インディペンデント(アラビア語版)によると、
ロシア政府のイスラエル政府に対する姿勢が厳しくなった。
これまでロシアはロシア人がターゲットにならないかぎりイスラエルによるシリア攻撃を黙認するという姿勢だったが、
この報道が事実なら、その姿勢が変化したようだ。
8月にはシリアに対するイスラエルの攻撃を3度止めさせたという。
さらに、イスラエル軍機が領空を侵犯した場合、戦闘機や防空システムのS-400で撃墜するとプーチンはロシア訪問中のネタニヤフに通告したとも伝えられている。
ロシアがイスラエルとの戦闘を避けてきた理由のひとつはイスラエルにアメリカ軍の秘密基地があり、
同国が兵器庫として機能しているためだとも言われている。
イスラエルとの戦争に発展することは避けたいだろうが、侵略には反撃するという意思を示したのだろう。
イスラエルの支配地域をイラク、シリア、イラン、レバノン、エジプトに広げると公言している活動家もいるのだ。 ジャボチンスキーは「ユダヤ人の国」の建設を公言していたが、その構想は19世紀に描かれている。
その構想を実現するために多額の資金を提供した富豪がいるのだが、そのひとりがエドモンド・ジェームズ・ド・ロスチャイルド。
テル・アビブを中心にパレスチナの土地を買い上げ、ユダヤ人入植者へ資金を提供している。
この富豪はフランス人だが、イギリスにも同調者はいた。例えば、同じ一族のライオネル・ド・ロスチャイルドだ。
ヒラリー・クリントンを担いでいたネオコンの背景は本流、ドナルド・トランプの背景は傍流と言えるだろう。
ジャボチンスキー派は1970年代にアメリカのキリスト教系カルトと手を組んで影響力が増大、イスラエルでも主導権を握ってリクードが労働党を押さえ込むようになる。
21世紀に入ってその構造に変化が生じるが、その一因はロシアからオリガルヒが逃げ込んできたことにあるだろう。
言うまでもなくオリガルヒとはボリス・エリツィン時代に西側の巨大資本やクレムリンの腐敗勢力の手先になって巨万の富を築いた人びと。
」つまりシオニストの本流に近い。
シオニストの本流は19世紀にイギリスで作られた長期戦略に従って動いているように見える。
ユーラシア大陸の周辺地域を支配し、内陸部を締め上げ、最終的にはロシアを制圧して世界の覇者になるというプランだ。
19世紀の半ばからイギリスは中国(清)の制圧に乗り出す。
そのために引き起こされたのが1840年から42年までのアヘン戦争や56年から60年までの第2次アヘン戦争だ。
イギリスが薩摩や長州を支援、その薩長を中心とする明治体制が琉球、台湾、朝鮮、そして中国を侵略していく。
その流れが止まるのは日本軍がソ連軍に惨敗した1939年のノモンハン事件だ。
ロシアの属国化が崩れる。ウラジミル・プーチンを中心とする勢力がロシアを再独立させたのだ。
それ以降、ネオコンはプーチン体制を破壊しようと必死だ。
バラク・オバマ政権がロシアとの関係を悪化させ、ヒラリー・クリントンがロシアを恫喝、その後の反ロシア工作(ロシアゲート)につながる。
こうした中、プーチンはネタニヤフに寛大な姿勢を示してきた。ネオコンを牽制するためだろうが、アメリカの影響力が急速に弱まっていることもあり、ロシア政府の姿勢が変化してきたのだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201909150000/