気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

「一陽来復」の日

2016-12-21 13:50:21 | 日記
七時前玄関先に出ますと、家々は深い霧に包まれており、
太陽が昇る時間になっても、珍しく晴れません。
午前十時過ぎやっと冬至の陽がカーテンを通したかの様に、
射し込むと同時に部屋も明るくなり、霧も晴れ始めました。
10:19⇒15分後10:34
赫き日を得て冬霧のうごき出す
           岸田稚魚
冬至のことを「一陽来復」とも言いますね。
茶掛の禅語辞典では、
”これから陽射しが徐々に長くなる。
 陰が極まって陽に転ずる日で
 陽が戻って来たことを喜ぶのである。
 または陰暦十月で陰が極まり
 十一月になって陽に転じること、
 冬が去って 春が来ること、
 新年になることもいう。一陽の嘉節。”と
陰を払って、陽を呼び込んでくださいね。
柚子湯に浸かり、縁起を担いで『ん』がつくものを食べれば、
二つ『ん・・ん』つくものといえば
にんじん、れんこん、なんきん、ぎんなん、きんかん、
かんてん、いんげん、はんぺん、あんまん、くりきんとん、等
結構あるものです。
 
昨日で、今年の自宅稽古はお終いになり、
紹鷗棚、重茶碗のお稽古を・・・、
袴腰餅を差し上げるのも最後です。

初釜の話の中でなぜだか海外留学先のホストについてに、
海外のホストは自分たちの生活を大事にされているのか、
食事なんかでも大皿にパスタだけがどーんと毎日のように
ところが日本人は、今日は寿司、明日はすき焼き・・・
何から何まで気を使い過ぎ、「もてなし過ぎ」なのでは、
継続して迎えることがないからなのでしょうか?
考えさせられますね。
ところが初釜にはお二人とも、伺えないとのことでした。
余りにも残念がっておられるので、
後日簡単に準備のできるお稽古の初釜をと申し上げると、
嬉しいことに、この話に尾ひれがつき、
・・・というお話にヒミツ
ゲストにはもてなし過ぎないようにしなくては!
  
自分自身の最後の稽古は、週末になります。
最後まで気を抜かず、精進あるのみですね。

重茶碗のお稽古

2016-12-20 18:51:53 | お稽古
昨日も晴天で、気温が上昇し風もない温かい冬の日になり
南側の小間でのお稽古は、障子を通した陽を浴びて、
気持ち良く終えることが出来ました。
  
裏千家小習十六ヶ条の一つ『重茶碗』をさせて頂きました。
小習とは”割稽古、盆略点前、平手前の稽古を
一応終了すると、次に、主客のあり方、道具の変化に伴う
点前を『伝』として習得する。”と(茶道大辞典、淡交社)
かなり先を行かれている方もいらっしゃり、
新しいことをつい、お稽古したくなりましすが、今一度
後ろを振り返る余裕も必要になってまいります。
一つ一つずつ確認させて頂くことで、私も振り返れます。
一緒に勉強してまいりましょう。
  
稽古終わりの余りの天気の良さに、お散歩に・・・。
公園の花壇の一つに幼稚園名のプレートのついた花壇があり、
種々のパンジーの花が列をなして咲いております。
きっとグリーンサポートさんが維持管理に当たられており、
秋天の日に、子供たちがワイワイと苗を植え付けた場面が、
目の前に浮かびあがります。
五月まで、花の少ない冬に咲き続けてくれますね。
パンジーは、フランス語で物思いという意味の
「パンセ」という言葉から来ており、 つぼみが下を向く形が、
人が頭を垂れ物思う姿に 似ているところからだそうです。
タゼッタ 日本水仙
水仙も冬のこの時期からこの花壇で咲きだしておりますが、
昨年同様、いつもの場所で群生しています。
水仙は花が下を向いており、
中国では水辺で咲く姿を仙人にたとえたものだとか。

毬打炭で

2016-12-19 16:52:33 | お稽古
土曜は氷点下でしたが昨日の朝は0.6℃、でも寒い―――ブルブル
お稽古には三人さんがお見えの予定、
広間から小間への稽古にさせて頂きました。
しつらえは、軸は『看々臘月尽』
花は、初嵐に山椿(寒椿)を
  
