冷たい風のような火

メモ書きですが、それにしても何で公開の場で書くんでしょうね。

長沢背稜から雲取山、飛龍山の縦走 3

2018-05-06 21:38:46 | 旅行
4月28日から30日のGW前半、2泊3日の奥多摩~奥秩父縦走記録。最終日の3日目です。この日は雲取山の山頂直下にある避難小屋から飛龍山に縦走し、その後は山梨県の丹波山村に下山する予定です。途中、天平尾根というなだらかな広葉樹の自然林を通るので、新緑を楽しむつもりです。

4時50分の日の出ということでしたが、ご来光を拝んだらすぐに出発できるようにパッキングをしたり避難小屋の掃除をしたりしていたら、あっという間にその時間に。慌てて外に出て山頂へ。その途中で太陽が昇り始めました。危うくご来光を見逃すところだった。


空気が少し霞んでいるのか、完全に真ん丸ではない感じの太陽。でも、今季初のご来光です。手を合わせて安全祈願。


西側を見ると、この日登る予定の飛龍山。まだ雲取山など東にある山々の影になっているせいか、太陽が当たっていません。


飛龍山の奥には南アルプスの巨大な山々が見えています。甲斐駒ヶ岳、仙丈ケ岳。


そして北岳。間ノ岳も半分見えています。


荒川岳、赤石岳、聖岳。


大菩薩連山の向こうに富士山。


太陽は、前日歩いてきた長沢背稜の上に昇っていきます。




朝日に照らされる奥多摩の山々。


十分にご来光の時間を楽しんだら、5時を少し回ったくらいの時間。気温は7度ほど。飛龍山方面に出発です。




まずは、三条ダルミという鞍部まで大きく下ります。下るのは250mくらいかな。その分飛龍山に向けて登り返すことになるのが面倒ですけど。


思ったよりも急な道で、テント泊装備だとスリップしないように気を使いました。登りで使うのも楽ではないでしょうね。雲取山は、鴨沢からのコースが圧倒的に楽で、あとは三峯ルートも三条の湯ルートも普通にキツイと思います。
早朝の気持ちのよい空気の中、朝日でオレンジに輝く山々が樹間から見えています。


富士山も。


5時20分ごろに三条ダルミに到着。やはり下りは早い。


ここからも大菩薩連山の向こうに富士山が見えます。結構眺めのいいところですね。


この後は、あまり激しいアップダウンもなく、比較的歩きやすいよく踏まれた道が続きます。基本的に足元は笹原で、左右を見るとかなりの数の獣道ができています。鹿とか多いんでしょうね。




右側の笹原が開けて湿原のようになっている場所。




やはり動物が多いようで、足跡こそ確認できなかったものの糞や獣道は分かるし、そしてこの写真のように(鹿と思われる)動物の毛が落ちていたりします。


笹原と針葉樹の向こうに富士山が見える。


拡大。


富士山だけではなく、付近の山々を眺めるのもとても楽しい。なぜなら、新緑の山肌がとてもきれいだから。1日目にハナド岩から眺めた小川谷の景色は、広葉樹の自然林がとても美しかったです。それに勝るとも劣らないと思われるのが、雲取山と飛龍山に囲まれた後山川の谷です。この縦走路の樹間から眺められます。山深さを感じられる、とても豊かな森のイメージ。




しばらく行くと、このような補強された道に出ました。道の右側には紫色の花が咲いています。


コイワザクラです。1日目に見たヒゲネワチガイソウと同様、今回の山行で見られるといいなと思っていたお花です。結局ここでしか発見できませんでしたが、このポイントでは結構な数が群生しています。




サクラソウの仲間ということで、ハクサンコザクラなどと近い種類の花ですね。この手のお花はどれも可愛いですね。夏の始まりを告げる花のイメージ。






それにしても山深い感じで気持ちのよい景色が続く道だ。森林限界の下なので常に眺望があるわけではないですけどね。




三条の湯からの道が合流するチェックポイントである、北天のタルに着きました。初日に酉谷避難小屋で会ったベテランの方に、この後は少し道が厳しくなると聞いていたので、少し休憩して注意しながら歩行再開です。


途中に見える雲取山と奥多摩湖の方に延びる尾根。この尾根はなだらかですね。


雲取山拡大。正面の坂を下って三条ダルミを経て、今の位置まで歩いてきています。


谷を覗くと緑が美しい。


道自体は確かに少し荒れた感じになりますが、急坂という訳でもないのでほぼコースタイム通りに進むことができました。飛龍山直下の飛龍権現には8時10分に到着。


ここにザックをデポして空身で山頂に向かいます。山頂は樹木に覆われていて展望がなく、地味です。そのため、今回の山行でお会いした方は全員「一度行けば十分」とおっしゃっていました。確かに特徴のない道を20分ほど登って着いた山頂は地味。まあ、せっかく来たのでやはり山頂は踏んでおきたいものです。


山頂への道の途中でかろうじて雲取山が見られるところから撮った写真。これが展望の限界。


飛龍山は、山頂への道もそうですが、下山で使ったルートもシャクナゲが多かったと思います。時期が合えば、シャクナゲロードで登頂する価値ももう少し上がるのではないかと思いますが。
それはともかく、これも酉谷避難小屋でお会いしたベテランの方に教わったのですが、飛龍権現から5分も離れていないところにある禿岩が展望台として最高だということだったので、下山前に行ってみました。この禿岩、今回の山行でダントツナンバー1の大展望台でした。西は奥秩父主脈だけでなく八ヶ岳方面、その北には浅間山方面、南西には南アルプス、南面には大菩薩連山の向こうに富士山、そして東側には奥多摩の山々。もう全部。すごい眺望。そして、何よりも景色が綺麗。特に大菩薩連山と奥多摩の新緑が本当に美しい。取りあえずGoogleのサービスでパノラマ化された写真を先にあげ、それに続いていくつかの写真を載せておきます。


















