今回は、中村がお伝えします。
先日あるメーカーでの会話。
この企業は今のところ女子学生を採用する気はない。内定者研修の報告に行った際、会話の流れで、
「一度聞いてみたかったんですけど、なぜ女性を採用しないんですか?」と話をふってみた。
※下記⇒は中村の心の中の声
営業部長「いやっ、採らないという訳ではないんですよ。女性が優秀なのはわかってま
す。ゆくゆくはバリバリ営業ができる女性を採用したい気持ちはあるんですけ
どね・・・」
⇒はいはい・・・
役員 「中村さんみたいな営業がきたら、僕みたいな担当者は緊張して言いなりに
なってしまいそうやなぁ・・・はっはっは」
⇒はいはい・・・
社長 「優秀な女性秘書がいたら仕事の効率が上がりそうですね・・・」
⇒はいはい・・・
という盛り上がらない会話がしばし続く・・・。ここまではたてまえの話し
しばらくして、役員がおもむろにこう切り出した。
役員 「まっ、て言うかね中村さん。私正直女性って苦手なんですよ。女嫌いという
わけじゃないんですよ(⇒わかってますって)たとえばウチに出入りしてる通信機
器営業の女性。まぁ~融通ききませんわ!自社の都合は押し付けてくるくせ
に、こっちの要望は『なんとか頑張ってみます』という姿勢なく『できません』と
ピシャリ。交渉の余地あらへん」
ここから、一気に会話が盛り上がった。本音トークは盛り上がる・・・。ガールズトークと同じです。
社長 「そうそう、女性社員とは会話が続かん。ファッションやグルメ、など自分が関
心のあること以外の知識がないから話してても面白ない。スポーツ、経済、
政治、歴史など一般常識的な会話についてこないし、そもそもついてくる気も
ない。それに比べると(男は)努力して会話についてこようとするからこっちも
なんとかしてやろうと思う」
ここまでくるともう止まらない。
「感情が表情に出るから気をつかう」「セクハラだと思われるから余計なことは言えない」「結婚や出産ですぐにやめるからあてにならん」「親しく話しているとよからぬ疑いをかけられからしゃべにくい」「(仕事以外のことで気をつかわないといけないので)面倒くさい」など 出るわ出るわ・・・。
最終的には、女性とは同士になれない = 仕事をする仲間として考えにくい
という結論に至った。「面倒くさい」「同士にはなれない」というフレーズはちょっと堪える・・・。
もちろん、個人差は大きい。勘違いもある。使う側の器の問題も大いにある。でも、悲しいかなこんなふうに感じている社長、女性を敬遠している会社がまだまだある。これ現実!
だからと言って、怒っても仕方ない。卑下しても意味がない。
(誤解も含めて)女性特有の気質、志向、雰囲気、考え方、行動傾向・・・。これらをしっかり受け止めて、弱みでなく「強み」として表現できれば「女性らしさ」につながる。
たとえば、上記の女性営業の例。女性は一般的にお金やルールにはシビアなところがある。ただ、それを「融通がきかん=NG」と受け止められ嫌われたら「だから女は・・・(あかん)」。「値引きなく仕事をとってくる=OK」となれば「女性の営業は優秀だ!」と評価される。
同じ性分でも、それが好意的に受け止められるか?否か?で結末は正反対。
ハッピィエンドを迎えるためのポイントは2点。
①自分ではなく「相手」視点で考えているか
②「しゃぁないなぁ、言うこと聞いたろか」と思わせる「可愛げ」があるか
仕事も就職活動も「人(=相手)をその気にさせる」ことが求められる。相手が「人」である以上、自分のことを考えてくれ、気持ちよくその気にさせてくれる人間が嫌いなはずがない。ただ、この「相手視点」「可愛げ」の表現を誤ると、「主体性がない」「女を出すな」と思われる
たかがこれだけ、されどこれを実践するのは意外と難しい。
このコーナーで紹介しようと思っている人材紹介会社の社長。押しが強くバリバリのキャリアウーマン。でも、彼女からの書類はこんな女らしい封筒で送られてくる。これも彼女の「可愛げ」の一つの表現方法
次回は1月20日に更新します。お楽しみに