こんにちは!高知県議・細木りょうです。

2023年高知県議選で初当選(日本共産党公認)
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2022年9月議会 ほそき個人質問

2022-09-19 17:50:10 | 日記
16日に行った私の質問と市長・部長の答弁要旨をご紹介します。

問)統一協会(関連団体含)から高知市への寄付、統一協会イベントへの後援はなかったか。
答)関連団体のキーワード「教会」「平和」「世界」「統一」「家庭」で検索したが寄付はなかった。同様に後援を承認した行事もなかった。
※関連団体は20以上あり、いろんな名前を騙っており再調査を要請しました

問)コロナ給付金を活用した2億円以上の「マイナンバー交付事業」は市民に対し公平性の点で問題はないのか。
答)カードは市民どなたでも取得でき、応募の機会の公平性は確保されている。限られた予算のため一定の人数(1万人)に設定せざるを得なかった。
※コロナ交付金を財源としている点、カードを持たない、申請したくない市民との不公平さは明らか。共産党市議団は関連予算の削除を求めます。

問)肥料が過去最高の価格となっている。市内で発生する下水汚泥全量の堆肥化など資源の有効活用を。
答)下水汚泥を利用した肥料の需要が高まることも期待されるため、県や関連市と連携し研究したい。

問)自然生態系活用した農業を軸に、持続可能な環境・社会をめざす「アグロエコロジー」を本市農業施策に生かせないか。
答)「第14次農業基本計画」の年度末の策定に向け審議会を開催している。委員の意見を踏まえ盛り込んでいきたい。

問)感染症の不安もあり、今後「車中泊避難」は増加する。避難場所の早期指定を。
答)紹介された商業施設の立体駐車場は候補地になりうる。県の取組が明らかになったら検討する。
※県内で避難所の収容人数が圧倒的に足りないのは高知市。県待ちの姿勢ではなく早急に指定するよう求めました。

問)四国新幹線は必要か。デメリットは。
答)本市としては高速かつ安全性が高い
新幹線の実現に期待。新幹線と在来線それぞれの機能を活かした公共交通体系を目指したい。
※23日に開通する西九州新幹線。佐賀県内の在来線が切り捨てられた事には触れず市長はメリットばかりを強調。
 
問)高知市東部(介良、五台山等)の公共交通空白地へのデマント型タクシーの導入を。
答)地域の交通状況やニーズ等の調査・研究をすすめながら検討していく。

以下質問原稿(実際の発言と少々異なる部分もあります)

 市長が公務で国葬に参加することについて、「市民の代表として参加してほしくない」、「市民の税金を使わないでほしいと」の声が上がっています。死者の政治利用である安倍元首相の国葬に反対の立場を示し、質問に移ります。

1)政治姿勢 
・反社会的・カルト集団、政治宗教である旧統一協会について
① 政府が9月5日から設けた電話相談には5日間で1000件もの相談があったとのことです。いまだに全国で金銭トラブル含む大きな問題であることがわかります。
市長は統一協会のどこにコンプライアンス違反があったと考えているのか、その問題認識を伺います。
② 統一教会の関連団体は私が調べただけでも19団体あります。
関連団体含む高知市への寄付行為、また関連団体含む企画・行事に対し、高知市が後援したことはなかったのか市長に伺います。

・マイナンバーカード交付事業費について
はた議員の質問で指摘したように、もともと課からの提案では、新規8000件あまりを対象に2000円進呈する「新規取得者へのインセンティブ」を重視した提案でしたが、部長査定後、財源をコロナ交付金に変更し対象4万人に5000円の商品券に変更、さらにカード取得者のうち抽選で2万人に対し1万円の商品券へと変更しています。コロナ予算2億円使い切りのための安直な変更ではありませんか。
③ なぜ事業内容を変更したのか。抽選という方法、カードを持たない、持ちたくない市民との公平
性で大きな問題と考えないのか、市長に伺います。
 
 昨日の川村議員の質問で総務部長は重要な答弁がありました。部長として担当課の意見を聞き方針を決定する際、その内容や手法、公平性・公正性や緊急性、予算の状況に照らし優先すべき施策か、市民ニーズや事業の波及効果を検討の上決断していると答弁。提案した課は、最終判断が大きく異なったことに対しどう感じているのか。今後市民からの批判対応、抽選対応など業務に忙殺されることが予想され、職員の士気に影響が出ないか懸念される。

