アイルランドのブラウンズ・ウッドに生まれしパリで才能を開花させた、デザイナーで建築家のアイリーン・グレイ(1878-1984)。
ドキュメンタリーの本作品はベールに包まれた彼女の創作の秘密が自身の作品やクロエ・ピティオ(ポンピドー・センター)、ジェニファー・ゴフ(アイルランド国立博物館)、ロジャー・フリフィス(NY近代美術館)の証言によって解き明かされます。
妥協のないビジョンと冒険心を持ち、装飾、デザイン、建築の分野で活躍したアイリーン・グレイは、1901年、ロンドンのスレード美術学校に入学。 1902年、フランス・パリのアカデミーで学びます。1905年、イギリスに渡った後、1906年、再びパリへ。
この頃、日本人学生・菅原精造に出会い、漆工芸を習得。
1913年、第8回装飾芸術家協会展に招待出品。デザイナー、ジャック・ドゥーセと出会い、プロフェッショナルとしての道を開きました。
1919年、帽子デザイナー、シュザンヌ・タルボットのためにパリ、ロタ通りのアパルトマンのインテリアを手がけます。これは一人のデザイナーによるトータルなインテリアデザインの先駆でした。
南フランスに建つアイリーンの別荘〈E1027〉は、建築設計家としてのアイリーンのデビュー作です(1926年)。自身と恋人のジャン・バドウィッチ(建築雑誌の編集者)と過ごすための暮らしやすさが第一に考えられています。二人の名前から「E.1027」と命名されました。彼は、著名な建築家、ル・コルビュジェの親しい友人でした。
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