数社でボツになった漫画シナリオ

超美少年の愛(性同一性障害)は修一に恋していたが、ある切っ掛けを機に超美少女に変身して修一と・・・。

愛がイク(138)  新しいスクーター

2018-09-20 15:49:21 | 漫画のシナリオ
(138)新しいスクーター

四百字詰原稿用紙換算9枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ち上がるように書いてあります。季節は常に真夏である。

登場人物

北条愛(17)
   170㎝。主人公。性同一性障害の美少年だったが3話目から美少女に変身する。エミと担任の優子の2人と深い関係。愛用の香水はシャネル№5。

愛の父(50)
   穏やかな顔の紳士。銀行の頭取。

当たり屋のじじい(75)
さもしさが顔に滲み出て、いかにも一癖ありそうな顔

その他、不気味げなじじいの仲間大勢

N=ナレーション



   修一宅をベランダ側から描いた絵に、
N 『京子の件がいともあっさり解決した翌日――』

   同、室内

   机上のJBLのFLIP4スピーカーから♪が流れてる絵のアップに声、
  「このスピーカー、小さいのにいい音が出るね」

  「小さい割に高音がよお伸びて、場所も取らんし、超気に入っちょるんよ」

愛 「修ちゃんは物が目につかないガランとした部屋が理想だもんね」とスピーカーを手に持って興味深げに見てる愛に、修一が不安げな顔で、
修一「・・・で、話って?」(今度こそ別れを切れ出されるんじゃなかろうか・・・)

注、愛の服装はノースリーブに超短パン。

   ため息をついてベッドにドスン(音は表現しない)と腰をおろし、
愛 「実はパパがねー・・・」

《愛の回想》
   スーツ姿の愛の父が住宅街をゆっくり運転してるのを車内後部からの視点で描いた絵にN『愛の父。50歳。銀行の頭取』

   当たり屋のじじいが電柱の影からヨロッと出てきたのを見て、
父 (おっ、悪い予感。ひょっとしたら・・・)

   そのじじいが車の3m前でわざとらしく倒れたのを見て、
父(やれやれ、恥ずかしげもなくよくやるもんだ・・・)と呆れて呟く。

   こっちにやって来るじじいに、
父 「お怪我はなかったですか?」

   首を伸ばして運転席に顔を突っ込まんばかりにして、
じじい「あんた、もっと慎重に運転してくれな、転んであっちこっち打ってしもたやないか」

   平然と、
父 「以後気をつけますので、貴方も年を考え無理をなさらぬように」と言って発進しかける。
  
   動き出した運転席のドアに掴まり、
じじい「おっと、人をこかしといて、何の誠意も見せんと行きはるんでっか?」

じじい「年寄りは今はなんとものうても後からあっちこっち痛むもんでっせ」

父 「そんな見え透いた言い掛かりはやめてもらえませんか」と車を発進させる。

父 「まったく不愉快な」と走り去る車をじじいがずっと凝視してる絵に愛の声、
  「と言う訳でハネてもいないお爺さんの当たり屋に因縁をつけられて困ってるの・・・」
《回想終わり》