2)新型コロナ・物価高騰対策 
 高知市は、中小零細、単独、夫婦や家族経営の業者が多く、コロナに感染すれば休業せざるを得ない対面型の店舗経営(飲食店やクリーニング店ほか)の方から何か支援策はないのかという相談を受けましたが現状、給付型の支援金制度などはありません。特に傷病手当については従業員にはありますが、事業主には一切ありません。感染後一定期間休業しなくてはならず、家族間で感染が連続すれば休業期間が長引き、たちまち経営困難となる実態です。
こうした事態に対応する高知市営業自粛店舗支援金制度(2万円×10日限度)は3月に打ち切りとなりましたが、再開を要望する声が高まっています。中小企業・小規模企業振興条例を制定した高知市の責務として、中小企業支援策を早急に打つ必要があるのではないでしょうか。
他市の事例では、曽於市(感染傷病見舞金一律3万円)、三原市(中小業者負担軽減支援金1事業者10万円)などが実施されています。
●事業主への傷病手当金見合いの支援、感染等による店舗休業支援金制度をつくるべきではないですか。市長の所見を伺います。
   

3)農業支援とアグロエコロジー 
 干ばつや熱波など異常気象、コロナ感染拡大、ウクライナ侵略など戦後最大の食料危機が現実のものになっています。世界では貧困国を中心に飢餓が懸念されています。
 2021年の日本の食料自給率は38%、食糧の6割以上を海外に依存する実態であり、食料自給率向上は喫緊の課題です。そこで自給率の低い麦・大豆・飼料の増産が切迫した課題であるにもかかわらず、政府は転作補助金である水田活用交付金カットをすすめています。まさに逆行する愚策です。また肥料も海外依存しているため過去最高の価格となっており、肥料の高騰対策とともに国内で自給できるような施策の転換が求められています。
世界で最も保護されていない農業政策が続けられる中、さらに資材や燃油高騰、作るほど赤字となる連年のコメ価格下落など市内の農家からは「もう農業を続けられない」と悲痛な声があがっています。先ごろ訪問した春野地区では若手のきゅうり農家の方が「傷がこれ以上広がらないよう見切りをつけた」と離農、職種転換すると厳しい表情で話されていました。
今月から申請が始まる本市の肥料価格高騰対策緊急支援給付事業、上限50万円の給付事業は高く評価するものですが、肥料の国産化、地域循環を進めることも必要ではないでしょうか。今年は介良村合併50年ですが、昔から農業の盛んな介良は、下田川から浦戸湾を横断し堀川へ市街地と船便で下肥と農産物を交換してきた歴史があります。江戸時代に代表される環境にやさしい資源循環型社会に学ぶことが大切です。
 全国的に注目が集まっている佐賀市では下水処理で生じた汚泥を活用して作った肥料が海外からの化学肥料と比較し、地場産の肥料が安価な代替品となり注文が殺到、今年6月の販売量は前年の2倍に上ったとのことです。生産コストが圧縮できるだけでなく、環境への負荷が軽減されることも選ばれる要因にあると言われています。本市も高須浄化センターで下水汚泥を利用してたい肥化が行われていますが、
●下水汚泥のたい肥化の現状と課題について上下水道事業管理者に伺います。

 春野地域の市農業集落排水事業で排出される汚泥は年間約900t。バキュームカーで東部環境センターへ運搬され、脱水し2,3割程度はたい肥化されているものの大半は宇賀清掃工場で焼却されています。東部環境センターに集まるし尿・浄化槽汚泥(嶺北受け入れ分含む)合計3400tのうち約900tはたい肥化されているそうですが、残る2500tは施設の処理能力の限界もあり、焼却されています。
下水汚泥を利用した消化ガス発電が昨年から始まっています。地球温暖化防止と循環型社会実現のためには大切な取り組みですが、一方で水分含有量が高いため、サーマル発電ともならず、かえって地球温暖化を促進する汚泥の焼却処分は矛盾していると感じます。
 高知市内で発生する下水汚泥、浄化槽汚泥、し尿など汚泥全量を活用することを目指すべきではないでしょうか。そのためには現状の施設では処理しきれないと思われます。内閣府が9月9日に「電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金の創設」を発表しました。化学肥料からの転換に向けて地域内資源を活用する独自の取り組みに支援するものです。こうした交付金活用も視野に入れ、
●高須浄化センターでのたい肥化施設の新設含め県とも連携し、下水汚泥のたい肥化増産はできな
いものか上下水道事業管理者に伺います。
  
