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気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

葉月のお稽古、お菓子は?

2019-08-26 21:53:36 | 主菓子とお干菓子
葉月も23日「処暑」に入り、
ようやく朝晩涼しくなってきました。
奈良ではお盆そして地蔵盆も過ぎ、空には秋の装いの雲が・・・


72候では『綿柎開(わたのはなしべひらく)』頃
綿を包むガクが開き始める、すなわち
綿の実がはじけて白いふわふわが顔をのぞかせる
そんなすてきな候なのですね。


床の間のしつらえも、綿を使いたいのですが・・・
大きすぎて使いづらくて二種の木槿、萩とトクサを
トクサの茎の先端にツクシの頭部のような胞子葉群が。


盆過ぎからのお稽古の菓子は
撫子きんとん』を作っておりましたが、


候に倣い『綿の花しべきんとん』にしましょう。


いかがでしょうか。

水無月でお稽古

2019-06-16 20:26:14 | 主菓子とお干菓子



二十四節気『芒種』末項は「梅子黄(うめのみきばむ)」
6月15日から20日頃とされ、梅の実が黄ばんで熟す頃。
青梅は次第に黄色みをおび、赤く熟していきます。
6/7⇒6/15

15日の稽古は昼から、菓子をどうしましょう。
この時期、少し早いのですが『水無月』を造ることに。
外郎(ういろう)の上に小豆を載せたお菓子ですね。
  

京都で水無月が食されるようになった由来は、6月1日に
宮中で行われていた「氷の節句」だといわれています。
古来氷室(洞窟など)で、氷や雪が冬のうち保管され、
水無月の頃、朝廷や幕府に献上されて、取寄せた氷を口に
含み、暑気を払って夏を無事に乗り切れるよう祈願された。
しかし、庶民にとって氷は高嶺の花でせめて氷をういろうで
表し、氷で涼をとったつもりになる水無月を生み出しました。

水無月は、白い外郎で氷をイメージし、上に載った小豆は、
魔よけの力を持ち邪気を払うものとされ、さらに三角の形も、
魔よけ、厄病よけの意味にもなるお菓子です。

京都の人々は、6月30日に夏越しの祓えという習慣があり
水無月のなごしの祓する人はちとせの命のぶというふなり
拾遺和歌集で読まれている通り、神社にお参りをし、
夏を迎えるにあたっての邪気払いのお菓子をいただくことで、
厄をのがれ、夏を迎えようとする気持ちを込められています。

奈良はまだ梅雨入りもしておらず、半月前で早かったですが、
厄をのがれられ、夏を迎えて頂ければ・・・。

床に軸は『竹』、花は紫陽花、ホタルブクロ、鳴子百合
更好棚を用いて、薄茶と濃茶点前を薄茶器には『四滴』の『弦付』を
使ってみました


 

愉しんでいただけたでしょうか。

追加)今日の先生のお稽古で頂いた奈良・樫舎の水無月です。
外郎の代わりに葛で造られており、流石上品な甘さと・・・。

菓子は青梅で

2019-06-06 20:36:11 | 主菓子とお干菓子
六月六日、24節気の『芒種』初候は螳螂生(とうろう しょうず)
芒(のぎ)のある穀物、稲や麦などの種をまく季節からですが、
初候、カマキリなどの虫の孵化が始まり、次候は螢が川から上がり
草に宿り始め、末候は梅の実も黄色づき始める気候を表します。

現在奈良の籾蒔きは山間の早場米地帯は4月初旬、平地で5月初旬頃
平地の田植えもそろそろ終わり掛けです。

また今日は「梅の日」で天文14年4月17日(新暦1545年6月6日)、
京都・賀茂神社の例祭・葵祭で後奈良天皇が神事をされた際に
梅が献上されたという故事から紀州梅の会が制定した。

