一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

八冠ロード

2023-06-10 23:05:43 | 将棋雑記
藤井聡太竜王が名人を獲得し、七冠になった。
こうなると、最後の期待は「夢の八冠」である。しかしその道のりはまだ長い。現在激闘中の第94期棋聖戦、7月から始まる第64期王位戦で防衛し、第71期王座戦の挑戦者決定トーナメントで挑戦者にならなければならない。
とはいえ材料は明るいものばかりだ。棋聖戦と王位戦は、どちらも佐々木大地七段の挑戦を受けている。つまり、研究対象がひとりで済むのだ。これは大幅に時間が節約できるのではないか。
棋聖戦は藤井棋聖が先勝したから、残り2勝2敗で防衛だ。王位戦も、4勝3敗でいい(当たり前だが)。藤井竜王・名人の通算勝率は.836。それよりはるかに低い勝率でいいのだから、ラクといえばラクだ。
残るは王座戦だが、ここにも好都合がある。すなわち、竜王と名人である藤井竜王・名人は、竜王ランキング戦とA級順位戦を戦わなくていいのだ。あのつらく、苦しい予選を指さなくてよい。これぞ、タイトルホルダーの特権である。
むろん、実戦をこなすことがトレーニングになるのだが、棋聖戦と王位戦、それにNHK杯などがあるから、実戦不足にはなるまい。
さて王座戦は、藤井竜王・名人が1回戦を勝ったので、残り3勝である。
2回戦は村田顕弘六段、準決勝は羽生善治九段VS斎藤明日斗五段の勝者、そして挑戦者決定戦は、渡辺明九段VS石井健太郎六段と豊島将之九段VS斎藤慎太郎八段の勝者と対戦する。
ただ王座戦は、挑戦者になるまで1敗もできない。ちなみに八大タイトル戦の中で、挑戦まで全勝が要求されるのは、王座戦と叡王戦、棋聖戦だ。
ではここで、各棋士との対戦成績を見てみよう。

【2回戦】村田六段3-0
【準決勝】羽生九段11-3、斎藤明五段2-0
【挑戦者決定戦】渡辺九段20-4、石井六段(初)、豊島九段21-11、斎藤慎八段6-3

いずれも圧倒的な成績だが、豊島九段と斎藤八段は健闘しているほうだろう。
豊島九段は、藤井竜王・名人にいきなり6連勝、斎藤八段も2連勝した。
しかしそこから藤井竜王・名人の反攻が凄まじく、現在は両者ともにほぼダブルスコアまで引き離されている。
だが前述のように、王座戦は全勝が要求される。しかし上記のうち4名は、藤井竜王・名人に勝ったことがあり、その目が次の対局で出る可能性もあるわけだ。
先の王将戦で激闘を演じた羽生九段、対藤井戦1勝2敗ペースの、豊島九段か斎藤八段が出てくると、相当面白い取り組みになる。
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2 コメント

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近そうで遠い (将子)
2023-06-12 00:13:47
 棋戦のことがわからないと、七冠取れたなら八冠はもうすぐかと思っちゃいそうですが、王座戦は挑戦者になるまで一敗もできないので藤井七冠でも厳しいですよね〜。しかも、タイトルを防衛しながらですからね。
 羽生先生、豊島先生、斉藤慎太郎先生との対戦は一公さんのおっしゃる通り、面白くなりそうです!
 
 藤井八冠、いつかは見てみたいですが、前人未到(八冠になったのは2015年?)なのだから急がなくても良さそうですし、他棋士の八冠阻止の方が将棋界が盛り上がりますよね。
 
 追伸:先日の間違いコメントの消去、ありがとうございます。
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八冠 (一公)
2023-06-12 22:53:46
>将子さん
七冠から八冠を目指すのは、棋聖と王位を防衛することを考えると、実際は五冠?みたいなものですね。
私は簡単に達成してもらいたくはありませんが、藤井先生本人は、チャンスがあるうちに獲っておきたいでしょう。
ちなみに叡王戦は、第2期までが一般棋戦で、2017年の第3期から、タイトル戦になりました。
とりあえずは、王座戦トーナメントですね。
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