 今年3月議会でも少し触れましたが改めて「アグロエコロジー」について伺います。アグロエコロジーのアグロは「農」、エコロジーは「生態系」。自然の生態系を活用した農業を軸に、地域を豊かにし、環境も社会も持続可能にするための処方箋と言われ世界から注目を集めています。1980年代のブラジルで小規模農家が従来の伝統農法の実践を通して自立と自治を獲得していった実績が評価され、環境・貧困・食料問題などを解決する農業として世界で広がっています。多品目混合栽培や畜産との複合農業などさまざまな手法を季節や場所ごとに組み合わせる農法で、SDGsの目指す方向とも一致し、農家の利益拡大、持続可能な農業など現在の様々な課題を解決するカギともいえます。日本の高い農業技術とアグロエコロジーの考えを融合した取り組みが国内でも広がっています。
●「アグロエコロジー」の考え方を本市の農業振興のため積極的に取り入れていくことが大切ではないでしょうか。所見を農林水産部長に伺います。

4)給食無償化とオーガニック給食
 小中学校の給食無償化を実施する自治体が今年度も急増し、200市町村になりました。コロナ給付金活用で時限的なケースもありますが、そんな中今年7月、中核市では初となる青森市が小中学校の無償化を実施すると表明しました。(明石市は中学校のみ2020年~)教育を受ける権利を保障するためには、学校でこそ子どもの衣食住が満たされなくてはならないと憲法の原則に照らし、給食費を無償にするべきとの粘り強い長年の保護者・市民の運動、議会を通じて実現した快挙といえます。
 また世界的に注目されているのが韓国ソウル市で昨年からスタートした「親環境無償給食」です。残留農薬、放射能、抗生剤、化学合成添加物、遺伝子組み換えのない給食(5無給食)が提供され、憲法に定めれた「義務教育は無償にする」との条項に基づき無償化を実現しました。特筆すべきは無償化のための予算投入による生産誘発効果、雇用の増大、地域経済発展につながり、食育や都市と農村の交流、脱炭素効果も上がったことです。
 日本国憲法26条は韓国の憲法と同様に「義務教育は無償とする」と明記されています。60年前、高知市長浜から全国に広がった歴史的な教科書無償運動。その根拠となったのは憲法26条です。
●憲法26条に基づき本市でも学校給食無償化をめざすべきではないでしょうか。市長に伺います。
*ぜひ青森市に続いてほしい

 今年3月議会でオーガニック給食の導入を求める私の質問に対し市長は「農業者や高知県などの農業関係機関の御協力をいただき、有機農業の確立に向けた研究や検証を進める中で、モデル的な学校給食導入についてもできるかどうかを含めて検討してまいりたい」との答弁をいただきました。
 オーガニック給食を進めるうえで、農水省が予算化しているものでは、有機農業で生産された農産物を試行的に学校給食に導入してみる際の関係者間の打ち合わせ経費や試作品づくりに要する経費、試行導入の際の原材料費などが支援される「有機農業産地づくり推進事業」や、地域の協議会や農業生産法人が、有機農業の安定的な供給体制をつくるために技術講習会の開催などとともに、販路拡大や学校給食関係者との打ち合わせ等の経費を直接補助する「有機農産物安定供給体制構築事業」などあります。また文科省の「学校給食地場産物促進事業」も活用可能な事業です。
●オーガニック給食実施に向け、モデル校選定など今後どう具体化していくのか。支援メニューの検討含め市長に伺います。

