気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

臘月の玄関は「寺落葉」の色紙を

2016-12-04 16:38:02 | しつらえ
今日も晴れた朝、車で奈良市内までお稽古に伺う途中、
家並みの中から道の奥に、ややくすんだ若草山が、
  帰り
季節の変わり目を教えてくれます。でも大仏殿の鴟尾は
いつも通りで、ざわついた気持ちを引き締めてくれます。
月一回のお稽古は「壺荘付花月」、月を引きますと・・・
ああー、乳緒を結ぶことが・・・

お伺いいたしますと、
なんと口切の茶事稽古から始まりました。
席入り、亭主、客の挨拶、茶壺の拝見、お茶入日記の拝見、
葉茶じょうご等の準備、
茶壺の口切、葉茶を出してすぐに封印する。それぞれの仕方、
又、茶壷の見どころ、石臼、茶掃箱の仕組みなど
内容の濃いお稽古でした。
昨年の大和郡山の菊屋さんでの口切茶事は初めてで、
何が何だかわからないうちに終わってしったのですが、
先生の所作等を見逃さないよう、聞き洩らさないよう・・・
その後、壺荘付花月もお教えいただけ嬉しい限りでした。
帰り着くと、もう雨がぽつぽつと・・・
きっと寒気をたくさーん、運んでくるのでしょうね。
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我が家の臘月の玄関のしつらえです。
紅葉、あけびのつる、ザクロは最後のお勤め?、
さんしゅゆの赤い実を添えてみました。
  
色紙は、落ち葉を踏みしめるこの季節ですから
根津美術館で買い求めた『落葉切・おちばぎれ』、
題「寺落葉・」を
せきでらや人もかよはずなりぬれば
     もみぢゝりしくにはのをもかな



『落葉切』とは、茶道大辞典によれば、
”藤原定家が1201年に後鳥羽上皇の熊野詣のおり
 那智で「深山風」と「寺落葉の」二首懐紙を詠じた
 断簡であると思われる”と
根津美術館蔵を含め三幅伝わっており、
1.鴻池家伝来で逸翁美術館蔵
「こけふかきふもとのてらをきてみれば
       このはにひびくいりあいのかね」
2.香雪美術館蔵 
「しきみつむこけのかよひぢあともなし
         みねのあらしの木葉ふく比」
3.根津美術館の『寺落葉』は西本願寺伝来のものだそうで、
『古筆辞典』 春名好重/編著 淡交社 1985年には
”『落葉切』の料紙は楮紙、縦31.4㎝横22.5㎝、
 題を「寺落葉」と書き、歌を二行七字に書いている。
 行の長さは28㎝ばかりである。~中略~
 『落葉切』は行をつめていないので二首懐紙の断簡らしい。
 「寺」は小さく書き、「落葉」は大きく書いている。
 懐紙は料紙を左手に持って怱卒に書くので字形は整っていない
 しかし筆力がある。~略~文末に
 筆者は西行(1118~1190)といわれている。
 しかし西行の真跡ではない。
 書写年代は鎌倉時代の初めである。”と。

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