女を捨てず・女に甘えず・らしさを活かす

女性スタッフがビジネス社会で実際に体験したことを中心に「見たこと」「聞いたこと」「感じたこと」をありのままお伝えします。

田村正和の引き際に思う…

2021-05-24 | 日記

中村です。


田村正和が亡くなった。享年77歳。そう言えば、最近テレビ
で見ないな…とは思っていたが、ケーブルテレビで繰り返し放
送される古畑任三郎シリーズ週末一気放送を録画して視聴し
ている私としては、なんとなくその当時の田村正和が現在もい
るとの錯覚に陥っていたのかもしれない。

突然の訃報であり、既に一カ月前に亡くなっていたということ
だが、正直さほどの驚きはない。何年か前、「声がかすれて聞
きとれない」「病気か?」と報道され、それ以降目にすること
がなかっただけに、このような(今回のような)こともあり得
るとどこかで思っていたのかもしれない。


ちなみに、私は田村正和の出演作品は面白いと思うけど、俳
優田村正和が好きか?と言われたら、(好きでも嫌いでも)どち
らでもない。


所謂2枚目で「きれいなお顔やねとは思うが、華奢な体型
やキザに感じる振る舞いはどちらかというと苦手な部類。ただ、
彼の生きざまには共感できる部分が多い。
※全て報道されていることが情報源なので本当のところは定か
はありませんが…



◇冷静な自己認識
⇒親の七光りで世に出たことを十分認識した上で「奢らず」「卑
 下せず」自分のスタンスを確立したところ、すごい!

◇役者としてのプロ意識
⇒プライベートを切り売りすることなく、役者として『役』を演
 じることに徹していたところ。モノを食べているところを極力
 人に見せず、プライベートでも常に田村正和を演じていたと聞
 くと、自分の身内なら「面倒くさい人」と思うけど、そこまで
 徹底するプロ意識がすごい。

◇そして、何より引き際の美学
⇒どの世界にも「その道」で活躍してきたベテランがいる。会社
 員以外の自営業やいわゆる専門職(スポーツ選手や役者含む)
 には基本定年はなく、やろうと思えばいつまででもできる。だ
 から、生涯現役を信条に、命が尽きる直前まで作品や舞台に立
 ち続ける役者や、一日でも長く現役を続けようと努力するアス
 リートも多い。サッカーなら三浦知良、野球なら(すでに現役
 引退したけど)山本昌体操の内村航平など…。


一つの道を究め、継続すること自体は尊いことだと思う。役者で
あれば、年齢を重ねてもその年齢なりの役を演じることができる
し、スポーツならベテランのストイックな姿勢や頑張りが若手選
手に刺激を与えることもある。実際これらを実現している人も多
い。


以降、反論があることを承知の上で私見を述べます。


定年がないからこそ、原則自分の引き際は自分で決める
何を持って引くか?=自分なりの明確な基準が必要で、これが曖
昧だと引くタイミングを見誤ってしまう。


この明確な基準を持つこと。またその基準を持っていたとしても、
「今がその時決断することは難しい



そろそろ引き際かも…は誰しもが感じること。「そろそろ」なの
で今かもしれないけど、今じゃなくてもいい。「もうちょっと…」
「あと少し…」となるのも事実。まだまだ先と思っているうちは、
「その時が来たら『自分はきっちり区切りをつける』」と思ってい
ても、いざその時が来ると踏ん切りがつかない。まだいけると思い
たい自分
もうやめたほうがいいと思う自分が戦ってなかなか決断
がつかない。じたばたするのが人間だし、現実的なことで言うと生
活あるし…。


にも関わらず、「もう十分やった」「もうやりたいことはない」最
後の作品を「酷い」と自己評価して実際の映像は見ることがなかっ
たという田村正和。なかなかできることではない。それを可能にす
るのは、


「十分やった」「これ以上やりたいことはない」と思える達成感と、
誰が何と言おうと自分の作品を客観的に見て「酷い」と評価できる
冷静な目があったから。


田村正和クラスになると、周りはほぼイエスマン。作品を見て、た
とえ、???と思ったとしても誰もそれを具申しない。いや、でき
ない。それどころかたとえ、陰で「あの人も衰えたな…」と陰口を
言っていたとしても本人の前では「さすが田村さんですね」「まだ
まだいけますよ」と口先だけの賛美を口にする人も多いだろう。


恐らく、自分自身の衰えは(本当は)自分が一番良く分かっている。
でもわかるからこそ、周りからの「さすがですね」「まだまだいけ
ます」にすがりたい。それぐらい、以前ほどのパフォーマンスが発
揮できない。以前ほどの輝きがない自分を認め、受け入れるのは容
易ではない。


だからこそ、周りに踊らされることのない冷静な自己認識がすごい


そこに「自分の引き際は自分が決める」というプロと
しての覚悟を感じる。これこそがプロのプライドだと私は思う。


ちょっと話がそれるが、


昔アイドルだったタレントがバラエティ番組に出ているのを見ると
複雑な気持ちになる。相応に年齢を重ね、それなりの演技力を身に
つけて女優として活躍している人もいるが、当時の面影が全くなく
なってしまった容姿でガハハ笑いをしている姿を見ると目を覆いた
くなる。


人はいやでも毎年歳をとる。年をとれば容姿に変化が生じるのは当
たり前。アイドルはつくられた虚像であって、いつまでもそのつく
られた虚像を演じられないのも当たり前。それでも、尚そこにプラ
イドはないのかと感じてしまうのは私だけだろうか。


最近CMでコミカルな姿を披露している大地真央以前の彼女に
対して、ただ単に宝塚出身の女優としてしか認識しておらず、どち
らかと言うとお高く留まっているようであまり好きではなかった私。
でも、最近の大地真央は面白い。大好きになった。凛とした佇まい
で演じるコミカルな演技に彼女の自信と余裕を感じる。


それは、年齢を重ねても衰えない容姿(おそらく、その容姿を維持
するために見えない努力をしているのだろう)と女優として活躍で
きる主戦場がしっかりあるという確固たる自信。その自信からくる
余裕がコミカルな役にも悲壮感を感じさせることなく、むしろ清々
しくかっこいいと思わせるのだろう。


そう、コミカルな設定の仕事(=これしかない)しかないのではな
く、あれもこれもできる中でコミカルな仕事も受ける。シリアスな
役もできるからこそコミカルな演技を真剣に、全力で行うことがで
き、その姿に共感できるのだろう。

 

あんたっ、そこに愛はあるんかぁ~ chu

↑最高です。


私の仕事も同じ。私にも定年はない。だからこそ自分の引き際をし
っかり見極めていく必要がある。現在ではなく今後の会社運営を見
極め、冷静な目で自分を認識し、何ができるのか?何をすべきか?
を考えていきたい。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