第8期叡王戦の挑戦手合いが11日から始まった。藤井聡太叡王に挑むのは菅井竜也八段。もはや居飛車党は藤井叡王に勝てない、と私は考えているので、菅井八段の挑戦はタイムリーだった。菅井八段の戦前の抱負も「最強の棋士を相手にこの数年間の悔しさをぶつける。最高の振り飛車と最高の居飛車の戦いにしたい」と頼もしい。両者の対戦成績も藤井叡王5勝、菅井八段3勝と、まあまあいい勝負。これは面白い五番勝負になると思った。
第1局は菅井八段の後手で、三間飛車に振った。後手の三間飛車はどうなのだろう。やや指しにくいと思うが、菅井八段は羽生善治王位から王位奪取を決めた将棋で、△3三金型+三間飛車を採用している。本局も、ふつうの戦いにはならないと思った。
菅井八段は9筋の歩を突き越されたが、早めの△7四歩は戦いの予感だ。
ところがそれからかなり経ってABEMAを見ると、相銀冠になっていた。藤井叡王が銀冠を指すのを初めて見たが、これなら昭和の将棋で、菅井八段も考えやすいだろう。
が、冷静に考えると、菅井八段の銀冠も見たことがない。それにこの展開だと先手の9筋の位の価値が大きくなっている。
たとえばお互い飛車を一段目に打って、持ち駒に金があったとする。それだけで菅井陣は、もう詰めろになっている。端歩の突いていない銀冠は、囲いの中で最も不安定ではなかろうか。
ABEMAのAIは藤井叡王にややポイントを入れたが、それはこの端歩の関係だったと思う。
だから菅井叡王は、この局面に落ち着く前に、ちょっかいを出すべきだったのではないか。そのための△7四歩ではなかったのか?
消費時間は藤井叡王が大きく消費しているが、これが終盤になると拮抗してくるから不思議だ。
シビレを切らした菅井八段は、たまらず9筋から反撃したが、それは藤井叡王も望むところである。的確に応接して、勝勢となった。
藤井叡王は1分将棋になっていたが、1分あれば間違えないだろうな、という安心感があった。どうも、1時間考えても1分考えても、藤井叡王の指し手は変わらない気さえする。
結局、147手まで藤井叡王の勝ち。手数はかかったが、菅井八段に楽しみのある局面はほとんどなかった。どうも、ヨソ行きの将棋を指してしまった感じで、やんちゃぶりが全然なかった。
かくして藤井叡王が防衛濃厚となったが、第2局に菅井八段が勝てば、まだ分からない。
反対に、藤井叡王が第2局も勝てば、「振り飛車もダメだったか」となる。
運命の第2局は23日。
第1局は菅井八段の後手で、三間飛車に振った。後手の三間飛車はどうなのだろう。やや指しにくいと思うが、菅井八段は羽生善治王位から王位奪取を決めた将棋で、△3三金型+三間飛車を採用している。本局も、ふつうの戦いにはならないと思った。
菅井八段は9筋の歩を突き越されたが、早めの△7四歩は戦いの予感だ。
ところがそれからかなり経ってABEMAを見ると、相銀冠になっていた。藤井叡王が銀冠を指すのを初めて見たが、これなら昭和の将棋で、菅井八段も考えやすいだろう。
が、冷静に考えると、菅井八段の銀冠も見たことがない。それにこの展開だと先手の9筋の位の価値が大きくなっている。
たとえばお互い飛車を一段目に打って、持ち駒に金があったとする。それだけで菅井陣は、もう詰めろになっている。端歩の突いていない銀冠は、囲いの中で最も不安定ではなかろうか。
ABEMAのAIは藤井叡王にややポイントを入れたが、それはこの端歩の関係だったと思う。
だから菅井叡王は、この局面に落ち着く前に、ちょっかいを出すべきだったのではないか。そのための△7四歩ではなかったのか?
消費時間は藤井叡王が大きく消費しているが、これが終盤になると拮抗してくるから不思議だ。
シビレを切らした菅井八段は、たまらず9筋から反撃したが、それは藤井叡王も望むところである。的確に応接して、勝勢となった。
藤井叡王は1分将棋になっていたが、1分あれば間違えないだろうな、という安心感があった。どうも、1時間考えても1分考えても、藤井叡王の指し手は変わらない気さえする。
結局、147手まで藤井叡王の勝ち。手数はかかったが、菅井八段に楽しみのある局面はほとんどなかった。どうも、ヨソ行きの将棋を指してしまった感じで、やんちゃぶりが全然なかった。
かくして藤井叡王が防衛濃厚となったが、第2局に菅井八段が勝てば、まだ分からない。
反対に、藤井叡王が第2局も勝てば、「振り飛車もダメだったか」となる。
運命の第2局は23日。
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