5)学校での校外学習 
 長引くコロナ下、子どもたちの学習状況も変化を余儀なくされ、修学旅行や校外学習が行き先を変更したり縮小、中止などが続いています。こうした中、郷土の偉人特に理系の偉人として、牧野富太郎博士、寺田寅彦博士、今年、名誉県民に選ばれた「コメットハンター」関勉さんなどから学ぶべきものは大変大きく、市内・県内の施設や自然を改めて見直し活用することが大切と思います。
小学生など理科の実験や授業は好きですが、高校、大学進学時の理系選択者が少なくなるなどの「こどもの理科離れ」が指摘されています。高知みらい科学館の中期計画では、めざす科学館像として、「理科好きのこどもを育てる」「科学を楽しむ文化を育てる」などの目標が掲げられ、特記事項として社会的課題・SDGsに対する科学館の役割が明記されるなど、未来に向け持続可能な地球環境を守るためにも理科や科学を学ぶことの大切さが伝わってきます。
●牧野植物園や寺田寅彦(記念館や文学館)など、本市小中学校での遠足や校外学習での利活用状況について教育長に伺います。

 戦後77年、戦争の悲惨さや愚かさを語る市民は少なくなっています。物言わぬ語り部として「戦争遺跡」が今後さらに重要性を増してきます。
●平和資料館「草の家」や、人間爆弾「桜花」格納庫跡などが残る浦戸航空隊跡地、県が購入し活用方法の検討が始まった朝倉44連隊跡地、介良鉢伏山にある交通濠やタコツボなど戦争遺跡の見学などを通じ、平和学習をすすめることが大切と考えます。こうした施設や遺跡を活用することについて教育長に所見を伺います。


6)防災 
台風14号の進路、影響が心配されています。
・災害弱者への情報提供
地震や豪雨など災害への備えとして水害ハザードマップの障害者対応のものを作成している自治体は全国で2.6%とごくわずかです。視覚障害者が、被災想定区域や避難場所をイメージしやすくするため「さわるハザードマップ」や「音声版ハザードマップ」が注目されています。
 三重県志摩市のさわるHMはインクが浮かび上がるペンで海岸線をなぞり輪郭を触って感じ取れるもので、南海トラフ地震時の津波浸水地域もぶつぶつとした凸で表現、手で触ってわかるようにしています。視覚障害者の方は「地理的感覚が生まれ、避難路や浸水域の範囲がイメージしやすい。」と好評のようです。
●視覚障害者向けハザードマップ(さわるHM、音声HM)を作成し、視覚障害者の避難行動を支援すべきではないか。防災対策部長に伺います。

・車中泊への環境整備 
 熊本地震や全国で多発している豪雨災害などで、車中泊を選択する方が増えています。
 高知市のさんすい防災研究所は、「コロナ禍での避難生活における車中泊避難支援について」という提言を出されています。提言の中では、今後の予測として、コロナウイルスの影響を考えると感染リスク回避のため車中泊避難者は激増する、と記されています。政府は災害対策基本法86条の7の「やむを得ない理由により避難所に滞在することができない被災者」に「車中泊避難者」が該当するものであり、「必要な生活関連物資の配布、保健医療サービスの提供、情報の提供その他これらの者の生活環境の整備に必要な措置を講ずるよう努めなければならない」という見解を示しています。提言では、エコノミークラス症候群のリスク回避策やゾーニング、仮設トイレ・洗面所の設置など求めており、代表の山崎さんは行政の負担を軽減し、支援がスムーズに行われるために指定避難所の近隣でサテライト的に車中泊避難場所を指定してはどうかと話されています。
 広島市とイオンモール(株)は昨年、ジ・アウトレット広島の立体駐車場を指定緊急避難場所として利用する協定(対応災害は土砂・洪水・高潮 高齢者等避難時に適用)を締結しています。全国でもこうした量販店の駐車場を車中泊避難場所として指定する例も増えています。
●車中泊避難場所を早急に指定していくべきではないか。防災対策部長に伺います。
 2020年9月議会長尾質問に対し「新型コロナウイルスの感染が懸念をされている現状では,現実的に車中泊を選択される方々が多くなると想定されることから,車中泊の方々の具体的な支援方法や受入れ体制につきましては,現在,研究,検討を進めているところでございまして,早期に支援方法等を確立してまいりたいと考えております。」との部長答弁があった。車中泊対応と避難所収容スペース不足は高知市の最大の課題。県まかせにならないように早急に対応を。

