女を捨てず・女に甘えず・らしさを活かす

女性スタッフがビジネス社会で実際に体験したことを中心に「見たこと」「聞いたこと」「感じたこと」をありのままお伝えします。

研修屋でなく教育者でありたい

2010-05-20 | インポート

 「中村さんどんな仕事してるんですか?」と聞かれることがある。久しぶりに学生時代の友人に会ったり、苦手な異業種交流会や研究会で名刺交換した際には必ずと言っていいほど聞かれる。

「中小企業さんに採用した人材の教育、人が育ちやすい環境を作るためのお手伝いをしている」と返答すると、ほとんどのケースで、

「ああ~っ!講師ね

という反応。「まあっ・・・、そんな感じの仕事かなっ・・・」と返答するが、ちょっと複雑な気分になる。

仕事で講師として研修をすることも多いのは事実。でも、私の仕事=『研修をすること』なんだろうか?

ある会社で一般職(女性)社員のマナー研修を担当することになった。話しを聞いてみると、

○彼女達のマナーが特別悪いわけではない(が、よくもない)

○今までも外部講師による研修や公開セミナーへの派遣を行っていた

○が、彼女達のその後の社内での意識やマナーが変わったとは思えない

○また、ベテランである彼女達に毅然と指導できる管理職もいない(言わない、言えない、言わせない 状態)

というのが現状。ここで私の仕事=「研修」であれば、6時間というマナー研修をそつなくこなすのがゴール。でも、違う。私の仕事は「彼女たちが社内のマナー向上の当事者としての意識を持つこと。さらには、マナー=女性社員ではなく、社内全体で取り組んでいくための管理職の意識向上も含めた仕組みをつくること」を通じて社内のマナーアップという成果を出すこと。これは最終ゴールなので、限られた予算の中でこれを実現することは困難。でも、与えられた環境の中で最終ゴールの実現に向けて最高のパフォーマンスを発揮することが私の仕事。研修は単なるツール・手段だ。

 マナー研修をすることが仕事=「研修屋」ではなく、マナー研修という機会を利用して社員の意識や態度をあるべき方向に導く「教育者」でありたい。と強く思う。