いせ九条の会

「いせ九条の会」の投稿用ブログです(原稿募集中)。
会の趣旨に賛同される方、メールでご投稿ください。

国民投票法案は参院選のプラスにならない/山崎孝

2007-03-18 | ご投稿
3月17日付朝日新聞に「国民投票法案 参院選にプラスか 成立急ぐ首相に河野議長疑問」という記事がありました。安倍首相が国民投票法案の今国会成立を目指し、与党が公聴会の日程を単独で決めたことについて綿貫国民新党代表が河野議長と会談して「対決すべきではないものを『これをやるんだ』というのは、参院選対策みたいに思える」と指摘すると、河野議長は「(参院選に)本当にプラスになるかどうかはわかりませんね」と疑問を呈した、という旨が書かれていました。

既に紹介していますが、朝日新聞社が3月10、11日に実施した世論調査では、イラク戦争を正しかったと思う人が12%、正しくなかったと思う人が75%になっています。イラク戦争を起こした米国を支援するために日本政府が戦後慰撫政策の性格を持ったイラク・サマワに陸自を派遣。現在、空自がイラク戦争の後方支援を行っている法律的根拠「イラク特措法」の延長には、賛成が19%、反対が69%となっています。

この結果は、国民にイラク戦争が4年を経過してその実態がよく知られるようになったからだと思われます。このような国民の意向を察知していた自民党は統一地方選への影響を避けるため、「イラク特措法」延長法案を4月下旬に国会提出を検討。公明党幹部からは、争点化を避ける狙いで「参院選からなるべく離れた時期に法案を成立させたいとの声も出ている」と報道されています。

このことは国民投票法案の成立させる政治の方向が「イラク特措法」が今まで以上に軍事的支援レベルを上げた、自衛隊海外派遣の恒久法になっていくことを、国民に広く認識させることが出来れば、政権与党は国民に正面から問うことが出来なくなります。国民投票法案が参院選にプラス材料にならなくなります。

3月14日付朝日新聞は、安倍首相が「個別具体例が憲法の禁じる集団的自衛権の行使にあたるかどうかの研究」の研究例として「サマワで一緒に活動する英豪軍に攻撃があった場合に(自衛隊が)駆け付けること」を挙げていると報道しています。

国民投票法案を論理的に突き詰めていけば、法案成立は改憲へ階段を一つのぼることであり、自民党の改憲の狙いは、現在の「イラク特措法」をモデルで言えば、自衛隊の活動地域が非戦闘地域となっているのを戦闘地域となる。現在の「イラク特措法」が武力行使を禁じているのを集団的自衛権も行使できるようになります。改憲されたてしまった将来は、イラク戦争のようなケースである、米国を中軸とした有志連合に参加して、海外の戦闘地域で活動し、武力行使・集団的自衛権行使を行うということを宣伝しなければと思います。

このこととあわせて、イラク戦争が日本国憲法の理念と正反対の考え方をして行われたこと。2月の6者合意の方向が、武力で国際紛争を解決してはならないとする日本国憲法の理念と合致した考え方であることも宣伝することも大切だと思います。