今は10℃ほど小間、隣の部屋の窓から朝の光が射し込むだけで、
温かい気にさせてくれます。
障子を介した光と、炭が入ればすぐ温かくなります。
といっても紹鷗棚を持ってこなくてはいけません。
相方にお願いして、二人で運んできました。
 
稽古場の準備は完了ですが・・・
お湯を沸し、炭を熾しますが、
お稽古30分前、どうしたのでしょう?
二階で着物を着てのお稽古の方がまだ来られません。
スマホを見ますが、気を揉んでいると、ピンポーン
用事に時間を取り、普段着でのお稽古になりました。
初炭を準備をしていただきましたが、
「丸ぎっちょ」「割ぎっちょ」と言いながらの準備に、
この声を聞きつけた相方が、”何をゆうたはるの”
と聞かれますが、主菓子をつくるのをすっかり忘れており、
それに、着物も着ておらず、それどころではありません。
ーーーーーー            -----ー
初炭、濃茶とお薄の点前、それぞれに形になってきており、
もう少しお稽古を重ねれば、来春の初釜、大丈夫でしょう。

そうでした、相方の話も聞いてあげなければと思いつつも、
忙しいので、こんなHPを見ていただきました。
茶炭倶楽部(増田屋)さんは簡潔に記されています。
「胴炭」は、一番大きな炭で太い丸太形で、炉用で5寸。
「丸ぎっちょ」は丸太型、長さは胴炭の半分です。
「割ぎっちょ」は丸太を半分に割った半円形で、
「丸管」は丸太型、長さは胴炭と同じですが、直径は半分。
「割管」は半円型で、長さは等は丸管と同じ、
「添炭」は丸太型の細い炭で、胴炭の半分の長さです。
「枝炭」はツツジなどの細い枝で作られ、白い石灰を
    塗ってあります。
実はこの話ではなく『ぎっちょ』に反応したのだそうです。
相方曰く『ぎっちょ』は左利きを意味する言葉だったからで、
差別用語として最近は使われませんが、左きき.comによれば
左器用や正月の左義長が変化したものや、この左義長を毬杖様
にしたとか、平安時代の遊び・毬杖(ぎっちょう)からとも

炭にもこの毬杖(ぎっちょう)が「毬打」となったのですね。
毬打炭(ぎっちょうずみ)は茶道大辞典(淡交社)で
”正月行事の遊戯に使われる毬を打つ長柄の槌を
 毬打(ぎっちょう)という。その形状に似た炭。”と

ところで、炭って大事ですね。
奈良の田舎で自宅用にと炭を作っておられる方に、今年は
良い炭に仕上がったからと、分けていただいた炭があります。
爆跳はするし、火持ちは悪いし、臭いはするしで困り者です。
原因は炭を焼く最後の工程「ねらし」の不足、つまり
炭化の終わりに炭窯の温度を上げて、炭の中のガス分を抜き
同時に焼しめることが充分でないのでしょう。
もう少し残っておりますので、辛抱してくださいね。

おん祭の日のお稽古茶事とお渡り式

2016-12-18 16:52:50 | お稽古
昨日は、奈良国立博物館内にある「八窓庵」にて
稽古茶事をしていただけました。
本当にありがたいことで、学ぶことが後から後から
たくさん出てまいります。
HPより
待合のお軸は、奈良博所有の中臣祐方の懐紙でした。
古くから紙は貴重で、歌会などで使用した後、
紙裏に万葉集などの文書を書写し、
冊子に仕立て上げられたものが
「春日本万葉集」として残っております。
時代を経ていくうちに裏面の方が、
裏文書もしくは紙背文書と言われるようになり、
鎌倉時代の奈良歌壇の実態を伝える貴重で
文化的価値のある史料とされるようになり、
「春日懐紙」といわれるようになったそうです。
ただ、冊子に仕立て上げた時に切り落とされたり
閉じ穴がついていたりし、残念なことに文字の一部を
欠く懐紙が少なくないそうです。
中臣のこの懐紙は、三首きれいに収まっており、
中臣祐方はこの歌を書いた後々には、
春日若宮の神主になられているそうです。
主菓子は、おん祭の時だけの「意傳坊」奈良・樫舎
昨年の写真
素晴らしい一時を過ごさせていただきました。

