いせ九条の会

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国民投票法案に関する世論について/山崎孝

2007-03-13 | ご投稿
朝日新聞社が3月10・11日に行った全国世論調査の結果(電話での調査)が13日の紙上に発表されています。「国民投票の手続きを定める法律を作ることは必要だと思いますか」の問には「必要だ」68%、「必要はない」19%。「国民投票法案を今の国会で成立させるという安倍首相の考えに賛成ですか」という問には「賛成」48%、「反対」32%となっています。

私はこの結果は、一般的な国民投票の手続きを定める法律を作ることは必要だという意識の反映だと思います。しかし、今国会での法案の成立させることについては、賛成率が下がり反対が増えていることをみれば、安倍首相の改憲姿勢に必ずしも同調しているわけではありません。そして、自民党の改憲の狙いに賛成していることでもありません。

「いせ九条の会」の改憲に反対する賛同署名運動の反応を見ても、留守の家を含み、また関心がなく対話が出来ない家は半数を上回りますが、対話が出来た家での反応は、改憲に反対する家の方が大部分です。そして反対しても仕方がないと答える人に、改憲は最終的には有権者の一人一人の考えで決める国民投票がある。この段階で、世論調査では一般的には改憲に賛成する人が多いが、自民党の改憲の目的である「9条を変えて海外でも武力行使がて出来るようにする憲法」には、反対する考えの人が多いと説明して、改憲は阻止は出来ると話すと、気を取り直して賛同署名に署名する人もいます。

朝日新聞の結果を私は一般的な意識の反映と述べましたが、このことは朝日新聞社が2006年5月3日に掲載した憲法についての世論調査の結果と共通すると考えます。その世論調査の結果は「憲法を変える必要がある」は55%で、「必要がない」32%を上回っていました。しかし、これは一般的、漠然とした考え方と捉えることが出来ます。

調査の細かい問には、自衛隊の存在を憲法に明記する必要があると答えた人たちは「第9条をそのまま残し新たな条文を追加する」が64%と一番多い。憲法を変える理由として「第9条に問題があるから」は9%でした。自衛隊を「軍隊」と位置づけることの賛否を、自衛隊を憲法に明記する考えの人に重ねて聞くと、「反対」が54%と多く、「賛成」38%を上回っています。また、集団的自衛権については、いまの立場を維持することに53%が賛成し、「使えるようにする」36%を上回っています。

私は、自民党がイラク戦争のような米国の戦争に日本が加担して、集団的自衛権の行使を想定していることを宣伝して改憲に反対する人たちを増やしていかなければと考えます。

安倍首相が3月7日の内閣記者会のインタビューで「集団的自衛権の研究」に関して「国民を守る大きな責任がある中で、そんなに時間をかけるべきではない」と述べことの欺瞞性、国民を守ることと集団的自衛権行使は対立した事柄であることを暴露しなければならないと思います。