いせ九条の会

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首相の「子どもの発達段階」を考える/山崎孝

2006-10-08 | ご投稿
安倍首相は10月5日の国会答弁で、ご自身の自虐史観という教科書批判を問われて「義務教育段階の教科書のあり方についての議論。子どもの発達段階において、どうかと申し上げてきた。別に間違っていなかった」と述べました。

安倍首相の「子どもの発達段階において」という言葉は、子どもたちに残酷なことを正確には理解できないという意見と取れます。しかし、ドイツは子どもたちにナチスドイツが行った残虐な史実を教えて、総体としては世界から信頼される国民を育てています。これを見れば安倍首相の言い分は説得力がありません。

日本の子どもたちも10月6日付け朝日新聞記事「新聞スクラップコンテスト」に、《レバノン情勢に心痛めた子ども目だった。暁小4年の千石歩夢さんは、イスラエルの空爆でレバノン側の死者が千人以上だったことに「心に残った悲しい数字」と書いた。「幼い子ども、弱い人を中心に多くの命を奪う戦争は早く止めるべきだ」と訴えた。

南中1年の橋本航行平さんは、戦争体験を語る連載記事や平和を願う投書などを毎日欠かさず集めた。人間が人間として扱われていない戦争に61年前まで国全体が突き進んでいた異常さを知った。そして広島の原爆ドームを訪ねて思った。

「今、日本では戦争に対する、核に対する意識が薄れている」》と書かれています。

これら子どもたちの意見を見れば、史実・事実を教えれば子どもたちは問題の核心を捉えることは可能です。従軍慰安婦の問題も「人間が人間として扱われていない戦争」中の出来事、人間と戦争という関連で問題を捉えると思います。

千石歩夢さんは、ブッシュ政権の指導層より、問題を正確に捉えています。橋本航行平さんも戦前の日本の姿は異常と捉えています。自虐史観と批判する学者たちより遥かに戦争の歴史の核心部分を捉えています。

私たちが注意すべきは、官房副長官になった下村博文氏が8月29日「自虐史観に立った歴史教科書を、官邸のチェックの下に改めさせる」と発言していることであります。