目次を見てみると、

ソニーvs松下
 開発合戦にみるBCLラジオの歴史

ベストセラー機の中身拝見
 BCLラジオの基板はどうなってるの?

SONY 
 ICF-5900、ICF-5400、ICF-5450、ICF-5500、ICF-5500A、ICF-5600、ICF-5800、
CF-5950、ICF-6000、ICF-6800(A)、ICF-110、ICF-1100、ICF-2001、ICF-2001D、ICF-SW1、
ICF-SW11、ICF-SW55、ICF-SW77、ICF-7600、ICF-EX5

松下
 RF-2200、RF-888、RF-877、RF-1010、RF-1130、RF-1150、RF-1188、RF-858、
RF-868(D)、RF-848、RF-2800、RF-2600,、RF-4800D、RF-B30、RQ-585、R-288/R-299、
RF-B11/RF-B50、RF-788

OTHER
 RF-775F(東芝)、RP-1500F(東芝)、RP-1600F(東芝)、RP-1700F(東芝)、RP-2000F(東芝)、
RP7600(三洋)、RP7700(三洋)、
FIC-304(三菱)、FIC-404(三菱)、JP-505(三菱)、
KH-2100(日立)、KH-2200(日立)、
TPR-255(アイワ)、
R-300(トリオ)

再びBCLの趣味に走りたい人へ
 サブ機としての1台 ANDO ER4-330SA
 素人でも簡単に直せる! BCLラジオにありがちな故障と修理方法
 まだまだ流通しているぞ! 目当てのBCLラジオを入手するために
 世界の電波をキャッチせよ 海外ラジオ放送周波数データ

特別付録
 スカイセンサー5900&クーガ2200 取扱説明書 ダイジェスト版

定価は1,995円、迷わず買ってしまいました。
未だ、パラパラとページを繰った程度、今でも大事に持っているソニーのブック型BCLラジオのICF-7600や松下のワールドボーイGXのRF-858も載っていました。さすがに、ICF-SW7600GRは載っていませんでしたが、この続きはジックリ読んでから・・・

to be continued.

「NHK WORLD RADIO JAPAN」と「NHK WORLD TV」の小冊子

2007-05-27 17:29:15 | ラジオ(オーディオ)
先日、NHK放送技術研究所の一般公開「技研公開2007」を見学した時にたくさんの配付資料が置いてありました。
そのなかでも少々興味を引いた「NHK WORLD RADIO JAPAN」と「NHK WORLD TV」を持ち帰りました。両方とも10cm x 22cmで、そのまま封筒に入るサイズの小冊子です。

 

「NHK WORLD RADIO JAPAN」はNHKの国際放送「ラジオ日本」の放送周波数と三月から十月までの番組表です。「NHK WORLD TV」はNHKの「ワールドTV」の四月から九月までの番組表です。

どちらもNHKの国際放送局企画編成部の発行で、NHKのホームページにも掲載されていると思いますが、やはり手にとって直ぐに見られる小冊子の方が利便性が高いように思います。

手元にあるソニーの短波受信機「ICF-SW7600GR」で、この「Radio Japan」をワッチする時にワザワザそばのパソコンでホームページへアクセスする必要もなく、いたって便利です。
「ワールドTV」の視聴には、専用の受信機とパラボラアンテナが必要で、主として外地に居る邦人向けに放送しているそうです。国内でも受信は可能ですが、残念ながら専用受信機もアンテナも市販されていないそうです。

両方とも表紙にある(真空管式)ラジオとテレビがレトロで、洒落ていると思います。どちらも封筒サイズなのでNHKから郵送で取り寄せることも出来るのでは・・・
 Radio Japanのタイムテーブル

 WORLD TVの番組表

ソニーのFM/AM PLLシンセサイザーレシーバー「ICF-2001」の

2007-05-23 23:29:15 | ラジオ(オーディオ)
部屋の模様替えで普段手が届かなかった物が、久々ですが日の目を見ることになりました。そのなかのヒトツがソニーの短波受信機「ICF-2001」の空き箱です。二十年以上前に中身は廃棄されていますが、空き箱だけは捨てがたく今日まで残っていました。それでも取扱説明書が未だ入っていないか?と期待したのですが実のところ正真正銘のカラッポでした。