家の梅はまだ青梅のまま、末候になれば黄色く熟し始めるのでは。


先日先生のお稽古に伺ったおり、菓子は樫舎(かしや)さん『青梅』で、
上品な色模様と形、備中白小豆の粒餡との取り合わせ美味しさに感動!(写真なし)

触発されこの火曜日のお稽古前に造った『青梅』、時間がなく
慌てていたためか形が?
お出での方々には、喜んで頂けたようです。




床には、軸は『善な寶』百五代法隆寺管長、間中定泉


花は縞葦、ホタルブクロ 白南天とヤマアジサイ
 

午前中は更好棚にて薄茶平点前と入れ子点を
午後は、お茶碗荘りを
「このお茶碗は、恩師よりいただいたもので・・・」
お稽古でなりきるのは、気恥ずかしいものですね。


弥生最後のお稽古は『菜種きんとん』

2019-03-31 20:33:14 | 主菓子とお干菓子
『千利休居士』は天正19年(1591)2月28日自刃。表千家では毎年3月27日、
裏千家では3月28日に、茶家最大の行事・利休忌が開催され「菜の花忌」とも。
謂れは居士が生涯菜の花を好んだからとか、最後の茶室に活けられていたのが
菜の花だったからなど諸説あるそうです。
でも利休忌が終わるまで、茶席には菜の花を活けないほうがよいとの教えも。

3月最後のお稽古に『菜種きんとん』作り、
利休居士の遺徳を偲ばせて頂きました。
 

床には、「頭上漫々」

花は「貝母・バイモ」別名編笠百合・アミガサユリと
紅錦魚葉椿」、この椿は去年に引き続き咲いてくれたが、
下枝に隠れて気が付かず、咲き過ぎ、
でも小さな斑が入っていたことに気づかせてくれました。
 

茶道サークルの初釜も「花びら餅」

2019-01-15 20:34:21 | 主菓子とお干菓子
今日は茶道サークルの初釜でしたので、昨日は『花びら餅』を作りました。
由来は宮中の菱葩(ひしはなびら)で「歯固め」の行事が儀式化していく過程で
生まれ、あのごぼうは押鮎(押年魚)の見立て、味噌と餅は雑煮の意味をもつ。
明治からは上菓子になり、半円を描く白餅からほんのりと透けて見える桃色が、
春を告げる梅の花に見立てることから、花びら餅という美しい名前に。

 *土佐日記(935年1月1日)に、鮎は「年魚」と書かれ年始に用いられる魚
  押年魚は、鮨鮎の尾頭を切っ取ったもので、元旦にお供えされていたと
  (船上の正月より一部)
  白散を、あるもの、夜の間とて、船屋形にさしさめりければ、
  風に吹きならさせて、海に入れて、え飲まずなりぬ。
  芋茎(いもし)、荒布も、歯固もなし。かうやうのものなき国なり。
  求めしもおかず。ただ、押鮎の口をのみぞ吸ふ。
  この吸ふ人々の口を、押鮎もし思ふやうあらむや。

思ったよりは手軽に作れるので毎年作っています

材料は、漉し白餡(製品)と西京白味噌があれば、
わたしは、本田の大吟醸・西京白味噌を使います
但し蜜ごぼうと味噌餡は先に作り置く事が大切です(冷凍1か月可)。
蜜ごぼうは10㎝の長さのごぼうを縦に6-8つに割り、水にさらしてから水気を切る。
ごぼう20本分に水200mlに酢を10mlいれ、火にかけ、沸騰すると湯を捨てる
再度たっぷりの水にごぼうが柔らかくなるまで弱火で40-50分ゆで、笊にあげる。
砂糖50g、水100mlいれ、煮立て、ごぼうを入れ一煮立ちさせ、一晩漬けおく。
翌日蜜の量が半分になるまで煮詰める。冷やして味を浸み込ませる。


3個分の味噌餡(塩分が6%になるように)レシピです。
耐熱容器に白あん50g、しろみそ8g 水10mlを混ぜ、ラップせず
電子レンジ500Wで90秒加熱し、ゴムベラでよく混ぜる。
白っぽくなって手につかなくなります。
(川端道喜さんの味噌餡は、トロトロですが)

