女を捨てず・女に甘えず・らしさを活かす

女性スタッフがビジネス社会で実際に体験したことを中心に「見たこと」「聞いたこと」「感じたこと」をありのままお伝えします。

★カラ回りの20代③ 「現状から逃げる・・・最初の転職」

2007-09-03 | 日記・エッセイ・コラム

約束通り販売実習を終えて本社に戻ってきた私たちに、会社から二つの選択肢が示された。一つは、営業部で専門店向けの営業を担当。もう一つは専務(女性)直轄のFC(ファッションコーディネータ)として、商品部と売場の橋渡しをする。  

さて、どちらを選択するか?

イメージ派の私としては、何の迷いもなく

「FCやります!」

理由は

商品本部と売場の橋渡しの仕事なんてかっこよさそう・・・。

聞くところによると、仕事内容には売場のディスプレイも含まれるという。アパレル業界で、売場のディスプレイを格好よくこなしている自分を想像して、できる女になった気になっていた愚かな自分。

そんな、うわついた気持ちは本社に戻ってすぐに打ち砕かれました。初めての部署で専務の長年の想いを実現するために作られた部署なので、基本的な教育は専務が直々行うことになっていた。けど、なんせ忙しい方なので、教育の日程を合わせるだけで大変。基本的には勝手な動きは禁物、外出も禁止。自習という名のもと、本社で雑誌を読んだり、展示会の写真の整理をすることぐらいしかできない。なんかやりたいのに、何もしてはいけない辛さってわかります?「私何してるんだろう?」悶々とした気持ちで過ごしていたことをよく覚えています。

結局本社に戻って9ヶ月で退職することに・・・。理由は、上記のような宙ぶらりんの状況が耐えられなかったこともあるけど、決め手となったのは専務から言われた、

「あんた、この業界にいてそんなことも知らんの!?」

の一言。専務主催の研修会で、「イタリアのデザイナーについて」質問されて、私が答えられなかったときに間髪をいれずに飛んできた一言。その時、この業界のことを何も知らない自分。もっと言えば、知ろうともしない自分を思い知らされました。

普通に考えれば、ここで一発奮起して勉強するんでしょうが、当時の私の思考はそこには至らず「この業界では自分は一番にはなれない ⇒ もともとどうしてもアパレル業界で働きたかったわけではない ⇒ 自分にあった業界、仕事に変わろう ⇒ 退職」の道を突き進んでいったのです。

かくして、先の専務主催の勉強会で、「あなたたちは、人に夢を売る商売なんだから、いい服を着て、一流のものに触れて感性を磨きなさい!」という言葉の意味も理解しないままわずか1年9ヶ月であっさりと一つ目の会社を退職したのでした。

その時は気づかなかった。自分が状況から逃げていたということを!入社後の販売実習でもまずまずの評価を得た。大学時代の友達からもそこそこ頑張っていると思われている。おまけに、同じ課に配属された同期と付き合い始めたばかり(今の旦那です)・・・格好悪い姿は見せたくない・・・。大きな失敗をしないうちに現状から逃げてしまおう!今思えはこれが当時の正直な胸のうち。もちろん、当時の私はもっともらしい言い訳を並べてましたよ。

「一生懸命仕事がしたいのにできない」

「自分が腐っていきそうな気がする」

「自分が活かせる仕事につきたい」

などなど・・・。でもこれらは全部できないことの理由を他に求める言い訳のオンパレード。 

最近、ふと考えることがある。「もし、昔に戻ってやり直せるとしたら?」このタラレバが実現するのなら、私は、売場実習を終えて本社に戻ってきた時期に戻って、がむしゃらにアパレル業界のことを勉強して、仕事が一人前にできるようになって、あの専務に自分を認めさせたい。今の自分には満足している。人材に関わる仕事はこれからもずっと続けていきたい。でも、新卒で入った会社を「現状から逃げて退職」ではなく、ある程度のベースを作って「卒業」し、ステップアップの転職をしていたらどうなっていたか?この一点だけは後悔が残る。

だから、自分の会社や他社で出逢う入社2~3年目の社員が当時の私のように「現状から逃げるための転職」を考えているのを見ると黙ってはいられない!今の世の中、転職は構わないと思う。ただし、しんどいから、思い通りにならないから、現状を回避するための転職はなんの役にも立たない。どうせ転職するなら、困難を乗り越え、与えられた課題を解決して、その会社にこれ以上学ぶものは何もない状況を自ら作った上での転職でないと意味がない!これ事実!

「逃げてはいけない!」

なぜなら

一度逃げた人間は

その次もまた逃げるから

このことに気づくには、もう少し時間がかかるのでした(続く)        感謝


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