原作は松本清張による同名小説。ただし、本映画作品では原作と異なる設定が多々あります。一例ですが、キーワードになるカトレアが原作では沈丁花。
舞台は東京、横浜、熱海、そして名古屋、犬山、真鶴。(←清張らしくあちこち)
「週刊東都」の記者若宮(鶴田浩二)は女性問題の権威、島内輝秋(柳英二郞)の談話を取るため熱海に向う車中、沈丁花の匂いを漂わせ隣に座っている美貌の女(佐久間良子)に興味を惑かれます。また、見送人が誰もいず双方そらぞらしい感じの新婚夫婦に疑問をもちます。
熱海で村田通信員に迎えられた若宮は「鶴屋ホテル」に宿泊。その晩、431号室の彼の部屋に間違って黒い洋服を届けた男がいました。翌日、島内を訪ねた若宮は、室内で沈丁花の匂いを嗅ぎ、車中の女を思い出します。
その矢先、錦ケ浦で自殺事件。現場にとんだ若宮は、その死体が例の新婚夫婦で妻は失踪したと聞きます。また、その部屋は481号室。昨夜の男は自分の部屋と間違えたのだと知ります。この自殺に疑問をもつ若宮。
編集長、木谷(丹波哲郎)も若宮と同感。若宮と同僚の田原は社会部を外され、この事件を追うことになります。
数日後、「鶴屋ホテル」のフロント係春田が、名古屋の西山旅館で殺されました。やはり、連れの女がいました。
名古屋に飛んだ若宮は島内と偶然に逢います。その部屋には微かな沈丁花の匂いが・・・。
帰京した若宮は、新聞をみて驚きます。倉田という男が真鶴岬でニセ札をポケットに入れて惨殺され、その男は、若宮の部屋に洋服を間違えて届けた男だったからです。
事件の行方は・・・。