人生は 五 七 五

ご訪問有り難う御座います。

訪問者の皆様に
神の祝福がありますように
(by mother teresa)

方法が悪いんじゃない、頭が悪いんだと思え、

2009-09-04 12:21:38 | 随筆、Essay

頑張る君へ、エールだ。ちなみにエール出版とかどうなったのかな、エールというより欲望充足だよな

勉は、問題を抱えていた。朝から晩まで、何か良い方法はないかと考えていた。
何故かと言うと、自分のやり方だと、どうも点数が今一伸びなかったからだ。
だから、エール出版の本など読んで、賢い人の方法を盗もうとしていた。

本に書いてあるように、この問題集を1日数ページやると毎日決めた。しかし、決めて数日するのだが、どうも実力が伸びているような気がしない。しかも、他の本を読むと別の問題集の方が良いとか書いてある。そうすると、またまたそちらの方が簡単に実力が付くのではないかと、思ってしまい、変えてしまった。

そうやって、少しつまんじゃ、別のにしてと言う感じでころころ方法を変えていた。

まるでカサノバが女性を追い回すように、勉は方法を追い回していた。自分の頭が悪いということは毛頭認めたくはなかった。絶対方法さえ見つければ、自分の夢が叶うと信じていた。だから、その方法さえ見つければ一発逆転で、天才勉になれると信じていた。

巷では、能力も努力でカバーできると騒がれているので、彼は真面目にその俗説を信じていた。そして、毎日コツコツするという彼のやり方が間違っているのでなく、みんな同じやり方でやっていて、やり方に大した差はないんだと、違うのは頭なんだと気づくのには数十年を要した。

沢山やればやるだけ伸びると普通の人が信じているものを彼も信じていた。

できる人は言う、「やるかやらないか」だと、それを勉は信じていた。できない人の意見というのは、知ることができなかった。また知りたくもなかった。能力だとしたら、やってもできないと言う不平等な現実など、信じたくもなかった。だから、できない奴は努力が足りないのだと、ただ単に怠け者なのだと、できない奴のことを馬鹿にしていた。

実際、勉は方法と努力に問題があると思っていたが、彼の方法というのは全く間違っていなかった。できる人もできない人も毎日コツコツしているだけだった。しかし、なぜか同じようにコツコツ努力しても、結果は人それぞれだった。勉はそんなことは認めたくなかったし、信じたくもなかった。

勉はまだ気づいていなかったが、コツコツするとか、勉強の仕方が間違っているのでなく、そもそも頭のできが違う。頭のできを方法で変えることはできない。だから、今やっているやり方を続けるのが最良の方法なのだ。昨日の自分より今日の自分が少し成長していたら、そのやり方が正しい。

ってな感じだ