この映画は、明治時代の後半、鯖江でメガネ産業の礎を築いた人々の想いを描いたヒューマンドラマです。(鯖江では現在、日本のメガネ生産の90%を生産しています。)
原作は藤岡陽子による同名小説。
タイトルの「おしょりん」は、福井県の一部で使われている方言。「降り積もった雪が朝の冷え込みで表面が固く凍った状態」のことです。本作品にそのシーンがあります。「どんな時も夢に向かって自由に突き進もう」という想いが込められています。
本年4月、北陸新幹線が金沢から福井を経て敦賀まで延伸となりました。冒頭、そのことを記念するかのように、福井県の紹介があります。
舞台は明治37年から44年頃までの福井県足羽郡麻生津村。庄屋の長男である増永五左衛門(小泉孝太郎)の妻・むめ(北乃きい)は、育児と家事に追われる日。
そんなある日、大阪で働いていた五左衛門の弟・幸八(森崎ウィン)が帰郷し、メガネ作りに取り組むべきことを提案します。メガネはまだほとんど知られていなかった時代。しかし、幸八は活字文化が普及する今後、メガネは必需品になるというのです。
難色を示す兄の五左衛門。初めは反対していたものの、視力が弱く、学校の勉強が遅れがちだった女の子がメガネをかけ、喜ぶ姿を見て、五左衛門はメガネ製造への挑戦を決め、村の人々を集めて工場を立ちあげます。
しかし、メガネはなかなか販路がひろがらず、資金繰りが厳しくなります。五左衛門はとうとう田畑を売り、家屋を担保に入れざるをえなくなり、・・・。
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