南アルプスの名峰も、雲取山の山頂からよりもここからの方がよく見えます。






圧巻の景色で、30分ほど山頂で遊んでいました。大きなカメラで撮影していた人もいましたが、それも納得です。アルプスの岩々しい稜線の景色もいいですが、このような緑多い山の景色は落ち着きますね。
さて、名残惜しいところではありますが、あまり遅くならないうちに下山しないといけないので禿岩を後にします。まずは前飛龍というピークまで下りて、そこからはかなりの急坂を下ることになります。


前飛龍からの眺めもなかなか良くて、後山川の谷などの深い谷が緑を湛えています。






ここからの下りはかなり気を付けて行かないとスリップしそうな道です。


以降、ある程度斜度が緩くなるまで写真なし。かなりの急坂でやっかいな石も多い道でした。時間的には30分程度の道です。まあ、南アの農鳥岳から奈良田に下る時の大門沢の道に比べればまともだし短いので、そこまで疲れません。
難所を過ぎても、まだ標高が結構高いので針葉樹の森や新緑が芽吹いていない樹林帯がしばらく続きます。ミカサ尾根というところだと思いますが、それなりにアップダウンもあって歩き甲斐がありました。




コースタイムをよく確認していなかったために誤解していて、11時前にはチェックポイントのサオラ峠に着くと思って歩いていました。実際には、コースタイム通りなら11時15分くらいだったのですが、誤解のために、なかなか着かないなあと思っていました。

まあ、焦るというよりは周囲の景色を楽しむようにしていました。なぜなら、徐々に新緑が目立つようになっていたからです。


主役はやはりカエデやブナで、ミズナラなどはまだ裸のままでした。






気持ちのよい道。登りで使っても楽しいと思う。








実際のコースタイム通りに11時15分頃にサオラ峠に到着。祠があります。3日間の安全山行を感謝。


ここは、三条の湯方面への道、直接丹波山村につながる道、私が来た飛龍山へつながっている道、そしてこれから向かう丹波天平に連なる天平尾根への道が四方に延びています。丁度よい休憩ポイントでもあり、何人かの人が昼食を取っていました。


私も残りのパンを食べたりして少し休憩し、天平尾根へ向かいます。天平尾根はアップダウンのほとんどない歩きやすい道なので、新緑を楽しむお散歩ですね。










カラマツの新緑も多く見られます。と言うか、カラマツのとても大きな森があります。




丹波天平と呼ばれる、広く開けたところに出ました。ここだけは樹木がない草地。不思議だ。


そこから少し歩くと分岐に出ます。30分程度の新緑お散歩も終わりです。蝶が多く飛んでいたりして、メルヘン感漂う道でした。何人かのグループで丹波山村から登ってきて、天平尾根を通ってサオラ峠経由で三条の湯に宿泊するというハイキングプランは楽しいのではないでしょうか。


さて、いよいよここからは本格的に下山。しばらくは広葉樹の自然林の新緑を楽しむことができますが、徐々に杉や檜の植林帯になります。奥多摩の杉に比べ、丹波では檜が多かったように思いますが。


でも、自然林の中ではミズナラの新緑を見ることができました。ミズナラは標高の低いところでないとまだ葉が出ていないかったですね。


最後に大きなヤマツツジが登場。




ヤマツツジで締めというのはこの時期の山行の1つの典型的なパターンだと思う。もう少し時期が進むとタニウツギで終了というパターンが多い気がする。それはともかく、登山道は最後に小学校の敷地を通って終了です。地図には登山道の入り口が分かりにくいと書いてありましたが、確かにこの入り口を見つけるのは至難の業だ。私は下山してきたから自然と小学校に着いたけど。時間的には丁度午後1時でした。


その後は10分ほど歩いて丹波山村の温泉施設、のめこい湯へ。ここは、道の駅に併設されている感じで、温泉施設はつり橋で川を渡ったところにあります。


お湯自体は、露天風呂も室内も結構余裕のある広さだったし温度も丁度良く、なかなかよかったと思います。ただ、一般道から車の多い道の駅に入ってさらにそこから少し歩くので、大きい荷物をもって暑い中歩いていくのは結構大変でしたね。あと、この道の駅ではジビエの鹿肉を使ったハンバーガーやカレーなどのメニューが売りなんだけど、すべて売り切れていたのも残念でした。仕方ないので豚肉の角煮丼などを食して終わりました。
帰りは、3時45分ごろのバスで奥多摩駅へ。バスで約1時間かかるので、奥多摩駅から電車に乗って都心に着くのは7時過ぎになります。1時に下山というと余裕あるように聞こえますが、空間距離よりも時間距離的に結構遠いのです。丹波山村、あるいは飛龍山は。雲取山の1つ先の山なんですけどね。

さて、GWの山行は、予報通りのお天気に恵まれて目的を完全に達成できる充実したものになりました。このところの山行はずっとお天気に恵まれて安全に歩くことができているので、とてもありがたいです。神に感謝です。この調子で本格的な夏山シーズンも充実させたいと思います。


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