タカちゃんの絵日記

何気ない日々の感動を、スケッチと好きな音楽と、そして野鳥写真を。。。

「霞立つ 永き春日に 子供らと 手毬つきつつ この日暮らしつ 」  ~良寛~

2012-09-28 | 静物

初めは、小さな球体に糸を幾重にも幾重にも巻き重ね、頭に描いたイメージ通り

に一針一針、針を打ち綺麗な絹糸で刺繍を仕上げていく。

 103歳まで生き抜いた母、その母が作った大きな「手毬」です。

若くして夫(父)に先立たれ、九人の子供を育て上げた、明治生まれの寡黙で芯

の強い女性でした。

若い頃から手先が器用で、誰習うこともなく生活の必要性から、洋裁、和裁、編

み物、刺繍等手芸全般が、得意だったような気がします。

この飾り「手毬」は、100歳前後の頃に作ったのではないかと思いますが、形見

分けの品の中から、私の気に入った手毬と色紙を貰って来て、以後、床の間に

飾っています。

思うに・・・多分、母は最初は誰かに一通り作り方を習い、あとは本を買って、色

合いや模様などを、自分で工夫しながら作ったのでしょう。

この手毬、派手さには欠けさすが、終生控え目だった母の性格が表れている様

で結構好きです。

九十歳を過ぎても、常に何か目標を持ち、病気知らずの健康そのもので生き抜

いた母、ひたすら生き抜いた母の偉大さをつくずく思うこの頃です。

人は生き抜くこと、それ自体に大きな意義がある、と手毬は教えてくれます!

          ~今日も良い一日であります様に~