「その日暮らし」 は私で、夏の夕方に鳴くセミは 「ひぐらし」。
昨日あたりから、夕方になると 「ひぐらし」 が鳴き始めました。
「ひぐらし」でまず最初に思い出すのが、学生時代サイクリングで回った、信州や飛騨地方の夕暮れの風景、情景です。一日自転車で山道を走り回り、ちょっと早めにその日の宿営地に着く。決まって、激しい夕立が降り始め、今日の宿泊はどうなるかと心配するが、しばらくたてば止んでいる。夕食の準備をしているときか、すでにすんで一休みしているとき、おもむろに 「ひぐらし」 の声が耳に届いてくる。一日の疲れを癒してくれるような、物悲しいその鳴き声に、けだるさが一層つのるのと同時に、疲れがすっと引いてゆくような、なんとはない心地よさを感じながらひと時をすごす。
今は、当時のような心のゆとりはないけれど、家に帰る道すがら、ちょっと立ち止まって聞き入っています。
まだ、夕立は来ないけれど、もうすぐ本格的な 「信州の夏」 の到来です。