原作は加茂菖子による『執炎』です。
相思相愛で結婚した若い男女が、アジア=太平洋戦争によって引き裂かれていく運命を描いた作品です。
ドル箱だった山口百恵、三浦友和コンビの9作目。この二人が出演した映画は何本か観ましたが、百恵さんの人気先行で内容はいまひとつ。話が単調です。
三浦友和さんは、現役の俳優です。存在感があり、いまや日本映画界の重鎮(「沈まぬ太陽」など)。百恵さんとの共演から脱皮し、若い頃より格段に良くなりました。
昭和14年(1939年)、軍事教練を終えた拓治(三浦友和)は、日本海に面した故郷へ凱旋。網元の吉井家で宴会が行われ、村人が集まりました。
翌日、拓冶は船を作る目的で大木を探しに森に入り、使えそうな木にマークを付けていきます。森の向こう側に着くと、ふもとに集落がありました。気になった拓冶は村に向かい大きな家をみとめると、誰もいないので入り込みます。そこには一人の娘が。
部屋にはアゲハ蝶の家紋。拓冶は平家の落人の村だと了解します。娘の名は久坂きよの(山口百恵)。
以来、二人は頻繁に会うようになり、結婚。拓冶のいとこの泰子が夫の則義を連れてやって来ました。陸軍大尉の則義は拓冶と酒を酌み交わし、きよのは医者の泰子と親しくなります。
その矢先、拓冶に赤紙が来ます。吉井家では出兵を祝う宴会が行われ、「必ず帰ってくる」と誓う拓冶でしたが、・・・。