主要舞台は福島県、とくに東日本大震災の原発事故以降、除染地域となった双葉郡川内町。現地ロケです。
除染地域で立ち退きの目にあった家族。その絶望的な状況下で、希望に向かって踏み出す姿が描かれた作品。
先祖代々の土地を守って暮らしていた総一(内野聖陽)は、東日本大震災後の原発事故で立ち入り禁止区となった故郷を離れることを余儀なくされ、やり場のない怒りを抱えながら妻(安藤サクラ)と娘、そして母(田中裕子)とともに仮設住宅で、先の見えない毎日を送っていました。
そんなある日、20年近く前に故郷を出た弟・次郎(松山ケンイチ)が帰郷します。弟といっても、腹違いの子で、総一と暮らしている母の子です。
総一のもとに、次郎が警戒区域にある生家に住み着いているという連絡が入ります。いまや無人となった村に戻った弟は、ある思いに突き動かされてたったひとりで苗を育てていました。
次郎は20年前に、父親の政敵の田んぼの水を抜いた総一の身代わりとなって、故郷を離れ、上京していたのです。以来、音信不通となっていました。