八窓庵を辞し、今日だけ無料の奈良博の特別陳列展
おん祭春日信仰と美術・奈良奉行所のかかわり』を観終わり
興福寺までまいりますと、ちょうど『おん祭、お渡り式』が。
お渡り式道順
第一番 日使(ひのつかい)
第二番 神子(みこ)
第三番 細男・相撲(せいのお・すもう)
第四番 猿楽(さるがく)
第五番 田楽(でんがく)
第六番 馬長児(ばちょうのちご)
第七番 競馬(けいば)
第八番 流鏑馬(やぶさめ)
第九番 将馬(いさせうま)
第十番 野太刀(のだち)他
第十一番 大和士(やまとざむらい)
第十二番 大名行列(だいみょうぎょうれつ)

興福寺南大門跡に並ぶ僧兵です。
 
奈良市長さんも馬に乗られているとか・・・
  
八乙女?でしょうか
 
人が多くて大変です、さらに足元から冷え込んでまいります。
早く帰ることにしました。

京都国立近代美術館「茶碗の中の宇宙」展・内覧会へ

2016-12-17 19:33:23 | 美術館・博物館
昨日夕方から冷え込む京都岡崎にある京都国立近代美術館へ
「茶碗の中の宇宙-楽家一子相伝の芸術-」展の内覧会の
お誘い頂けました。

HPでは、一服の茶を点てることで、削ぎ落された茶碗の中に
宇宙と呼ぶべき無限の世界が広がる・・・、
今から450年前、長次郎という人物によって創造された樂茶碗は、
一子相伝という形態で現在まで続いています。
一子相伝とは、技芸や学問などの秘伝や奥義を、
自分の子の一人だけに伝えて他には秘密にして漏らさないことであり
一子は、文字通り実子でなくても代を継ぐ一人の子であり、
相伝とは代々伝えることです。
でも内覧会で登壇された楽家一五代は、先代から教えて頂くことなく
一代一代それぞれが高みに向け切磋琢磨し、新しい形を創造される
ことにより、相伝されていくのだそうです。
思い出せば2006年旧心斎橋そごう美術館、2007年佐川美術館や
2009年国立民族学博物館等で拝見した十五代の作品の斬新さを
思い起こさせながら、進化の過程を観てみましょう。

会期は2016年12月17日(土)~ 2017年2月12日(日)
重要文化財(以後重文と)12点を含む159点から成る展覧会で、
パンフによると、十五代楽吉左衛門さんが述べられております。
「私が生きている間に、これほどの展覧会は二度とできない」
入り口直ぐに
千利休像(春屋宗園賛,長谷川等伯筆1595年表千家不審菴)重文
に迎えられました。

初代 長次郎は19作で、二彩獅子、17碗と三彩瓜文平鉢が、
利休の依頼で制作し始め、千利休居士がお持ちだった作品で
素朴な作風ですね。
黒樂茶碗 銘「大黒」16世紀 個人蔵 重文
赤樂茶碗 銘「太郎坊」16世紀 裏千家今日庵 重文
なお赤樂の「次郎坊」も展示されておりました。
黒樂茶碗 銘「大黒」
赤樂茶碗 銘「太郎坊」

田中宗慶4作、
二代 常慶5作、
三代 道入9作
黒樂茶碗 銘「青山」三代 道入 17世紀 樂美術館 重文
極めて斬新、モダンな作品で革新的な世界観です。
黒樂茶碗 銘 青山

本阿弥光悦6作
赤樂茶碗 銘「乙御前」本阿弥光悦 17世紀
銘は上から見た形が「おかめ」に似ているところから。

四代 一入3作、五代 宗入4作、六代 左入2作、
七代 長入1作、八代 得入1作、九代 了入3作、
十代 旦入2作、十一代 慶入3作、十二代 弘入2作、
十三代 惺入3作
十四代 覚入7作
敏感な感性が、変化にとんだ表現になっています。
色釉流水文赤樂平茶碗 銘「綵衣」 1963年 樂美術館
色釉薬を用いて水の流れを表現したモダンな平茶碗
色釉流水文赤樂平茶碗 銘「綵衣」

