シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

ラスロ・ベネデク監督「サラリーマンの死(原題:Death of a Salesman)」(アメリカ、1951年、115分)☆☆☆★

2022-07-24 23:16:51 | アメリカ・1950年~


原作はアーサー・ミラーによる同名戯曲です。妻にグチばかりこぼしているうだつのあがらないセールスマン、身持ちの定まらない長男、女をおっかけてい次男。口論が絶えないこの家庭を舞台に、父子の断絶、老いることの惨めさが描かれます。

60歳になるウィリィ・ローマン(フレドリック・マーチ)はセールスマン。すでに気力は尽き果て、過去の幻影と妄想のなかでで生きていました。

夫思いの妻リンダ(ミルドレッド・ダンノック)と、一人前の息子2人がいましたが、長男のビフ(ケヴィン・マッカーシー)は定職につかず、父に不信の念をいだいています。次男のハッピィ(キャメロン・ミッチェル)は女にばかり興味をもつ口達者な男です。ウィリィは子どもたちに期待をかけていただけに、絶望感が深いのです。

西部での長い旅から戻ってきたビフは、弱り果てた父の姿に接し、弟と共同で運動具店を始めようと計画、もとの雇主に金を借りに行きます。ウィリィは妻にすすめられ、会社へ内勤を頼みに出かけます。社の幹部はすげなく彼に解雇を通告します。

旧友のチャーリィから自己過信を戒められたウィリィは、失意を押しころして、息子たちが待つレストランへ向かいます。そこで彼が聞いたのは、借金を頼みに行ったビフが、腹いせに、万年筆を盗んで逃げたことでした。絶望したウィリィは・・・。
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