   殺風景なほど整頓された室内の絵に愛の声、
  「教えてもいないのにどうやって家を探したのか・・・」

愛 「次の日から毎晩パパの帰宅時を狙いすまして家にきて、無言で玄関に居座り続けるの」

   部屋の部分的な絵に愛の声、
  「お爺さんはこんな事に手馴れてるみたいで・・・」

   愛の短パンの股間部に下着がチラッと見えてるのを艶かしく描いた絵に声、
  「転んで身体のあちこちが痛いという以外、一言も脅し文句は言わないのよ」

   愛の胸のアップに声、
  「パパは意地でもお金を払う気はないけど・・・」

   心配そうに、
愛 「もう1ヶ月も無言の圧力をかけられ続けてさすがに神経がまいってきたみたいなの」

愛 「このままこんなのを続けられたら、きっとパパは病気になっちゃう・・・」

   天井或いは室内の絵に声、
  「修ちゃんに迷惑かけたくなかったけど、もうだめ・・・」

   哀願するように、
愛 「修ちゃん助けて」

   修一、あ然。

修一「(呆れ)散々心配したのにそんな事ー?!」

愛 「え、どんな話だと思ったの?」

   お茶目な表情で、
修一「もしや愛が妊娠したんじゃなかろうかと?」

   頬を染めて照れ、
愛 「いゃん、修ちゃんたら~」

   机上のスピーカーから♪が流れてる絵。

   愛をベッドに仰向けにさせてキスしてる絵にN『安心したら猛烈に勃起したーー』

   ノースリーブをまくり上げて右の乳房を揉みながら左の乳房にむさぼりつき、
修一「なんで愛の胸はこんないい匂いがするんかのう・・・」

   興奮で上気した目で修一を見つめ、
愛 「したかった?」

   愛の短パンを脱がせながら、
修一「1秒でも早く愛の中に入れたい」

   床に脱ぎ散らかした二人の服の絵に愛の喘ぎ声、
  「んうう・・・修ちゃん、気持ちいいよ~」

   修一宅をベランダ側から描いた絵。

   整然と片付いたキッチンの絵。

   天井の絵に声、
  「さて、今からクソじじいをぶっ殺しにいくぞ」

  「ぶっ殺さなくても、うちに来ないようにしてくれるだけでいいんだけど・・・」

   ベッドの横のゴミ入れに事後処理したティッシュが丸まってる絵。

   部屋を出て外の通路を歩く修一の後ろ姿を眺め、
愛 (やっぱ修ちゃんには息を吐くぐらい簡単な事なんだ)

   外通路の上部の絵に愛の呟き、
  (家じゃ全員ウツになるほど大変だったのに・・・)

   愛が修一に腕を組んで頭を彼の肩に寄せるのを後ろから描いた絵に、
愛 (最初から修ちゃんに相談すればよかった・・・)

○駐輪場

   駐輪場の屋根部或いは上辺の絵に会話、
  「あれ?バイクが超ド派手なのに代わってる・・・」

  「二か月前に買ったんじゃが石川君に改造してもらうのに時間がかかって、昨日やっと戻ってきたんだ」

   イタリア製三輪バイク。アディバの「AD1 200」の前に立ち、
修一「結構車重があって停止時に立ちゴケせんよう自立するようにしてもらったんよ」

愛 「もういじりようがないほど完成度が高いのにどこを改造したの?」

修一「昨日、石川君に説明されたが機能満載すぎて実は俺もまだよく理解できちょらんのよね」

   修一が後部トランクをパカッと開けるとシールドつきジェットヘルが二個入っていて、あまりの大容量に驚き、
愛 「でかっ」

修一「二泊分位の荷物なら余裕で積めそうだな」

   トランクから二つのメットを取り出しながら、
修一「この専用のメットを被って命令しないとこいつは動かせないんだ」

愛 「へー、まるでロボットを操縦するみたいだね」

   二人ともメットを被り、
修一「あー、あー、聞こえますかー?」

愛 「(驚き)わっ、メット同士で会話できるんだ」

修一「音楽も聴けるらしい」

修一「ミュージック」と言うとメット内の耳部から『曲名をリクエストして下さい』と音声が聞こえ、愛が「おー、メットがしゃべった」と驚く。

修一「運転の邪魔にならず心地よく聞き流せるパーシーフェイスの『夏の日の恋』」

   愛のメットの耳部に『承知しました』と声が聞こえ、
愛 「ねえ、この声、なんかたどたどしいし聞き覚えがある気がするんだけど・・・」

修一「ビョンセに声の出演を頼んだらしい」

   驚愕し、
愛 「ビ、ビョンセの声なの!?」

      つづく
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