いせ九条の会

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核拡散を防げ得ない問題点/山崎孝

2006-10-15 | ご投稿
朝日新聞10月15日「核の衝撃」⑤のからの要点を紹介します。

9月20日、包括的核実験禁止条約(CTBT)を支持する国による閣僚級会合が開かれた。CTBTは1996年に条文に合意したが、批准国数が足らず、たなざらしになったままです。

条約発効に至らない間に、インド、パキスタンが核実験を行い、核保有国になります。しかし、CTBTに署名はしていません。

CTBTが発効するには、核保有国や原子力利用国の44カ国の批准が必要で、核保有国の英仏ロは批准し、原始力利用国の日本など34カ国が批准しています。しかし、残る10カ国のうち、署名はしているが未批准なのが7カ国で、核保有国の米中、事実上の核保有国のイスラエル、核疑惑があるイランが含まれています。

CTBTが発効しない大きな要因は、米国の態度です。米国の上院は1999年に批准を否決、2001年に登場したブッシュ政権は、核兵器の性能・安全確認には実験の必要がある場合があるとして条約に徹頭徹尾反対しています。

ホワイトハウスの元科学技術政策局次長で1990年代にCTBTへの対応を担当したフォンヒッペル・プリストン大教授は本年9月、米議会で「米国が核軍縮などに取り組まなければ、非核国の権利を制限することに支持は得られない」と警告しています。

米国は臨界前核実験を停止して、使用可能と称する戦術的小型の核兵器の開発を止める。核保有国が核抑止力の考え方を捨てて、自らも核軍縮に取り組み、非核の国に核抑止力の考え方を持つなと主張すべきです。