ピンクと白のういろう生地を作るのですが、
白玉粉10g、水50ml:水を少しずつ加え、指先でつぶしながら混ぜる
上新粉30g、砂糖(ふるったもの)40g、色粉(赤)少々、1,2滴の水で溶く
蒸し時間は10分、量に応じて伸びる
手粉(片栗粉)をまぶし、

白は麺棒で8×10cm大の楕円形、ピンクは4cm大の円形に 
白生地の上に蜜ごぼう、味噌餡をのせます。

そしてピンクの生地を載せ、二つ折りにします。
完成です。
 
今年二回目の花びら餅作り前回より綺麗な出来栄えです。
皆様には、優しい甘さで、美味しいと喜んでいただけ、作り甲斐が。

亥の子餅から袴腰餅へ

2018-12-07 18:10:31 | 主菓子とお干菓子
二十四節気では今日は『大雪』平野にも雪が積もる時期とされ
72候・初候は「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」
天地の気が塞がれ、冬がおとずれる頃だそうで、
丁度日本も全国的に寒波が南下し日本海側では積雪も見られ、
冬が到来していますね。

またこの時期は新しい年の準備を始める「正月事始め」にあたり
菓子も「袴腰餅」が相応しく、先日今年最後のお稽古の方には
出させていただきました。
袴腰餅

その前の菓子を忘れておりました。
開炉に合わせ御善哉と「亥の子餅」でお祝いをしており、
今年も作った亥の子餅を記しておきます。
 亥の子餅

数日前から師走の玄関の色紙は、『寺落葉』
 「せきでらや人もかよはずなりぬれば
     もみぢゝりしくにはのをもかな

 *詳細は2016.12.4の「臘月の玄関は「寺落葉」の色紙を

我が家の小庭の満天星躑躅も先日の嵐で散り、根元にも・・・

 
12/7⇐⇐12/4⇐11/29

三角棒でワンランク上の『着せ綿』を

2018-09-20 21:33:01 | 主菓子とお干菓子


三角棒は、練り切りに季節の花の形や、
細かい飾りを付ける為の道具です。
和菓子教室に行ってる方が使って見せてくださり
お菓子を作る際に持っているととても便利な道具だと・・・
ずいぶん前から欲しいなとは思っていましたが、
ゴムベラでも代用できるので・・・
『着せ綿』を作っているうちに三角棒が欲しくなり
買ってしまいました。
  

ゴムベラより三角棒の方が和菓子にはピッタリな感じで
菓子職人になったような気分にしてくれますね。

それでも『着せ綿』の場合は、三角棒もゴムベラも、
私の腕では大差ないように見えますがいかがなものでしょうか?
猫に小判、豚に真珠、犬に論語、私に三角棒アハハ!

菊月のお稽古は「着せ綿」

2018-09-14 18:12:11 | 主菓子とお干菓子
庭の菊は咲かずとも・・・
菊月には、どうしても『着せ綿』を作りたくなります。

そこで綺麗な橙色の完熟梅餡の菊に
 9/11

真っ白なゆり根餡の綿を着せて、
 9/11

今年はこんな『着せ綿』ができあがりました。
 9/10

点茶盤でのお稽古では、
前回のリベンジで名水点を
七種の蓋置の一つ『一閑人蓋置(いっかんじん ふたおき)』
を使いました。


この蓋置は、井筒形の側に井戸を覗き込むような姿の人形が
ついた蓋置です。
一閑人蓋置は、一看人、一漢人とも書き、
井看人(せいかんじん)、井戸覗(いどのぞき)、さらに
惻隠蓋置(そくいんのふたおき)ともいうそうです。

