業務日誌

許せないヤツがいる 許せないことがある
だから倒れても倒れても立ち上がる立ち上がる
あいつの名はケアマネージャー

それが私の生きる道

2006年11月17日 | 重要事項説明書
ケアマネになって6ヶ月が過ぎました。
この業界に身を置いてはや9年、その9年間で得たもの…キレイなものも汚いものも、総動員して使い果たした半年というカンジです。

昔から「人は○○で出来ている」みたいな分析が大好きで、なになに説とかそれそれ論とかを拾い読みしては
『人間には誰しも、精神分裂症(現:統合失調症)か二重人格か躁鬱の、どれかの要素があるらしいよ』
とか
『人は絶対に、ヘビかクモのどちらかが苦手に出来ているんだってよ』
とか
『人には7つの性癖のどれかが潜在しているらしいよキヒヒ』
などと吹聴していた私ですが、今の自分が何で出来ているかと自問してみると、キレイなものと汚いものの半々のような気がします。
それは水油のように2層になっているのか、マーブル模様に混じっているのか。
…最も近いカンジだと、ライスパフ入りチョコか、とうもろこしを食べた翌朝のう○こです。
せめて汚泥の中の砂金といきたいものです。

私は、ケアマネという仕事はキレイなもので出来ていると思っていました。
童話『北風と太陽』の太陽であるべきだと講師に言われました。
介護の基本は疑うことか信じることかで職場のPTと論争もしました。
自立支援とは背中を押すことか待つことかでヘルパーと喧嘩もしました。
そういう理想を語ってさえいれば、ケアマネでい続けられるものとばかり思っていたのです。
ケアマネという仕事の認知度にも誤った認識を持っていました。
利用者やその家族、各介護サービス事業者たち、皆がケアマネのもとにひれ伏すものと思っていたんです(ウソ)。


今日、例の摘便希望者・安田さんのことで、再度主治医と話をさせてもらおうと思い、少しだけ手のあいた様子の主治医先生に声をかけました。

先生、たびたび申し訳ないのですが、安田さんがどうしてもひがしデイケアで摘便をしてくれと聞き入れがないので、対応に関するご意見を伺ってもよろしいでしょうか。

すると主治医は...........ひがし会の院長、PTでもあり医師でもある女医のひがしマチコ先生は、

「じゃ、『します』でいいじゃない」

と仰せでした。

ではデイケア主任にそのように伝えてよろしいので?

「モノは言いようでしょ、『必要ならします』と言えばいいじゃない」

先生、それでは納得されないのです。すると答えてしまえば、しなかった日に「やってないじゃないの!」とクレームの来るようなご家族なのでご相談してるのです。

「だ~か~ら~、必要だったらしますと答えて終わり。必要かどうかの判断はこちらがするのだから」

ごもっともでございます、先生。ですがご家族は、利用者や自分が生活するためにその摘便が『必要』だと言われるのです。そこを納得してもらえるように説明したいので、ご助言をお願いしているのです。

「だったら私が説明しますよ。そもそもこれは医療の問題であって、ケアマネさんが説明すべき問題じゃないんじゃないかなあ。」


・・・・・・

心からこのひがし会に失望した一瞬でした。
自分の中で色んな感情がトグロ巻いているのを感じました。

先生、これが医療の問題だと言われるのでしたら、なごみ園の職員にお礼の言葉のひとつやふたつ仰って下さい。
これまで医療職の私たちが放置していたことを、敬遠していた排便の問題を、しかも数ヶ月もの長い間、かわりにやって下さってありがとうございましたと。
これからは私たち医療スタッフが、なごみ園の皆さんにかわって摘便以外の方法でもって安田さんのお腹をスッキリさせますからもう心配ないですよと。
私と一緒に、なごみ園の職員さんたちにそう言って下さい。
そんな気持ちにもなれないくせに、医者もいない施設のナースはこれだから、摘便の怖さも知らずにそれだから、とか、いくらケアマネだからって、自分の患者のケツのことであれやこれやと騒ぐのはおかしい、とか、

そんなセリフの前に、他に言うことがあるはずです。

地域に根ざした医療が
愛と奉仕の精神が
信頼で結ぶ人と人の和が(ひがし会理念)

聞いて呆れてアゴが茶を沸かすわ!
おかしくてヘソが外れるわ!

理念がケツまくって逃げ出すわ!!

病気の前にその人の生活を見ろ。
それが出来なければ、冗談でも自分の名を冠した社会福祉施設なぞ創るな。


これからも私は、キレイなものと、汚いものの両方で成りつづける。
その微妙なバランスを保ちつつ、強い大人になってやる。
7人の敵と戦うケアマネになってやるさ。

たぶんね。