この「ICF-2001」は発売当初、ソニーのFM/AM PLLシンセサイザー・レシーバーとしてそのスペックの充実ぶりに圧倒されました。

SONY 「ICF-2001」のパッケージ

主な機能として、
FM 76MHz-108MHz
AM 150kHz-29,999kHz
Computer Controled Tuning System
Direct Key Input
Manual Tuning
Scan Tuning
6 Memory Preset

 箱の側面

ネーミングも今から思えばかなり印象的な「Voice of Japan 2001」。二十年後の二十一世紀を印象付ける様な時代を先取りした斬新なものでした。しかし、素晴らしいスペックとは裏腹にハードウェアやソフトウェアに未完成な部分も多く?、何度もソニーへ修理に出すはめになり、結果的には廃棄の運命になってしまいました。

しかし、これが後のソニーのオールウェーブ・レシーバー「ICF-SW77」や「ICF-SW55」そして今日の「ICF-SW7600GR」に繋がる、ソニーのPLLシンセサイザー式ラジオの歴史に残るモデルだったと思います。

オマケとして、パッケージの他の面を紹介しておきます。

 パッケージはかなり大きく、34cm x 24cm x10cm

パッケージ側面には「ICF-2001」の正面イラストと主要な機能が英文で付けられています。

 パッケージ側面

パッケージの上面、蓋になる部分には、当時の世界各国の主要な放送局名が斜めに列挙されています。じっと眺めてみると、二十年の時を経て閉局したモノ、局名の変わったモノ、国名まで変わってしまったモノなど長い長い時間の経過を実感させます。

 パッケージ上面

左から順に

Radio Japan
The Voice of America
United Nations Radio
Trans World Radio
Radiofusion Argentina al Exterior
Voice of the Andes
Voice of Indonesia
Radio Australia
BBC
Deutsche Welle
Vatican Radio
Radio Veritas
Voice of Free China
Radio Moscow
Radio Korea
Radio Pyongyang
Voice of Vietnam
Radio Thailand
Radio Peking
Radio Brasil Central
Radio Canada
Radio France
Radio Iran
Radio Mexico
Radio Monte Carlo
Radio New Zealand Broadcasting Service of the Kingdom of Saudi Arabia
Radio Sweden
Swiss Broadcasting Corporation
The Voice of Kenya
La Cruz del Sur
Radio Nacional del Chile
La Voz de Galapagos
Sri Lanka Broadcasting Corporation

to be continued.

ソニーの「ICF-7600」って「7000シリーズ」のヒトツだった

2007-04-20 13:59:15 | ラジオ(オーディオ)

たまたま、書棚からソニーのハイ・コンパクト・レシーバー「7000シリーズ」のカタログが見つかり、「ICF-7600」の愛用者として、このモデルのファミリーの存在を今さらに再確認しました。

 「7000シリーズ」のカタログの表紙

1977年6月発行のカタログ(A4版三つ折り6ページ)で、ちょうど三十年前になります。
海外でも使えるワイドバンドのFMと5バンドのSW(短波)で情報収集に徹したカッパブックスタイプの「ICF-7600」、チューナー部とスピーカー部が分離するセパレートタイプの「ICF-7500」、ユニークな両開きタイプの「ICF-7800」です。

 三つ折りを展開

いずれもブラック仕様で、三者三様のデザインと機能を備え、自分の用途をシッカリ決めないと選択に迷うほどのバリエーションです。私は短波が聴きたくて迷うことなく「ICF-7600」を買い、国内出張はもちろん、たまの海外出張にも携帯しました。

 「ICF-7600」の部分をクローズアップ

しかし、Voice of AmericaやRadio Moscow、Radio Pekingなどの強力な電波が飛び交っていた冷戦時代で、NHKの国際放送Radio JapanやNSB(日本短波放送)が聴取可能だったのはアジア近隣諸国だけ。電波状態にはかなり厳しいものがあり、なおかつ「ICF-7600」の性能では期待する方が酷だったと今になって回顧しています。

このカタログで分かったことは「ICF-7600」が「新発売」となっていることで、私が買った時期が特定されました。

  SONY ICF-7600 (私物です)

たしか、発売後、直ぐに秋葉原で買ったはず・・・今日までに何度かソニーへ修理に出していますが、ちょうど今年で三十年目、バンド切替のスイッチが壊れ?SW(短波)は聴けなくなりましたが、AMとFMはまだまだ実用になります。しかし、この「7600シリーズ」の最新型「ICF-SW7600GR」を年初に購入したため、そろそろ出番はなくなりそうです。


