ルキノ・ヴィスコンティ監督「地獄に堕ちた勇者ども（La caduta degli dei）」（イタリア、1969年、155分）☆☆☆☆

舞台は大戦前のドイツ。

ナチス政権下、富と権力が剥奪されていく鉄鋼一族の悲劇、そこにうごめく人間の愛憎と相克を描いた堂々たる作品です。

人間関係が非常に複雑なので、なかばで休憩をとり整理し、続けて観ることを勧めます。

ナチスが政権を掌握した1933年2月のドイツ。ルール地方に勢力をもつプロイセン貴族で製鉄王のエッセンベック男爵家。当主はヨアヒム（アルブレヒト・シェーンハルス）です。そこに集うのは、孫のマルティン（ヘルムート・バーガー）、その母ゾフィー（イングリッド・チューリン）、その愛人フリードリッヒ・ブルックマン（ダーク・ボガード）、姪のエリザベート・タルマン（シャーロット・ランプリング）。

一族内に漂っていたのは、勢力争いの不穏な空気。エッセンベック家の集いの夜、当主のヨアヒムが何者かの陰謀で暗殺されます。この事件が契機となって、跡目相続の骨肉の争いが表面化します。

その間隙をぬって、漁夫の利を得ようとする陰険なナチス親衛隊（SS）の存在が発覚します。黒幕はヨアヒムの従弟でSSの幹部アッシェンバッハ（ヘルムート・グリーム）です。ゾフィー、フリードリッヒと手を組み、この邸の乗っ取りに成功しますが・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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