ICANまにらブログ~第二巻~

日本のNGOアイキャンまにら事務所の日記。

頻繁な立ち退き

2010年11月25日 | 路上の子どもたち
さえ@まにら

9月末、アイキャンの路上事業地の1つを含む地域で強制的な立ち退きが行われ、フィリピンのニュースでも大きく報道されました。

今回の立ち退きでは、住民の合意のないまま家が暴力的に壊されたため、反対する住民たちがバリケードを作り警察に向かって投石し、道路は封鎖、一時騒然とした状況になりました。この暴力的な立ち退きは大きな波紋を呼び、大統領は、平和的な立ち退きをするよう緊急に通知しました。ケソン市中心部をビジネス街にする計画のための立ち退きです。

その再定住地先として用意された場所は、マニラ中心地から1時間半ほどのリサール州モンタルバンです。ここモンタルバンは、政府がマニラからの移住者の受け入れ先として指定し、今までも多くの人たちが移り住んで来た場所です。しかし、この場所特有の懸念事項は、移住先として提供されている場所でありながら、去年の台風による洪水で大きな被害を受けたことです。住民たちは、移住させられた上に、洪水の被害を受けるという、散々な目に遭いました。そのため、この場所に移ることを躊躇する人も多くいます。


【モンタルバンの様子。奥のアルミの屋根すべて再定住者用の家】

6ヶ所あるアイキャンの路上の事業地のうち、今まで立ち退きが行われたのは、アイキャンが関わるようになったこの2年間で2ヶ所、それ以前に行われていた場所が2ヶ所、これからあるかもしれないという噂のある場所が1ヶ所あります。それだけ、マニラでは頻繁に立ち退きが行われているのです。路上の子どもにとって立ち退きは、さらに環境を悪化させる要因となります。再定住地先は往々にして山の中であるため、もちろん仕事はなく、元の場所に戻って仕事をします。しかし、そこには家はなく、線路沿い、橋の下、路上で生活をすることになるのです。お金が少し貯まれば、再定住地先に戻り、その他は元の場所で仕事をするという不安定な状況に置かれます。



いつも路上で働いているマリアンちゃん(仮名)のお家にお邪魔すると、似た顔の子どもたちが、たくさん飛び出して来ました。マリアンちゃんは、お父さんと元の場所で布巾を売っており、この時留守でしたが、弟や妹たちが迎えてくれました。こんな状況でも、子どもたちの笑顔が救いです。



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