三十年くらい前はミニラジオだった

2007-04-18 20:59:15 | ラジオ(オーディオ)
本棚の書籍を整理していて、ある本の間から抜け足下に落ちた紙切れを取り上げてみると、ナショナルのラジオ「RF-555」の取扱説明書でした。三十年くらい前に買い、現物も未だ手元に実在していて何十年ぶりかで聴いてみました。ちゃんと動作しましたが、FMは歪んだような濁った音質に昔のママだと懐かしく聴き入りました。

 ナショナル RF-555

トランジスタを14個も使い煙草の箱とほぼ同じくらいの大きさ、当時としては超小型ラジオの部類に入り、何と単三乾電池一本で動作しました。
AM/FMの2バンドで、専らNHK FMやFM東海を聴くのに使いましたが、何故か買った当初から音質がいまいちで、あまり使わないでお蔵入りになりました。

この「RF-555」を最後に、ラジオはワールドボーイ以来「ナショナル」と決めていた私も、遂に「ソニー」へ転向し、その最初に選んだモデルが短波放送も楽に聴ける?「ICF-7600」だったと記憶しています。




「RF-555」の取扱説明書(表面)


「RF-555」の取扱説明書(裏面)


実際には四つ折りになり、製品と同じくらいのサイズになる。

「SL-10」は、LPレコードジャケットサイズのレコードプレーヤーだった

2007-02-01 21:59:15 | ラジオ(オーディオ)

「SL-10」は、1979年に発売された Technicsブランドのレコードプレーヤーです。
当時のレコードプレーヤーを知らない人にとっては、「それで・・・」と一蹴されそうですが、「LPレコードジャケットサイズ」だけでも「凄~い」と言わせるに十分のインパクトがありました。しかし、単にそれだけでは子供騙しみたいですが、スペックを見て「これはただ者で無い」と、誰もが驚きました。

  「SL-10」

■ターンテーブル形式:クォーツフェイズロックドコントロールダイレクトドライブ ■ワウ・フラッタ:0.025%W.R.M.S(JIS C5521) ■SN比:78dB(IEC98A weighted) ■トーンアーム:ダイナミックバランス型リニアトラッキング/ジンバルサスペンション軸受構造 ■トラッキングエラー角:±0.1°以内 ■付属カートリッジ:EPS-310MC ■電源:AC100V 50/60Hz ■DC12V ■消費電力:16W ■外形寸法:315(W)x315(D)x88(H) ■重量:6.5kg

そして極めつけは、何と価格が十万円。並の性能でなく、価格も並はずれでした。

更に言えば、1980年 Gマーク第1回グッドデザイン大賞、通産大臣賞、Hi-Fiグランプリ受賞などなど、格好良さと品格のあるデザインも「SL-10」の価値観を高めたと言っても過言ではないでしょう。

しかし、この「SL-10」が登場した数年後、1980年代にはCD(コンパクトディスク)が登場し、しだいに、一般大衆からLPレコードは忘れ去られて行きました。そんな意味ではアナログレコードの時代の最後を飾るに相応しい超弩級のレコードプレーヤーだったかもしれません。因みに、私の所有する「SL-10」も、随分前から出番が無く現在は静態保存になっています。


サボテンの花のチューリップが解散だって

2007-01-31 23:59:15 | ラジオ(オーディオ)
「心の旅」「青春の影」「サボテンの花」などのヒット曲で知られる「チューリップ」が六月からの全国ツアーを最後に三十五年間の活動を終えるとニュースが伝わってきました。チューリップは財津和夫を中心に、昭和四十五年に結成、平成元年に一度解散した後、九年に再結成しましたが、今回は年齢や体力の限界をメンバー自らが悟ったのか?ついに解散を決意したようです。

彼らは五月に最後となる二枚組のオリジナルアルバムをリリースし、六月の千葉の市川公演からラストツアーを開始、十二都市十五公演で、メンバーの出身地である福岡で十二月に最終公演を行うようです。

 ドーナッツ盤

慌てて、彼らのレコードを探してみましたが、ドーナッツ盤はたった二枚しか見つかりませんでした。もっと沢山あるはずなのに・・・何処へ行ってしまったのか?ファンの一人として情けない・・・それでも、私の Technics SL-10 はマダマダ健在です。余談ですが「SL-10」を覚えてますか?

