その1 三島由紀夫作「朱雀家の滅亡」新国立劇場
とにかく、シンプルな中にも豪華なセットと衣装。
滅びの美学におなじみの戦前の貴族の一家。
國村隼さんが侯爵家の当主で、天皇の侍従長。
結局、息子が海軍を士官して南保の島で戦死。本当の母親(当家では女中という身分)が 助けようと画策したことも無駄になる。その女中(香寿たつきさん)も空襲で死ぬ。
結局みんな死んで当主だけ残る。
この戯曲は滅びの美学というより、自ら滅んでいく哀れさ滑稽さが際だった。
昔の貴族はこんな家もたくさんあったに違いない。
國村さんと香寿さんが圧倒的に存在感あり。
香寿さんは「ガラスの仮面」でイイ女優さんだなあと思ったけど、やはり凄い。
でも3時間近くなので、身体はちょっときつかった。
その2 永井愛作「ダブル・アルバム」 赤坂レッドシアター
岡本麗さん出演と永井作品という2つの理由で観劇を決定。
話は、昭和40年代頃。
父親が愛人に生ませた長女を中心に、家族がそれぞれの思いを抱えながら生活し、気を遣って上手にやっていたつもりが、実は憎悪やねたみなどの感情を抱えていたということに気づく。
そこに、「おじさん」が絡んで笑いを誘いながら隠れていた真実を明らかにする。
岡本さんだけでなく、田岡美也子さん、半海一晃さんの3人は醸し出すハーモニーが心地よかった。最後が暗くないのもうれしかった。
昼と夜、まったく違う色合いの演劇だった。
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