国の中小企業基本法の抜本改正、小規模企業振興基本法の制定により、これまで努力義務とされていた中小企業振興施策の実施が地方公共団体の「責務」となりました。
本市事業所の99%を占める中小企業の振興について、基本理念を定め、市の責務、市民・諸団体の役割を明確にし、市の施策を総合的に推進し、本市経済の発展及び市民生活の向上に寄与する目的で「中小企業・小規模企業振興条例案」がいよいよ6月議会に提案されることになりました。
高知市中小企業振興条例策定を めざす議員有志の会が市長に「提言書」を提出
提言書を市長に手渡す議員有志の会メンバー
*写真左から細木(共産)、横山(自民中道)、市長、岡崎(市民クラブ)、寺内(公明)
高知市中小企業振興条例策定をめざす議員有志の会メンバーはこれまで議会で「中小企業振興条例」の制定を求めて来た議員を中心に超党派で昨年結成、これまで高知県中小企業家同友会のみなさんとの意見交換会、全国の条例制定にアドバイザーとして関われている岡田知弘京都大名誉教授の講演、産業連関分析や地域経済を専門に研究されている中澤純治高知大准教授の講演などを開催してきました。
高知市は昨年度中小企業振興専門会議を立ち上げ、これまで3回の会合を開き条例案をまとめ、現在パブリックコメントを募集しています。(5月6日まで。資料は市産業政策課ほか窓口センターやふれあいセンターにあります。ぜひご意見の提出にご協力をお願いします)https://www.city.kochi.kochi.jp/joho/html/lp________01.htm
有志の会を代表して細木が提言の内容を市長に説明し、その後意見交換を行いました。
有志の会「提言」(全文は下記参照ください)では、事業所の厳しい実態や1次産業との連携、環境配慮、市民参画、情報公開の徹底、大企業等の役割を明記すること、短期計画であるアクションプランの重視、審議会委員増員などを提言、併せて市内の全事業所の実態把握や産業連関表の定期的な作成も求めました。
高知市中小企業・小規模企業振興条例(案)への提言
2022年(令和4年)4月7日 高知市中小企業振興条例策定めざす議員有志の会
① 条例名について
条例の意義および市民に親しみを持ってもらう条例にするため、通称・愛称を設けてはどうか
② 前文について
本市事業所の課題のひとつである、後継者不足による事業継承や資金繰り困難などを追記。
③ 目的について
第1条 地域経済の循環を追記
第2条 (12)にリカレント教育の重要性を追記
④ 基本理念について
・1次産業との連携および地域経済の循環、環境及び資源保全と調和を促進
※農業生産額県内1位、SDGsの理念を反映させるため
⑤ 基本方針について
以下追記
・市長は、基本方針を定め、又は変更するに当たっては、中小企業者その他の関係者の意見を聴くとともに、あらかじめ、その趣旨、内容その他の必要な事項を公表し、広く市民の意見を求めなければならない。
・市長は、前項の規定により提出された意見及び情報を考慮して基本方針を定め、又は変更しなければならない。
・市長は、基本方針を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
※(1)~(6)についてそれぞれタイトルをつけたらどうか
⑥ 市の責務について
・産業施策の推進に当たり、国、高知県その他の地方公共団体及び教育機関との連携及び協力に努めるものとする、を追記
※連携中枢都市としての自覚
⑦ 新設)大企業の役割
市内の大企業者は、中小企業・小規模企業者との共存共栄を図るとともに、市が行う産業施策及び経済団体等が行う産業の振興のための事業活動に積極的に協力するものとする。
⑧ (新設)大規模事業者の役割
市内の大規模事業者は、中小企業者等との共存共栄を図るとともに、市が行う産業施策
及び経済団体等が行う産業の振興のための事業活動に積極的に協力するものとする。
⑨ 中小企業・小規模企業振興戦略プランについて
短期計画である「アクションプラン」を明記
※プランをいかにPDCAサイクルで循環させ効果をあげていくかが大事であるため、プランの重要な課題ごとに部会を創設し、多くの事業者・市民が参画していく方向を望む。進捗管理は毎年実施。
⑩ 中小企業・小規模企業振興審議会について
委嘱委員の増員(事業主、金融、商工団体、消費者、公募委員など)
⑪ (新設)中小企業振興施策の公表等
市長は、毎年一回、市の中小企業の振興に関する主たる施策の実施状況を取りまとめ、これを公表するものとする。
市長は、前項に規定する中小企業の振興に関する主たる施策の実施状況について中小企業者その他の関係者の意見を聴くものとする。
市は、前項の規定により聴取した意見を考慮して、中小企業の振興に関する施策をより効果的なものにするよう努めるものとする。
<その他>
・事業所の実態を把握するため、市内事業所の悉皆調査実施(全職員体制で)
・高知市産業連関表については、本市の経済構造を総体的に明らかにするとともに、経済波及効果分析を行うための基礎資料として、「条例」やアクションプラン見直し、産業施策に生かすことが重要であり、定期的に作成されることを望む
・地域経済循環率調査の実施
・パブリックコメント実施については、中小業者に周知徹底し、「わが事」に。