・災害情報提供
 全国の自治体は防災行政無線をはじめ、CATVやコミュニティ放送、緊急速報メール等災害時の情報伝達手段の多層化がすすんでいます。前段述べた車中泊避難者や通過交通に向けた情報伝達も求められていますが、現状は不十分な状況であり、全国調査では約6割の自治体が改善策を検討しており、うち4割がFM防災情報システムを導入したいとの結果が出ています。
地デジが全国で完了して今年10年となりました。地デジ化によって生まれたテレビのアナログ放送の電波跡地利用が検討されていますが、総務省は防災行政無線情報をカーラジオに再送信するシステムや自治体が設置する臨時災害ラジオに割り当てる計画などの方針を打ち出しています。
 総務省は地方自治体への負担軽減を考慮し、FM防災情報システムの利用形態について、防災行政無線の屋外拡声子局にFM送信設備を設置し、伝達する形態を想定しています。
 総務省は昨年、電波跡地利用に関する基本方針(案)を定め方針に係る意見募集を行っており、地元のエフエム高知は基本方針に賛同し、システム構築、運用に参画し、地域の防災活動に貢献できる仕組みを構築することを求めると表明しています。
●このような総務省の方針に対し、積極的に情報を収集し災害情報提供のさらなる多層化をめざすことが重要と考えますが、空き電波活用の検討について松島副市長に所見を伺います。

7)公共交通 
 国交省の有識者検討会は7月、「輸送密度」1千人未満の路線について国と自治体、鉄道事業者が存廃を協議する仕組みの創設を提言、3年以内に結論を出すことを想定しています。
提言の最大の問題は、ローカル線存続について国が責任を放棄してきたことに反省がなく、自治体と利用者に問題の解決を事実上押し付け、鉄道廃止やBRT(バス高速輸送システム)、バスへの転換を促していることです。1987年の国鉄分割民営化の際、国はこれ以上のローカル線廃止は認めないと表明して以来35年、次々と地域から線路をはがし(2000年以降JR・私鉄あわせ45線1157.9㎞が廃止)約束を反故にしてきたことは重大です。地方の知事からは「採算、収支、株主の視点を重視した市場原理主義のような発想に陥るな」と警告しています。私たち日本共産党は、政府がリニアや新幹線建設に巨額の予算を費やし推進する一方、地方鉄道廃止を容認する政策を転換し、欧州のように国の責任で地方鉄道の維持・存続を支援するよう求めています。鉄道は「移動の権利・交通権」の保障と共に、地域再生への基盤としても重要です。
 声ひろば(6月16日付)に寄せられた県民の声を紹介します。
「新幹線駅高知?後免?」の記事に違和感を覚えました。高知県の2つの駅だけのために自然を破壊し、多額の税金を投入して在来線とは別のルートを造る新幹線が本当に必要でしょうか。(略)今やってほしいことは新幹線ではなく、地域住民が利用する在来線の駅をバリアフリー化するなどの整備であり、それがJRの利用促進につながると思います。(略)在来線のそれぞれの駅には人々の暮らしとその歴史があり、都会とは違う時間の流れが高知の魅力であり、それを体験できるのは在来線です。新幹線ありきではなくいま一度、高知に新幹線が本当に必要なのか地域住民の声を聞いてほしいと思います。
 高知市議会ではこれまで新幹線導入を求める議会質問が何度か行われていますが、これまで市長の答弁では新幹線構想でのデメリットについて、H26年12月「全国どこでも新幹線が整備されたら既存の路線はJRについては別経営、第3セクターに変わる可能性」H27年6月「在来線において乗客数、利用頻度が低下し、便数の削減や路線廃止が余儀なくされることもある」といった住民にとって大変重要なデメリットを語っておられましたが、ここ最近の答弁ではデメリットについてはあまり強調することなく費用負担やコスト増大、収支採算性、投資効果(最大ケース1.03)、岡山の動向等の問題点が示されるのみで、経済界からの意向を汲み、四国新幹線導入に大きく舵を切ったという印象を私は受けています。これまでデメリットで挙げられた問題(JR消滅、土讃線廃止)は解決の方向なのでしょうか。
●四国新幹線は本当に必要なのか。広域幹線と位置付けているJR含む公共交通を守る視点でデメリットをどう捉えているのか。市長に伺います。
 メリットばかりを強調、明暗の「明」のみ。西九州新幹線が来週23日開通。サガテレビ「はがくれ時評」は、「悲運の新幹線 消えゆく在来線沿線住民にとって「葬式の日」という人もいる。」と報道されている。