「惻隠蓋置」は、人形を井戸に落ちそうな子供に見立て、
『孟子』公孫丑上の
今人乍見孺子將入於井、皆有怵惕惻隱之心
読み”今、人の乍ち孺子の将に井に入らんとするを見れば、
              皆な怵惕惻隠の心あり”と
にかけて洒落たものだそうです。

黒砂糖を半分使った葛菓子「むしの音」

2018-09-03 09:02:33 | 主菓子とお干菓子
一昨日は長月の朔日、防災の日になり、この一週間は防災週間
今年も今までも色々とありましたのに・・・、さらにまた
明日にも台風21号が、台風20号同様なコースで四国から近畿に
21年ぶりの非常に強い勢力で上陸になるそうです。
この台風は、韓国語でツバメのJEBI(チェービー)をさし、
ツバメ返しっていう訳にはならないものでしょうか。

この日の稽古のお菓子何にしましょうかと
京菓子読本(中央公論社‣暮らしの設計196)をめくっていますと


p79に白砂糖と黒砂糖を半々に使った葛製の菓子
夏の菓子にある『西湖の月』が目につきました。
白楽天の詩で有名な月の名所(蓮の名所でもある)の西湖に
うつる月を菓子にされたもの。
 *白楽天の七言律詩「春湖上に題す」より抜粋
 ・・・・・
 月点波心一颗珠
 湖面に浮かぶ月は一粒の真珠のように輝いている 
 ・・・・・

早速、朝から黒砂糖を半分使った葛を練り上げ
トラ豆甘納豆を入れて作りました。近づく台風になぞらえ
暴れまわるトラを退治し平穏無事になるように、夜の帳に
聞こえてくる音は・・・『むしの音』と。
  

床の花は、ムクゲ、藪茗荷と虫にやられたた「吾亦紅」
負けずに花芽を延ばし、やっと咲いてくれました。


泊まりに来ている孫三人のチビギャングも
相方が連れ出してくれましたので、お出でを待つだけに。

末富さんの『濤声』に感動し作ってみました葛の茶巾絞り

2018-08-27 09:29:42 | 主菓子とお干菓子
先日の事、末富さんでいただいた『濤声(とうせい)』は、
海の色に染めた色鮮やかな葛に、
ゆり根の鱗片を浮かべた葛の茶巾絞りです。
『濤声』は波の音の意。

東山魁夷画伯の 「唐招提寺」御影堂の障壁画
構想から完成までに10年を要され、襖絵と床の壁面全68面のうち
唐招提寺を開いた鑑真和上が苦難の末、海を渡って訪れられた
日本の自然美を鮮やかなブル-で表現した障壁画の「濤声」、
能登の海をイメージされ描かれたとも。
1975年「濤声」の一部

これを末富さんが、お菓子にされたもの。

京都・末富富蔵の京菓子読本、暮らしの設計196,1990年,p76

『濤声』でお薄一服出していただいた
末富さんに感謝。

それ以上に「お菓子作りと暑気払い」
この日を用意してくださった
先生に感謝あるのみです。

この感動を忘れないうちにと作ってみました「葛の茶巾絞り」
  

流石に『濤声』のブルーは、私には無理ですので・・・
自宅稽古の朝、造ったのは透明な葛に小さい黒豆甘納豆を入れて
墨一色で描かれたもうひとつの障壁画
山雲』と名付けてお出しすると、
”とても上等なお菓子で美味しいです”と喜んでくださいました。

付記)「唐招提寺への道」東山魁夷著では次のように
”鑑真和上が、度重なる苦難を超えて日本へ渡航されたのは、
 日本の国土の美に憧れられていたとも考えられる。しかし、
 残念なことに上陸されたときは、既に盲目となられていた
 ことを思うと、日本の国土の象徴である山と海を描くことも
 意義があると考えた。千二百年の歳月を経て、なおも、
 生前のお姿そのままの尊像の坐す堂内に、このテーマによる
 障壁画を描くことは、永久に行き続けていられるに違いない
 和上の御心に叶うことができるかも知れないと思った。”と