医者通いもためらう年金生活者の「これから」

2013-07-23 14:11:47 | 日記
 安倍首相、あらためてお尋ねします。年金生活者にとって年収150万円増とは

この度の選挙期間中に先輩の家を訪れた。
外の気温は32度。そしてねっとりとした暑さの午後のひとときであり、差し出された冷たいシロップのおいしさは格別であった。お互い、戦中、戦後を経験したこともあり話題はどうしても「あの時は・・・・・・・・・」が中心となる。しかし、今回は違っていた。よほど腹がたっていたのであろう(もちろん私もそうだが)。私が座るや否や、安倍首相の発言である「10年間で年収150万円増」とは何事だと言う言葉が飛び出した。

「私の年金は年収で200万円だ。私が生きているかどうかはわからないが10年後は350万円になるというのか」と。さらに続く。「しかし実際はどうだ。今年の10月には年金改定の通知がある。12月の支給期から1.0%の減額が実施される。そして暫時減額改訂が実施され27年4月以降は2.5%減額だ。年金が増えるどころか減収じゃないか」と。

そして、私の前に差し出したのが、介護保険料、国民健康保険税などの書き込みのメモである。以前は、孫の良い顔を見たくて気張ったこともあったが今はとてもできない。最近は医者通いもためらうようになっている。外来の回数は確実に少なくなっているという。もちろん小遣いもギリギリだ。交際は極力控えている。
そして、生活保護家庭よりも、低い生活水準を余儀なくしている年金生活者もいるのではないかとも付け加えていた。

現在の住まいは、昭和50年(1975年)に建築。老朽化が進む中で屋根、外壁、畳、風呂場のタイル、台所など、家のどこかを毎年リフォームしている。しかし、これとて限界だ。虎の子の退職金も目に見えて消えていくと。
このようなことは、何も先輩のみのことではない。多くの年金生活者、そして今後加わってくるだろう「団塊の世代」の年金生活者のこれからの姿であろう。
1500万円を孫の教育費に使うのであれば非課税。そのような年金生活者は私たちの周りにはいない。

最後に、この先輩は次の言葉を述べた。わが市の場合の一昨年の地方選挙の結果を見ると、60歳未満の有権者17万人中、投票をした者は5万3000人だ。それに比べ60歳以上は9万人だが投票した者は5万人。この5万人のほとんどが年金生活者であろう。ならばこの60歳以上の住民の力で政治も変えられるのにと。足腰が痛いと病院通いをしてはいるが、まだまだ情熱をなくさない80歳である。