 次に公共交通の空白地域を埋め、地域住民の足を維持する「デマンド型タクシー」について伺います。
まず、
●本市の公共交通空白地の定義と現状について市民協働部長に伺います。

 現在市内では、DTの対象地域は12地区に広がりました。これまではバス路線が廃止された地域を優先的に導入してきましたが、今後は公共交通空白地に居住する市民の移動権を福祉的視点も取り入れ、エリアを順次拡充していくことが求められています。検討にあたっては、人口、高齢化率、免許返納率などが考えられると思います。私の住む地域近郊でDT導入を希望する住民ニーズがあり、独自に調査してみました。結果、介良では横堀団地含む介良乙、介良丙全域、五台山地区では東和、屋頭、福浦、長江、高須地区では大島と大谷などのエリアもバス停からの距離300m~場所によっては1.5㌔以上も離れており歩いてバス停まで行くのは大変です。こうした地区などはじめ、
●公共交通空白地における今後のデマンド型タクシーの拡充施策について市民協働部長に伺います。

8)鎌倉市との交流事業 
 大河ドラマ・「鎌倉殿の13人」が放映されていますが、源義朝の五男、頼朝と同じ母のもとに生まれた弟=源希義が高知市介良に住んでいたことを皆さんご存じでしょうか。源氏が平治の乱で敗れた後、頼朝は伊豆へ流され、当時3歳だった希義は土佐の庄=介良に流され、元服し介良冠者・土佐冠者と呼ばれていたそうです。平氏追討の命令により1180年に頼朝が挙兵、諸国の源氏はこれに呼応し、希義(当時25歳)も介良城を発し、夜須七郎行家を頼り夜須に向かう途中、平氏の家臣であった平田氏により現在の南国市鳶が池中学校付近で殺害されたと言われています。
(鍋島高明さん「介良のえらいて」より)
 希義の遺体は平家の勢力を恐れる地元民が埋葬せず放置、これを憤った介良の僧琳猷上人が荼毘し介良に埋葬、その後遺髪とともに鎌倉に向かい頼朝に希義の最期を詳しく伝えた。喜んだ頼朝は「亡魂再来」とし、希義追慕のため、墳墓の地に寺院(西養寺のち廃寺)を建立し、毎年68石の供料米を布施したという。
西養寺跡地には希義の墓「無縫塔」(市有形文化財)が建ち上方に希義神社が鎮座し、現在は史跡としての整備や顕彰活動を「源希義公を顕彰する会」のみなさんが行っておられます。
(「介良風土記」より)
 希義には美しい妻がおり妊娠しており、鎌倉幕府は草を分けても探せというので夜須七郎行家はついに探し出し、男の児であったのでこれを養育し、吉良八郎希望と称した。この子孫は代々吾川郡春野村吉良城に住んだ。
 先月、小学館の雑誌サライは「高知で死んだ源頼朝のもうひとりの弟、希義。悲劇の御曹司の足跡と840年後も続く“まれよっさん”の祭祀 鎌倉殿の13人満喫リポート番外紀行編」と特集し、「もし、母を同じくする希義が無事に鎌倉にはせ参じていたら頼朝はどう処遇しただろうか。討伐軍の大将か?」「鎌倉殿の13人に登場したら誰が演じただろうか」など様々な思いが頭によぎる。と書いています。
 また鎌倉とのつながりといえば、日本のまんが史・アニメ史に大きな足跡を残した国民的な漫画家、高知市名誉市民の横山隆一さんは、鎌倉市名誉市民でもあります。記念まんが館は今年で開館20周年、晩年に描かれた絵本「ふうせんどり」が今月出版されました。
●源希義や横山隆一さんのつながりを生かし、鎌倉市との交流を深めてはどうでしょうか。市長に伺います。
 朝ドラ「らんまん」では牧野博士のつながりで練馬区との交流も始まったことに続き、鎌倉からの観光誘致や高知市のまちづくりにつなげてほしい。


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