一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

佐々木大地七段、王位戦も挑戦!!

2023-05-21 20:10:50 | 男性棋戦
伊藤園お~いお茶杯第64期王位戦(主催:新聞三社連合、日本将棋連盟)は、佐々木大地七段の挑戦に決まった。佐々木七段は先の棋聖戦に続いて連続挑戦。快記録といえよう。
ここでちょっと時間を戻し、挑戦者決定リーグの最終戦から振り返ってみよう。
紅組はリーグ前期残留者の豊島将之九段と羽生善治九段が3勝1敗で並び、最終戦は直接対決だった。これは分かりやすい構図だ。
結果は羽生九段が勝ち、挑戦者決定戦に駒を進めた。これ、去年なら羽生九段も不調だったし、豊島九段ノリだった。だが今年羽生九段は王将戦のタイトルマッチに登場し、、好調を維持していた。羽生九段への勝利期待も、全盛時に近かった。そして実際に勝ったのが偉かった。
いっぽう白組は佐々木七段が4勝0敗。最終戦は池永天志五段で、勝てば挑戦者決定戦へ。負けたら、渡辺明名人が勝った場合のみ、両者でプレーオフを行う。
ちなみに女流王位戦で同じケースになった場合、直接対決の結果が優先される。
さてプレーオフ云々は杞憂で、佐々木七段が勝ち、羽生九段との決戦になった。
これがまた、当ブログにとっては夢のような組み合わせで、まあどちらが勝ってもよい。羽生九段は前述のように王将戦で藤井聡太王将と激闘を演じたし、佐々木七段も前述のように棋聖挑戦を決めたばかりだからだ。
ただどうであろう、私はやはり、藤井VS羽生戦のタイトルマッチをもう一度見たい。というか、何度でも見たい。実際そういう将棋ファンのほうが多かったのではないだろうか。
両者の対戦成績は、羽生九段3勝、佐々木七段1勝。この2勝差はなんでもない。
将棋は佐々木七段の先手で、相掛かりになった。
△7四飛に▲7七金は、タテ歩取りでよく見る定跡だ。以下も難しい戦いになったが、羽生九段が飛車角交換を果たし、敵陣に打ち込んだあたりは、後手が有利になったと思う。
しかしそこから佐々木七段が妙な粘りをする。玉の早逃げで安全地帯に移し、四段目の角を最大限に生かし、羽生九段に決め手を与えない。
佐々木七段、77手目に▲6四歩。羽生九段は△5二銀と引くしかないが、これは佐々木七段が気分的に優位に立ったと思う。
しかしその後羽生九段に二枚竜で迫られ、アマ同士の対局なら、8割方後手が勝つ。
しかし佐々木七段は頑張った。最後、じっと馬を引き後手玉を雁字搦めにしたところで、羽生九段が投了。冒頭のように、棋聖戦に続いて王位戦もタイトル挑戦を決めたのだった。
局後の談話では、佐々木七段は「羽生九段に読み筋にない手を指されたが、そんな手があるのかと楽しんで指せた」という意味のことを述べた。
NHK杯における羽生九段や谷川浩司十七世名人は、目がらんらんと輝いていたことがある。それは将棋を指していて楽しくてしょうがない、というふうだった。
今回の佐々木七段もそれに近い心境だったなら、勝利の女神も微笑みたくなるだろう。佐々木七段は勝つべくして勝ったのだ。
あらためて、順位戦C級2組所属の連続タイトル戦登場は、1992年の郷田真隆四段に続く快挙。棋聖戦では渡辺名人、永瀬拓矢王座と破ったし、王位戦でも渡辺名人に勝っていた。もはや羽生九段に勝っても、意外でもなんでもなかった。通算勝率7割越えは、ダテではなかったのである。
王位戦七番勝負は7月7日・8日。棋聖戦は第3局が7月3日、第4局が18日である。棋聖戦がストレート決着しなければ、同じ対局者によるまぜこぜの展開となる。そんな戦いを期待したい。
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