一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

逡巡の沖縄旅行2015・3「贅沢な旅」

2015-08-19 01:09:02 | 旅行記・沖縄編
(17日のつづき)
食後は海に泳ぎに行く。これが鳩間島のもうひとつの楽しみである。氷ペットボトルがないので、ポケットに720円を入れた。
まず中森灯台に寄る。先客がいたが、数年前には考えられなかった。
灯台脇の展望台に登り海を眺めていると、下から新たな客が来た。入れ替わるように降り、海岸に向かう。私のイチオシは「立原(たちばる)の浜」で、周囲4キロ・円形の鳩間島の「6時」をやいま港とすると、「11時」の位置にそれはある。
小銭は用意したが、よく考えたらここから先、飲料の自動販売機はなかったのだ。というか、島の上半分は人工建造物がほぼない。
辺りは緑の濃い草木が生い茂り、琉球国の原風景と思わせる。喉が渇いたが、海に入るまでの我慢だ。
立原の浜に着いた。さっき娘さんが「今日は大干潮」と言っていたが確かにそうで、かなり岩場が見えている。
沖には先客が10人近くいて、これも数年前では考えられなかったことだ。現在は石垣島からの上陸ツアーもあるから、その類かもしれない。プライベートビーチではなくなったが、私にはバディがいないので、このくらい人がいたほうがよい。
水中マスクにシュノーケル、Tシャツに海パン、クロックスが私の正装だ。クロックスが地味な好手で、以前はビーチサンダルを使っていたが、黒島・仲本海岸でサカナに爪を食いちぎられたことがある。トング(鼻緒)が外れたこともあり、すべての不安を解消するのにクロックスが最適なのである。なお外見に拘らなければ、これに軍手をはめれば完璧である。
潮が引いているので、沖までが長い。沖に着いてもあっちこっちにサンゴが生えているので、砂場を見つけるのが大変だ。
海につかれば冷たい気もしたが、慣れれば海中のほうが温かくなる。だんだん水位が深くなり、サンゴの山が切れると、パァーッと視界が開けた。これがおじいの言っていた「水族館」で、断崖となったサンゴ礁の壁に沿って、カラフルな魚が泳いでいる。
初見ほどの感激はないけれど、この景色を見るために私は羽田→那覇→石垣→鳩間とはるばるやってきたのである。
とはいえ、単独の水中散歩は気を付けたほうがよい。現在は足の付かないところにいるけれど、数メートル先に足場があるのを確認している。もっと奥に行けばさらに絶景はあるのだろうが、絶対に無理はしない。何かあって溺れたら、誰も助けてくれないのだ。用心し過ぎるに越したことはない。
沖の彼方に中型船が停泊している。そこ一帯にシュノーケリングの団体がいるのだろう。だが私には、この景色で十分である。
浜に上がって少し休み、また海に入る。先客は徐々に減ってきた。潮は徐々に満ち、泳ぎやすくなってきた。ただ、水中マスクの装着がうまくいかず、海水がゴーグルに浸水してくる。そのたびに泳ぎが中断され、ストレスが溜まった。
波にたゆたい、サンゴと魚を愛でる。それだけのことだが、体力は使うようだ。遊泳者はほかに1人いるだけだ。水中メガネの調子は戻らず、海をかくのに疲れを感じるようになったので、上がることにした。時に午後4時30分。3時間以上も立原の海を満喫したのだから、よしとすべきだろう。
宿に戻ってシャワーを浴びる。その後にランドリーで洗濯をした(100円)。夏場は衣服がムレるので、可能ならこまめに洗濯をしたほうがよい。
夕食まで時間があるが、のんびりはできない。私はこの後宮古島へ行くつもりだが、その後の那覇も含めて、飛行機を決めなければならない。
ANAの宮古便は14時05分発の1本しかない。これは席が空いていて株主優待券も使えるが、時間がいかにも中途半端だ。
JTA(RAC・琉球エアコミューター)は1日2本で、14時40分発と18時40分発。昼便は特便割引があるが、夕方便はその類がない。有効に観光するなら夕方便だが、私はJAL(JTA)の株主ではないので普通料金で乗ることになるが、13,900円はちょっと出せない額である。
問題はその後で、宮古→那覇便の空きがないのだ。いやJTAにあるにはあるが、普通料金20,900円は出せない。
那覇から石垣まで10,300円で来られたのに、帰りは那覇まで34,800円!? まずい。いかにもまずい。宮古島での宿泊日数を含め、まだまだ検討の余地がある。しかし猶予はない。
7時より夕食。私は昼と同じ席だが、向かいには同室の中年が座った。養老孟司を一回り若くしたような彼は大会社の重役の雰囲気もあり、実際その可能性は高そうだ。まあ、確認はしないが。
夕食は、何とかいう肉厚な魚や石垣牛などが出され、美味かった。
食後も今後の行程を検討したが、埒が明かない。すでに辺りは暗くなっている。中年氏はどこかへ飲みに行ったが、満席で引き返してきた。それと入れ替わるように、私はひとりで、港に出向く。
船べりの傾斜路で仰向けになると、満天の星が輝いている。これも離島ならではの光景で、昼の海ともども、こんな贅沢な旅はない。
どこかで沖縄民謡が聴こえてくる。私はポケットからスマホを取り出し、お気に入りの音楽をかける。「天空の城ラピュタ・英語バージョン」「安里屋ゆんた」「檄!帝国華劇団」「太陽にほえろ!」等等等…。
ボリュームを目一杯上げても民家への騒音にはならないと思うが、かすかに音は聴こえると思う。つまり私選曲の音楽を聴かせているわけで、それだけにセンスのいい曲でなければならない。まあ、及第点だと思う。
視界の左に流れているのは、天の川だろうか。天体にもう少し興味があれば、もっと面白く眺められるのだが、もったいない。
と、間近でも声が聞えてきた。夜空を見に来た宿泊客であろう。しかし私がいる傾斜路が一等地である。何しろ程よい角度で横になれるのがいい。
私はスマホのボリュームを下げ、彼らにも音楽を聴かせた。やはり多少のBGMがあったほうがよい。
そのまま小1時間ほどいたが、宿の就寝時間が10時なので、そろそろ帰ることにした。
宿に戻ると我が部屋は真っ暗で、すでに中年氏は床に着いていた。これでは私も眠るしかないが…アレッ? パンツのポケットに、100円玉1枚しかない。夕方の洗濯の時、海パンからパンツへ、「500円玉1枚、100円玉1枚、10円玉2枚」を移しかえたのに、なぜこれだけしかないのだろう。
…どこかで落としたのか? あっ…港か!?
(つづく)
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