4.脳の可塑性を高めるために
脳は、学習や経験を積んでいくことによって、神経細胞間のシナプスをつくって新しい神経ネットワークを補修・拡大していき、また、情報の伝達効率を高めます。
そして、使用頻度の低いシナプスが脳の老化の過程で失われやすくなるのを未然に防ぎます。ですから、脳を使う生活を送ることによって、認知症の予防や進行を遅らせることができるのです。
さらに脳が活発に働いていると、脳の末梢毛細血管の血流がよくなります。これは、働いている細胞にエネルギーを補給するためで、脳が働けば働くほどエネルギー代謝が活発になり、血流がよくなって脳のネットワークが強化されます。
人間の脳は、左脳と右脳が役割分担をして、それらが協調することでその能力を発揮しています。ですから、脳を活性化させるためには、左脳と右脳を上手に使いこなすことが重要です。
(1)脳の役割分担
左脳は言語や数字などを処理し、理論や数値データ、理性、記憶などを担っています。一方、右脳は、五感を通じて色彩や音色、感性などを処理し、情緒や直観力、創造性、芸術性を司っています。そのため、認知症の障害が起こった部位が、左脳か右脳かによって症状の現れ方に違いがあります。
例えば、左脳に障害が起こり、記憶力が衰えて以前の体験を忘れてしまったとします。そこに右脳がコントロールする感情がからんでくると、次のような事態が起こります。
かばんにしまった財布を自分で取り出したにもかかわらず、その記憶が欠けてしまった。↓↓
かばんのなかに財布があるものと信じている。そのため、財布が見当たらないと誰かが取り出したと思い込み、腹が立って「盗まれた!」と騒ぐ。
つまり、左脳の記憶力は衰えても、右脳はしっかり働いており、怒りの感情が高まってくるのです。
これは、ものごとを考える力は弱まっても、感情は生きているということです。ですから、家族が、頭ごなしに「○○してはダメ!」と接すると、認知症の人は心のなかにストレスを溜め込んでしまいます。それが限界を超えると、反抗的・攻撃的な行動が現れたりします。
脳は、学習や経験を積んでいくことによって、神経細胞間のシナプスをつくって新しい神経ネットワークを補修・拡大していき、また、情報の伝達効率を高めます。
そして、使用頻度の低いシナプスが脳の老化の過程で失われやすくなるのを未然に防ぎます。ですから、脳を使う生活を送ることによって、認知症の予防や進行を遅らせることができるのです。
さらに脳が活発に働いていると、脳の末梢毛細血管の血流がよくなります。これは、働いている細胞にエネルギーを補給するためで、脳が働けば働くほどエネルギー代謝が活発になり、血流がよくなって脳のネットワークが強化されます。
人間の脳は、左脳と右脳が役割分担をして、それらが協調することでその能力を発揮しています。ですから、脳を活性化させるためには、左脳と右脳を上手に使いこなすことが重要です。
(1)脳の役割分担
左脳は言語や数字などを処理し、理論や数値データ、理性、記憶などを担っています。一方、右脳は、五感を通じて色彩や音色、感性などを処理し、情緒や直観力、創造性、芸術性を司っています。そのため、認知症の障害が起こった部位が、左脳か右脳かによって症状の現れ方に違いがあります。
例えば、左脳に障害が起こり、記憶力が衰えて以前の体験を忘れてしまったとします。そこに右脳がコントロールする感情がからんでくると、次のような事態が起こります。
かばんにしまった財布を自分で取り出したにもかかわらず、その記憶が欠けてしまった。↓↓
かばんのなかに財布があるものと信じている。そのため、財布が見当たらないと誰かが取り出したと思い込み、腹が立って「盗まれた!」と騒ぐ。
つまり、左脳の記憶力は衰えても、右脳はしっかり働いており、怒りの感情が高まってくるのです。
これは、ものごとを考える力は弱まっても、感情は生きているということです。ですから、家族が、頭ごなしに「○○してはダメ!」と接すると、認知症の人は心のなかにストレスを溜め込んでしまいます。それが限界を超えると、反抗的・攻撃的な行動が現れたりします。