豊かな郷土食、極上の食卓がテーマになる映画は、そうありません。この映画は、そうした稀な作品です。あまり知られていませんが、人間的ぬくもりの感じられる佳品で、好きです。
アイザック・ディーネセンの同名の小説の映画化です。
19世紀の後半。舞台はデンマーク、ユトランド地方の片田舎です。
二人の姉妹マーチーネとフィリパが、清貧な生活をしていました。牧師として尊敬されていた父の教えを守り、祈りと節約の日々でした。この二人がまだ若かったころには、男性(後にふたたび登場するローレンスとパパン)からの求愛もありましたが、厳格な父の教えが災い(?)し、実りません。
それから50年。牧師の父はなくなり、娘二人は相変わらず祈りの日。家政婦の女性がひとり住み込みで働いています。この女性がバベットです。バベットはかつてパリの有名なレストラン「カフェ・アングレ」で料理長をしていました。バベットがここに居るのには訳がありました。バベットはパリ・コミューンで混乱したパリから亡命し、この村にたどり着いたのです。
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