スマイリーな毎日

笑う門には福来たる

青の洞窟(ローマへの旅14)

2006-05-19 | イタリア旅行2006

ナポリから、この高速艇に乗り、カプリ島まで約45分。

Snav

休日ということもあって、激混み。まだこの時点では、今日の目的の「青の洞窟」に入れるかどうかはわからず。「入れるとしても、洞窟の前で結構待つかも」と言われたので、船の中でトイレを済ませておく。

縦揺れが激しいせいか、ちょっと酔いそうになりながらもカプリ島のマリーナ・グランデに無事到着し、ホッとした。この時は、この後に、もっとひどい事態になるとは夢にも思っていなかった。

Isola_di_capri

ついにカプリ島に到着。「ナポリ湾の真珠」というだけあり、海が真っ青で美しい。天気も上々で、5月の風が心地よい。のんびりしている間もなくグッドニュースが。今日は青の洞窟が開いているとの事。ガイドの方によると、3回に1回位しか入れないという話だ。これはツイている。さっそく20人ほどが乗れる小型のモーターボートに乗り換え、青の洞窟へ。

Albergo_a_capri

カプリ島の北側、真っ青なティレニア海を西へ進んで、約20分ほどで青の洞窟前に到着。途中から見えるカプリ島は、断崖絶壁がそそり立っている。そのてっぺんにホテルらしき建物が。あそこから見える風景はさぞ素晴らしいものだろう。あの高さなら、ヴェズヴィオ山が遥か彼方に見ることができるかもしれないな。約2000年前に、ローマの初代皇帝アウグストゥスが、イスキア島と交換することを条件に、ナポリから取得しただけあって、とても美しい島である。

潮風に吹かれながら、青の洞窟前に到着したのはよいものの、祝日で、かつ気候もいい時期ということで、数え切れないほどの数の船が洞窟待ちで待機している。ガイドの方が聞いてくれたところによると、今から大体3時間待ちとのこと。船から下りて、陸で待つものと思っていたが、このまま船上で順番を待つということ。

けっこう揺れてるんだけど、これが3時間続くのかと思うと心配になってきた。以前からずっと待っている船の人は大丈夫なのかと見てみたら、船べりからゲロゲロ吐いていたり、船酔いでぶっ倒れている人がいっぱいいる。同乗している同じツアーの日本人観光客は、みな船酔いの薬を飲んできたという話をしている。船酔いのことなど全く考えていなかったので、これはやばいと、とりあえず遠くを見て気分を落ち着かせておくことにした。

着いてから30分もしないうちに、勝手に同じ船に乗りこんできていたアメリカ人数人が、「もう待てない、帰る帰る」とわめきだした。僕らのツアーのガイドに「帰らせろ」と言い出し、えらい口論になっている。結局、ガイドの方が、見学が終わって港へ帰る船の船長と掛け合って、うるさいアメリカ人を帰らせた。ガイドの方は、「こいつらは、ほんと我慢とか待つって事を知らん奴らや」と悪態をついていたが、僕らは船を広々と使うことができてラッキーだった。

それにしても3時間は長い。同じ船に乗っている半分ぐらいの人たちが、船酔いでダウン。それもそのはず、船はすごい揺れで、寝ている人が海に投げ出されそうなほど揺れることもあり、転覆するんじゃないかと何度も心配した。この揺れの中、一組だけ残っていたアメリカ人二人が、「カプリ島をバックに私達の写真を撮ってくれ」と僕に頼んできた。しょうがないなと思いながら快く引き受けたが、ちっちゃなファインダーを覗いてたら、また少し気分が悪くなってしまった。でも、それよりも、ここまで待ったにもかかわらず、「波がきついので途中で青の洞窟締めます」なんてことにならないか、そっちの方が心配になってきた。

そうこうしてるうちに小船が何艘か近づいてきた。ついに順番が回ってきたよと言われ、揺れている中、海に落ちないように気を付けながら、大喜びで小船に乗り移った。やっと待ちに待った青の洞窟だ。

Apertura_di_grotta

洞窟の入り口は、この小さな船が一艘入れるか入れないほどの大きさ。チェーンが通してあり、船頭さんがこれを持って、船を洞窟内に引っ張り込む。頭ぶつけるから、船底にほとんど寝そべった状態にさせられ、波が下がった瞬間に一気に洞窟内へ滑り込んだ。

洞窟内は真っ暗。顔上げていいよと言われたので、顔を上げて振り返ると、感動の情景が。真っ暗な洞窟の中、海の底だけがコバルトブルーに輝いている。これはまさに自然の神秘。一気に、さっきまでの酔いと戦っていた3時間が報われた気がした。

Grotta_azzurra

何枚か写真を撮ったが、暗いのと揺れているのとでうまく撮れず。夜景モードで撮ると、海の綺麗な色は撮れるんだけど、ぶれちゃいました。

たくさんの船頭さんが、競うように「サンタルチア」を歌い、洞窟内に響いている。みんな見た目は海のおやじなんだけど、なかなか歌は上手い。楽しい時間は短いもので、10分ほどで出口に向かう。が、今日は波が高いらしく、波で洞窟の入り口が塞がれたり開いたりで、出るタイミングが難しそうだ。船頭さんらが、波に合わせて掛け声を掛け、タイミングをとって出ていくのだが、一艘出るごとに大歓声が上がって盛り上がった。特に船が波をかぶったら、またまた大笑いと大歓声。おかげで出口付近で、青の洞窟の美しさにしばらく浸ることができた。同じツアーの一人は、思いっきり波をかぶった小船に乗っていたらしく、全身ずぶ濡れになっていた。

その日の朝、波があるので、青の洞窟を開けるかどうか話し合いになった末、開けることに決まったこと、僕らが入った後、波が高くなってきたので結局閉めてしまったという話をガイドの方から聞き、なんて僕らは運がいいんだろうと、同じツアーの人らと喜びを分かち合ったのだった。

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