十五代 樂吉左衞門 64作
長次郎の素朴さと比べ、金彩銀彩も使っての究極の加飾に
挑戦されたり、フランス焼締も。
シリーズ 夜の航海、シリーズ 盌
涔雲に浮かんでⅠ、Ⅱ、Ⅲ
巌上に濡洸ありⅠ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ
焼貫黒樂茶碗 銘「砕動風鬼」1990年樂美術館
焼貫黒樂茶碗 銘「砕動風鬼」
焼貫黒樂茶碗 銘「吹馬」1993年 樂美術館
焼貫黒樂茶碗 銘「吹馬」
巌上に濡洸ありⅢから
焼貫黒樂茶碗 銘「巌裂は苔の露路 老いの根を嚙み」2004年
巌裂は苔の露路
頭の整理がつきません・・・・・。
もう一度寄せていただくことにしましょう。
なお3月14日から5月21日まで東京近代美術館に巡回です。

寒い日の立礼のお稽古になりました

2016-12-16 09:52:14 | お稽古
奈良も寒い朝になり、風が冷たく玄関先の掃除に取り掛かるも
直ぐ指がかじかみます。失礼に当たりますので最後まで、
手を抜けませんね。
庭に花を採りに出ると、今年も「迷迭香(まんねんろう)」、
ローズマリーがけなげに
咲いており、

野いちごも赤い小さな実をつけてくれておりました。

今日の花は何にしましょうかと言っても、椿の類しかなく、
玄関にずっといてくれた紅葉はまだ枯れず使わせてもらい、
山茶花と合わせてみました。花入れは出石蕎麦を頂いた
店先で可愛さのあまり買い求めた一輪挿しに、
出石焼ではないのですが、気に入っております。
 
今朝のお稽古は立礼、八畳の広間ではなかなか温まりません。
隣の六畳へと点茶盤などを運び、しつらえをしました。

床の、軸は「今日無事」、花は白侘助と西王母
香合は「まつぼっくり」を
  
お待ちしております。

藤原忠通はどこ?「私の百人一首」白洲正子

2016-12-15 15:50:03 | 書籍
今日正午から奈良では「おん祭」が始まっております。
餅飯殿通りにある大宿所では、のっぺ汁が振る舞われます。
もちいどのセンター街の皆さんが1度に200人前ができる大鍋で、
前夜に材料を切り準備して当日大鍋3つを並べ2回転、合計6杯、
1200人分を順々に炊いて熱いのっぺい汁を造られたそうです。
材料はごぼう、大根、にんじん、こんにゃく、あぶらあげ、
サトイモなどが入っており、しょうゆで味付けされており、
私が頂いたのは、油揚げがたくさんで美味しかったです。

この祭りの謂れは、春日大社HPによれば
”長承年間に長年にわたり、飢饉や疫病が蔓延したため
 時の関白藤原忠通公が万民救済の為若宮の御霊威にすがり
 1135年に本社と同じ規模の壮麗な神殿を造営しました。
 若宮の御神助を願い1136年祭礼されたのがおん祭の始まり”
この中で、『藤原忠通』とはいかなる人なんでしょうか?
百人一首で有名だが実は藤原家繁栄の礎となった関白との事
手元の「私の百人一首、白洲正子:新潮文庫」を手に取るも

目次の中に、藤原忠通(ただみち)の名前はありません?
さらに検索してみますと、
百人一首で随一の読みにくさ・長さの名で書かれている人の本名
なんと・・・76番に
法性寺入道前関白太政大臣」=藤原忠通
ほつしょうじのにゅうどうさきのかんぱくだじょうだいじん
この季節の詩ではありませんが紹介いたします。
和田の原こぎ出でてみれば久堅の
          雲居にまがふ興津白波


大海原に船で漕ぎ出し、ずっと遠くを眺めてみれば、かなたに
 雲と見間違うばかりに、沖の白波が立っていたよ。(現代訳)

