放菴日記抄(ブログ)

これまでの放菴特集・日記抄から「日記」を独立。
流動的な日常のあれこれを書き綴ります。

石田組!(inふくしん夢の音楽堂)

2024年02月14日 00時37分19秒 | 観劇日記
2024年1月27日。福島・「ふくしん夢の音楽堂(福島市音楽堂)」に石田組のコンサートを浴びに行きました。
 
 福島駅からバスの乗って音楽堂を目指す。
 このバスの運転手さんがとても丁寧。
 「皆さん、今日は音楽堂のコンサートに行かれるんですよね」
 はい、普段よりも乗り具合が多いようで。
 「音楽堂へは〇〇バス停降りましたら左へ行くと近いですよ。帰りは向かいのバス停から駅へ行けますんで。」
 なんて親切・・・。
 タクシーの運転手との会話であれば、このくらいパーソナルな応答はしてくれるだろう。ところがこれは乗合バス・・・!
 バスって他にアナウンスしなければならないことが多いから、それ以上案内できる余裕なんて無いと思っていたけど、この対応はすごい。予め今日はこの路線を利用する人が多いことを把握し、どういう案内をすれば役に立つかという配慮を考えてくれたのだ。仙台ではコンサートあるからってこんな対応してくれるかどうだか・・・。

 さて夢の音楽堂は古関裕而記念館に隣接している。古関への顕彰の意味合いが強い。
 一度中に入ってみたかった。ふくしん夢の音楽堂の大ホール。

 天井高い・・・!
 正面には巨大なパイプオルガン。
 ゴシック建築のピア(束ね柱)を思わせる垂直の装飾壁。それがパイプオルガンを真ん中にずらりと並ぶと、まっすぐ伸びるオルガン金管パイプがさらに際立つ。 
 カトリック聖堂みたい。
 
 時間とともに客席が人で満ちてゆく。
 みんな公演についての期待を仕舞っておくことができず、誰彼ともわならない声が今日の話題を口にする。それがさざめく波のようにホールのあちこちから湧いては消え、また湧いて消えてゆく。
 まるで開演前のルーティン。
 
 間もなくブザー。
 登場する10人の演奏者。もちろん最後にゆっくり出てくるのが石田組長さん。
 今日もカッコイイ。

 弓を構えると小さくチューニング。ホントにちょっと音を出すだけ。これだけで10人の音色がピタッと合ってしまう。これはもはや調律というより規律に近い。
 すぐに音楽が始まる。冒頭はシベリウス「アンダンテ・フェルボージョ」。仙台で聴いて以来すっかり大好きになった一曲。
 
 おや。

 音が深い。リバーヴが効いている。
 「アンダンテ・フェルボージョ」が別物に聴こえる。
 これがこの音楽堂の特徴なのか。

 きっとこの音楽堂はパイプオルガンの残響をより深くするために設計されているのだろう。
 音楽ホールによって音の響きが違うということなのだろうけど、おんなじ奏者でおんなじ曲を聴き比べるなんて滅多にできる体験ではない。すごくおもしろい。
 
 きょうもプログラムはさくさく進む。
 前半はノーМC。こういう小気味よさはクラシック慣れしていない自分にはありがたい。

 大好きな「アンダンテ・フェルボージョ」に「ニュー・シネマ・パラダイス」も聴ける。
 でも今日の最大の楽しみは、なんと「ボヘミアン・ラプソディ」。
 言わずと知れたクイーンの名曲。
 とにかく石田組は音がキレイ。だから一層楽しみ。(つづく)

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