昔々、秋葉原で買った短波放送の聴けるラジオですが

2007-01-19 15:15:15 | ラジオ(オーディオ)
短波放送の聴けるラジオは、今回故障してしまったソニーの「ICF-7600」より前、1970年頃にナショナルのワールドボーイ「RF-858」を買いました。BC/SW/FMの三バンドが聴けるモノで、仕様としては他社とほぼ横並べでしたが、当時のナショナルのラジオなかではマニア向け?でデザイン的にかなり凝った作りでした。

ナショナルのワールドボーイ「RF-858」のカタログ

「GX」なんてネーミングで大々的な宣伝もしていて人気機種になったと思います。今から思えばかなり大きめサイズでしたが、当時としては携帯用として、ごくごくフツーと思われていました。

操作するスイッチ類が全て上部に配置されたスタイル。
TUNEツマミは横、そして小型のメータが正面にありました。このメータはスイッチにより「VU」と「TUNE」そして「BATTERYチエック」に切り替えができて、何となくマニアックでした。

回路的には、ICが一個、FETが一個、トランジスターが八個使われ、AC100Vと単2乾電池3個で動作しました。受信周波数は
 
中波:525kc~1,605kc
短波:3.9Mc~12Mc
FM:76Mc~90Mc

買ってまもなくEUのブランチに出向になり、このラジオを携えて赴任しました。
現地のマンションの窓辺から毎晩必死になってNHKの国際放送「Radio Japan」の受信を試みました。しかし、現地のラジオ放送の混信もありましたが、高出力で放送の「Radio Moscow」や共産圏諸国から発せられるジャミング(妨害電波)に邪魔され一度も聴く機会はありませんでした。

それで「Radio Japan」は諦め、隣国ルクセンブルグから中波で放送していた「Radio Luxembourg」を毎晩聴く事にしました。
番組名は忘れましたが、毎晩、当時のユーロビートのヒット曲を延々と深夜まで放送していて、DJの語り口調がとてもユニークで面白く、フランス語の分からない私にも雰囲気だけは楽しめました。
ニュースは専らイギリスのBBCに頼っていましたが、意外と早口の英語で所々しか理解出来ませんが唯一の情報源でした。

このラジオは帰国時に、サムソナイトのバッグにお土産を詰めるスペースが足りなくて、現地の同僚に一万円で譲り、帰国後、同じモノを秋葉原で買い求めた記憶があります。

それから十年後、1980年頃ですが、ソニーから「Voice of Japan」とネーミングしたジャンボ級のラジオが鳴り物入りで発表され、その仕様にただただビックリしました。

 SONY「ICF-2001」

「ICF-2001」、型番からして二十年後の21世紀を印象づける様な先進的なネーミングでした。テン(10)キー入力で受信できるラジオは民生用としては最初と思われ、長波から中波、短波それにFM帯まで受信出来る画期的な仕様でした。当然ながらPLL方式を採用し周波数をダイレクトに入力できる方式で、それだけでもマニアに「スゴ~ィ」と言わせるに十分な新機能でした。受信周波数は、

長波、中波、短波:153kHz~29.999MHz
FM:76MHz~108MHz

プッシュスイッチとリニアボリュームなどが多用され、ツマミの様な回すモノが無いデザインで斬新的でした。しかし、キーの接触不良や液晶不良もあり、何度もソニーへ修理に出すはめになり、結果的には廃棄の運命になってしまいました。
しかし、五年くらい後に、その経験が生かされた改良型?の「ICF-2001D」が出たようでしたが、買う気にはなりませんでした。

「ICF-2001」で、一番の思い出は、1983年秋に出張で行った中国の瀋陽(昔は奉天とも言ったらしい)のホテルで聴いた「Radio Japan」の報じる大韓航空機爆破事件のニュースでした。

大変ショッキングなニュースでしたが、撃墜したソ連の戦闘機がミグだとかスホイだとか毎日事の成り行きをワッチしていました。地理的には日本列島の真西方向で、夜間には中波で東京のTBSナイターなども良好に受信出来て、内地の出来事はそれなりに分かっていました。

このラジオは大きく重く電池の消耗も激しく、結果的にあまり活躍の場もなくリタイアしました。しかし、これが後のソニーのオールウェーブ・ラジオ「ICF-SW77」や「ICF-SW55」にまで繋がる、記憶に残るモデルだったと思います。それでも、ネット社会が広がりをみせるなか、この様なラジオは早晩消え行く運命なんだと思うと少々寂しくも思います。