この本で、白洲正子は述べておられます。
”この歌は「詞花集」に、「新院位におはしまししとき、
 海上遠望といふことをよませ給けるによめる」という詞書があり
 いかにも太政大臣らしいおおらかな調べである。
 新院とは崇徳天皇のことで1135年4月の内裏歌合に詠んだと
 伝え、当時、忠通は関白であった。
 百人一首もようやく院政時代に入り、芸が細かくなって行く
 中で、このような歌に出会うと、ほっとした気分になる。”
1162年に出家して、法性寺入道と呼ばれたが、
和歌に優れていただけでなく、書道も巧みで法性寺流の祖と、
日本の文化史上、忘れることのできない人物で、「今鏡」は
「和田の原」の歌をあげて、「人丸が、島が暮れゆく舟をしぞ
思ふ、など詠めるにもはぢずやあらむとぞ人は申し侍りし」

帰宅し「べっぴんさん」の録画を観終わると、続いて
「八百万の神がすむ山河、村治佳織・白洲正子祈りの道を往く」
が始まりました。BS3、9時からの録画、相方の仕業。
村治さんのアルハンブラの調べと「かくれ里」に記された
16世紀作者不明の「日月山水図屏風」天野山金剛寺が・・・
来年の5月頃、伺って観たい作品の一つになりました。

「おん祭」が始まり、奈良博も

2016-12-14 16:12:55 | 美術館・博物館
今日の天気は、風が強く厚い雲間から時折の日差し
さむーーーい一日になりました。
平城京跡を通りかかると若草山温泉郷付近の紅葉に比し、
枯草色の若草山、緑深い春日奥山と高円山が冬の装いに。
  
春日奥山の麓に春日大社、その南側に春日大社の摂社・
若宮社があり、その有名な祭礼「おん祭」の中心行事が
明日15日から18日まで執り行われます。
長承4年(1135)の若宮社御遷座(ごせんざ)を承け
1136年より途切れることなく、八百七十有余年にわたり
五穀豊穣、万民安楽を祈り盛大に!。
15日(木)
午後1時:大宿所詣(おおしゅくしょもうで)
午後2時半、午後4時半、午後6時:御湯立(みゆたて)
午後5時:大宿所祭(おおしゅくしょさい)
16日(金)
午後2時半頃:大和士宵宮詣(やまとざむらいよいみやもうで)
午後3時頃:田楽座宵宮詣(でんがくざよいみやもうで)
午後4時:宵宮祭(よいみやさい)祭典の無事執行を祈る行事
    若宮神前に“御戸開(みとびらき)の神饌”を奉る
17日(土)
午前0時 :遷幸の儀(せんこうのぎ)
午前1時 :暁祭(あかつきさい)
午前10時:本殿祭(ほんでんさい)
正午 :お渡り式(おわたりしき)
午後12時50分:南大門交名の儀(なんだいもんきょうみょうのぎ)
午後1時頃:松の下式
午後1時頃:競馬(けいば)
午後2時半:お旅所祭(おたびしょさい)
午後2時半頃:稚児流鏑馬(ちごやぶさめ)
午後3時半より10時半頃まで
     :神楽(かぐら)‣東遊(あずまあそび)‣田楽(でんがく)
    細男(せいのお)‣猿楽‣舞楽(ぶがく)‣和舞(やまとまい)
午後11時:還幸の儀(かんこうのぎ)
18日(日)
午後1時:奉納相撲(ほうのうずもう) 
午後2時:後宴能(ごえんののう)

奈良は『おん祭』一色に・・・
奈良国立博物館では、『おん祭りと春日信仰の美術』
=奈良奉行所のかかわり=展が12月10日~1月15日迄開催中
風流行列の様子が描かれた多数の絵巻と、江戸時代のおん祭を
支えた奈良奉行所の関わりが解かりやすく紹介されています。
12月17日のおん祭りお渡り式(風流行列)は無料開放です。
春日神社の成り立ちや、春日大社と興福寺が一体での信仰の
様子がよく解かる40件の展示になっております。
1.【春日若宮のおん祭】
春日若宮御祭礼絵巻 上巻 春日大社 17世紀
春日若宮御祭礼絵巻
春日祭礼之図 春日大社 19世紀
春日祭礼之図
2.【奈良奉行所のかかわり】
春日若宮祭礼書類 京都大学付属図書館1838年
奈良奉行所与力・橋本政孝が記したおん祭の記録で、
祭礼の準備段階から終了まで奉行所が関わる事柄につき、
奉行所役人の動きや、様々なケースへの対応が記されている
春日若宮祭礼書類
3.【春日信仰の広がり】
春日毘沙門天曼荼羅 奈良国立博物館 16世紀
御蓋山・春日山を遠景に配し、春日の地主神、榎本社の
本地仏として表された毘沙門天像です。
春日毘沙門天曼荼羅
4.【春日講】
春日鹿曼荼羅、東九条春日講 16世紀
春日の山並みを背景として春日神の使いである神鹿を
大きく描き、体毛の細緻な表現も見所です。
春日鹿曼荼羅

