私の田舎では、集落の田植え仕事が終盤の6月に入ると、奥山の笹の若葉の
出揃い頃を見計らって、母と一緒に笹巻に使う笹の葉を採りに行ったものです。
昔は、田植えが終わった節目に「泥落とし」の、笹巻(団子)を食べました。
今とは違い、集落では田植えの手代り(田植仕事を手伝い合う)の助け合いの
習慣があって、今日で田植えも終わる日の休憩時には、縁側に大勢手伝いの
おばさん達が腰掛けて、おしゃべりをしながら「笹巻」でお茶事がされていました。
笹には良い香りに加え殺菌力があるとかで、当時は冷蔵庫などまだ無かった時
代、笹巻をたくさん作って涼しい所で日持ちをさせ、子供がおやつ代わりに喜ん
で食べていたものです。
また、月遅れの端午の節句に欠かせないものでもありました。
随分前、孫の保育園の「笹巻作り」の行事に参加した折、若い保母さん達には
笹巻の経験がなくて、包み方が分からないことから、頼まれてにわか講師?を
やったこともありました。
笹の巻き方はこの形が正統だと信じていましたが、元々、地域に根差してこその
食文化というもの、日本全国、津々浦々包み方も千差万別の様です。
今日は、久し振りに巻き方(正統派の?)を思い出しながら巻いて見ました。
一家で役割分担して作る「笹巻」、是非とも継承してゆきたい「古き良き」食文化
です。
~今日も良い一日を~