いせ九条の会

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日本政府は平和主義を守れ/山崎孝

2006-10-21 | ご投稿
朝日新聞の「声」欄に投稿した文章が、運良く採用されましたので、ブログにも掲載させていただきます。

2006年10月21日付け朝日新聞「声」欄掲載文

見合わせたい周辺事態認定

北朝鮮の核実験に対する国連安保理決議の北朝鮮に関係する船舶検査は、自国の法的手続きに従って行えば良いことになっている。

 日本は現時点で航空機・艦艇による監視、他国への情報提供や自衛隊基地に寄港する米艦艇への燃料・部品などの提供が出来る。周辺事態と認定すれば、船舶検査に当たる米軍の後方支援が出来るようになる。

 周辺事態の認定をめぐって意見の対立がある。麻生外相、外務省は米国に積極的、防衛庁首脳は消極的と言われる。公明党斉藤鉄夫政調会長は「現時点でそこまで認定できるかどうか」とテレビで述べていた。

無理をして周辺事態と認定し、米軍の船舶検査の後方支援をしなくても、自衛隊基地に寄港する米艦艇への燃料・部品などの提供だけではなぜいけないのか。日本は安保理決議より厳しい経済制裁も行い国際協力をしている。

 米軍への後方支援は、防衛庁幹部が懸念するように武力衝突に発展する可能性さえある。日本の国是は平和主義であり、政府はこの精神を逸脱しないでほしい。

次の文章はブログで述べた主張を短文にしたものです。

【米国とは違う条件をしっかりと踏まえて】

 朝日新聞10月18日の夕刊に、北朝鮮の核実験後、米CNNが17日に発表した米国の世論調査が掲載されていた。その結果は、北朝鮮が米国への「差し迫った脅威」と考える人が20%にとどまっていた。この結果の背景は、北朝鮮が米国本土に届くミサイルを開発していないこと、米国が北朝鮮とは地理的にも太平洋をはさんで距離が遠いことが冷静な判断につながったと指摘してあった。

 私はこの記事を読み改めて思った。日本は北朝鮮の隣国で、在日米軍の基地がある。米国とは違う条件をしっかりと踏まえて、北朝鮮への制裁行動に当たらなければと思う。

韓国の韓明淑首相は、国連決議は軍事制裁を含めるべきではない。朝鮮半島で戦争があってはならない、と釘を刺している。これと同じ考え方で、戦争につながる事態を何よりも避けることを政策の重点に置くべきである。

久間防衛庁長官が10月17日の衆院安全保障委員会で述べた、海上自衛隊が補給している米艦船が攻撃された場合、自衛隊は自分が攻撃されたとみなして反撃するのが自然だというような考え方は、衝突を拡大させて、戦争につながっていくと思う。