26年間開かず放置したまま、では10万年はどうなのか・・・・・・

2017-06-10 19:10:52 | 日記

 26年間開かず放置したまま、では10万年はどうなのか・・・・・・

 

  「6日午前11時15分ごろ、茨城県大洗町の日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターで、保管中の核燃料物質の点検作業をしていた男性職員5人が被ばくするトラブルが発生した。負傷者はおらず、外部への放射性物質の漏えいはない」と言うのが第一報であった。引き続き次のニュースを見る。

  「原子力機構によると、核燃料に用いるプルトニウムやウランの酸化物が入った金属容器の点検作業中、容器を収めた外側のビニール製バッグが破裂し5人の手足や耳などに放射性物質が付着した。過去に、バッグの破裂事故はなかったと言い原子力機構が原因を調べている。5人はいずれも防護用マスクなどを着用していたが、3人の鼻腔(びくう)内から最大24ベクレルの放射性物質が検出された。微量の放射性物質を吸引したとみられる。原子力機構は『健康に影響を及ぼすレベルではない』と説明しており、内部被ばく量を詳しく測定する」。(66日)

  そして6月7日「作業員一人の肺から2万2000ベクレルのプルトニウム239が検出された。この50代男性が全身に取り込んだ総量は36万ベクレルと推定されることが8日にわかった。男性が入院している放射線医学総合研究所(千葉市)は排出を促す『キレート剤』を10日まで投与しながら残存量を調べ、観察する。2万2000ベクレルのプルトニウム239が検出されたということは、1年間で1.2シーベルト、50年間で12シーベルトの内部被ばくが見込まれるという。国内では例がない規模の内部被ばく事故となった」と報じた。

  さらに「貯蔵容器は1991年に封印されてから26年間、一度も開封されていなかった」と言う。しかも機構は「内部を確認する規定がなかった」と言い訳をしている。「放射能」の恐ろしさは今なお「未知の世界」にある。そうでなければ「高レベルの核物質」の貯蔵容器を26年にもわたり点検もしなければ、安全の確認もせずに放置するはずはない。「ずさん」であったという指摘がされている。「ずさん」あるいは省略行為はいつの時代にも、そしてあらゆる場面で生じる。しかしポンプ車が駆けつけて消火ができた。あるいは死傷者が発生したことは残念ではあるとしても「対象は限定」である。想定を超える大津波に襲われ家が流され死者も出た。しかしその対象も限定されるし、また時間の経過の中で修復もされる。

  寺田寅彦は著書「天災と国防」の中で次の言葉を記している。「文明が進むほど天災による損害の程度も累進する傾向があるという事実を、充分に自覚してそして平生からそれに対する防御策を講じなければならない」と述べている。高度な文明が「核」を生み、どうしようもない事態を招いている。それを「消す手だて」は今もなお見つかっていない。

  いずれは廃炉となる原発のゴミをどこにもっていくのか。確かな回答は出ていない。あるとすれば10万年の管理が必要ということだけである。僅か26年の管理の不徹底が「国内では例を見ない内部被ばく」を受けてしまった。では10万年の管理が100パーセントあり得るのか。「この地下に危険なものが埋蔵されている」という文字が通用するのか。「象形文字」と解されても不思議ではない「10万年」である。

 にもかかわらず、文明におかされた人間は「核を燃やし続け、危険なゴミ」を吐き出し続けようとしている。今回の残念な事件は大いなる警鐘として受け止めなければならない。今日は、事故後4日が経過した日である。被災者の容態はどうなのか。個人のプライバシーの問題はあるだろうが事実を知らせてほしいと願う。

 同時に「消せない日は燃やすな」そのことをあらためて福島から訴えたい。