「且座喫茶」いしいしんじ

2016-12-13 13:35:05 | 書籍
雨の事始め・煤払い・松迎えの日になり、
京都花街や神社仏閣の様子がTVで流れております。
子庭では満天星躑躅のこの枝だけの紅葉が残り、
 
山茱萸の赤い実と白南天の実が雨に濡れております。
 
遅ればせながら11月の茶会に際して、
先生への御礼も済ますことが出来、有難うございました。
台子の自主練もしなくてはならないのですが・・・
もう初釜の事で、頭が一杯なのです。
そんな時、図書館で出会った本、
且座喫茶」いしいしんじ 淡交社2015.10.7

「なごみ」に連載され、御存じの方も多いかと思いますが、
加筆、写真を増補され一冊の本に。
前文に、「且座喫茶」とは、
 禅語で「且(しば)らく坐して茶を喫せよ」---
 まぁ、しばらく座ってお茶でも飲もうよ、という意味と。
そんな軽い気持ちで、お借りし読み始めると、
一気に読み??ました。
現実逃避といわれれば、そうかもしれませんね。
・「真剣」な茶の湯の空間
    ・ 
    ・
・わかりません
16篇、195ページからなる随筆で、
感じたことが多々あるのですが・・・

「真剣」なお茶は、自然とこちらにはいりこみ、
思ってもみなかった、清新な場所へ連れて行ってくれる。
・・・(中略)・・・
いま真剣に生きていると、みどり色の血の脈動を感じながら、
いつの間にか気づかされている。
・・・(中略)・・・
先生、お茶って、最初から最後まで、
わからないことだらけですね。
「そうね、それがお茶よ」
・・・・・・・・・
先生の声がします。
お茶って、わかりません。
 でもね、そこがいいのよ。
 わからないから、たのしいんじゃない


わからないからたのしい、わからないからたのしい
精進あるのみですね。

終月は紹鷗棚にて

2016-12-12 08:35:43 | お稽古
新たな気持ちで精進すべく、朝日射す朝を迎えました。
今日の花と花言葉は「マンリョウ・寿ぎ」です。
自宅稽古の準備に取り掛かるべく、まず外回りの掃除から、
余りの寒さに、手が悴んでまいります。
車のフロントガラスが凍っており、この冬初めての冬日に。
(調べると奈良の最低気温は-0.9℃、寒いはずです。)

お稽古を、南側の小間でしたいのですが、台子の自主練中
今月いっぱいは、我慢してください。

寒い広間にて、準備にとりかかります。
庭では最後の一枝の杜鵑が寒さにじっと耐えていると思えば
寒椿が私の番だと言わんばかりに、真紅色で輝いており、
つい西王母の代わりに、切りとった蕾の寒椿の一枝で、
白の初嵐を組み合わせてみました。
なお茶席では寒椿は茶花には不向き?で、山椿と称すれば
良いとされておりますが、お稽古ですからね。
 
終月は『紹鷗棚』にてのお稽古、
武野紹鴎好で紹鷗袋棚ともいい、鳥居引拙(いんせつ)創案の
袋棚に手を加えられ、1549年「紹鷗袋棚記」の一ヶ条の最後に
右、ふくろだなの習。すき道の一秘事にて候ま々、
必人に御をしへあるまじく候。
「我名をば大黒庵といふなればふくろだなにぞ秘事はこめける」 
 
エアコンも早めにONにし、床のしつらえになります。
炭が盛んに熾っており、いつお越しになられてもOK
部屋も炭火で温まってくれるとよいのですが?。
  
主菓子は「袴腰餅」でお待ちしております。