ICANまにらブログ~第二巻~

日本のNGOアイキャンまにら事務所の日記。

洗車の仕事でサバイバル -ジェンサンキッズ

2008年06月25日 | ジェネラルサントスの子どもたち
ゆきよ@まにら。



【ブライアンくん】

ICANのジェンサン奨学生であるブライアンくん(仮名)は、高校4年生。これまで課題提出のための金銭的余裕がなく落第しそうになったこともありましたが、やっと来年3月に卒業予定です。彼の母親は家を出てしまい、現在父親と兄と暮らしています。ブライアンくんは、自分たちを捨てた母への怒りが今もぬぐいきれないでいます。

お父さんは大工ですが、収入はごく不安定。ブライアンくんは、毎日なんとか食べていくために、下校後に洗車の仕事をしています。1台洗車すると10ペソもらえます。彼は5台分つまり50ペソを稼いだら家に帰るのだそうです。50ペソでます米を半キロ買います。米の価格は高騰しており、半キロだけ買っても23ペソかかります。そして5ペソで、できあいのおかずを買います。残り22ペソ。蚊が多くて眠れないので、蚊取り線香を2つ買います。フィリピンではなんでもばら売りしているので、タバコも蚊取り線香も1つずつ買えるのです。蚊取り線香は1つが2ペソ、2つで4ペソ。あと残りの18ペソが、翌日の朝食のおかずと、自分のお弁当代になります。自分は登校しますが、家に残る父親の昼食のおかずのために、お金を渡すこともあります。

ICANではジェンサンキッズの学校経費や通学交通費などを負担していますが、生活費はそれぞれの保護者がみることになっています。しかし実際日々の食の糧も捻出できない保護者も少なくなく、子どもたち自身がこうして稼ぎ、生活のために闘っているケースも見られます。


【ワークショップで班ごとに発表しているブライアンくん】

先週末行われた高校生のジェンサンキッズ18人が参加したワークショップで、私たちは彼らの闘いを改めて実感しました。ICANはすべての子どもたちが闘わないでいいように「救う」ことはできません。しかし、闘う力を一緒に高めていけるように、これからも子どもたちの声に耳を傾けていきたいと思います。



【ワークショップ参加のICANジェンサンキッズの高校生たち】



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